<日記>
過去の日記(2012年5月〜8月)
未来の日記(2013年1月〜4月)


<12・30>
・今年最後の日記になりました(冬コミ情報)。
 ついに今年最後の日記となりました。今年もまた年末に冬コミのサークル参加という、最後の一仕事が待っています。というわけで最後の日記は冬コミの情報です。

 「31日(月)3日目 東ハ33b たかひろ的研究館」

で参加しています。今回は「評論・情報」ジャンルでの参加です。今までは1日目もしくは2日目のFC(ガンガン)で参加していましたが、日程の折り合いがつかなかったのと、それと一度は評論で参加してみたかったというので、こちらで参加してみました。こちらの方は周囲に知り合いのサークルが何件かあるので、挨拶に行くのが楽しみだったりします。3日目はむしろ本を買いに走りたいのがちょっとネックではありますが(笑)、まあ仕方ない。

 今回の新刊は、「エニックス・スクエニアニメ作品レビュー」。パプワ・グルグルから今年のアニメに至るまで、エニックス(スクエニ)から出た全アニメ作品の簡単なレビュー本を作ってみました。ただ、作ったのが今年の春なので、残念ながらそれ以降のアニメの記述がありません。夏コミで出す予定で作ったら夏コミに落選してしまいまして、なんとかこの冬コミでは当選して初めて出せることになりました。まあ、幸いにも夏以降のスクエニのアニメはあまり多くなくて「絶園のテンペスト」くらいしかないので、なんとか今でもほぼそのままで通用すると思います。

 頒布価格は400円程度を予定しています。他に既刊が5冊ほどあります。こちらも400〜500円程度で売りたいと思います。普段から少ししか売れない上にコミケくらいしか出る機会がないので、少しでも興味のある方は是非ともスペースまで訪問していただいて、在庫を減らすことに協力してください(笑)。よろしくお願いします!

 たかひろ的研究館(コミケウェブカタログ)
 たかひろ的研究館(twitcmap)


<12・26>
・あの「ゴッホちゃん」がまさかのコミックス発売!
 毎年12月はコミックスの発売ラッシュで、スクエニからも22日にはなんと27冊ものコミックスが発売されますが、その中に個人的にひどく目を引く一冊がありました。ヤングガンガンで不定期掲載されていた4コママンガ「ゴッホちゃん」(マブレックス)です。これまで、何度も単発の読み切りで掲載されてきましたが、最近になって半年ぶりに再登場し、連続掲載されるまでになりましたが、これはコミックスを出す布石だったのでしょうか。

 この「ゴッホちゃん」、タイトルにもあるゴッホを初めとした実在の画家たちが多数登場する異色の4コマで、伝えられる彼らの性格や、実際にあったエピソードを元に、それを爆笑ギャグに仕上げていて、とにかく笑えるマンガになっています。実在の芸術家たちが主役で、絵もギャグマンガらしくデフォルメされているシーンも多い一方で、ひどくリアルタッチの画風もふんだんに見られる、見た目からして非常に特徴的なマンガになっています。そのリアルタッチな絵であえてキャラ壊れ系のギャグをやるというのがとにかく面白い。

 さらには、単にギャグが面白いというだけでなく、時に名画を前にしての深い話も見られ、こちらは絵画や芸術の一端に触れることの出来る、優れたエピソードになっています。また、作者が自ら名画を描いているのが最大の特徴で、まさかここまで再現するとは本当に驚き。毎回最後の話は、その名画が大ゴマで見られるのが定番で、それはひときわ深い感動を呼ぶエピソードになっています。

 このような、実在の芸術家や絵画をリアルタッチで描く4コママンガは、今の4コマの中では異色中の異色だと思います。もしかすると過去に近いコンセプトの作品があったかもしれませんが、少なくとも今は思い切り少数派でしょう。いわゆるファミリー4コマでも萌え4コマでもない、しかし確かな面白さを持つ4コママンガの傑作だと思っています。4コマが好きな方、あるいはゴッホや絵画に興味のある方、あるいは単に面白いマンガを読みたい人まで、是非とも多くの人に読んでほしいと思いますね。このマンガのコミックスを出した編集部の英断に賛辞を送りたい。

 ノワーニャ(マブレックス)


<12・23>
・あの「きんいろモザイク」がアニメ化だと!
 前々回の日記で書いたガンガンONLINEのカウントダウンは、やはり「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」のアニメ化でした。これはこれで大変めでたいのですが、ここはもうひとつ、他社作品からの待望のアニメ化決定の報が飛び込んできたので、そちらを書きたいと思います。

 それは、芳文社のまんがタイムきららMAXで連載されている4コマ「きんいろモザイク」(原悠衣)。今わたしが最も気に入っている4コママンガです。作者の原悠衣さんは、かつてマッグガーデンのコミックブレイドで「堕天使カナン」や「星のウィッチ」といった連載を手がけていました。どちらも良作だったのですが、しかしあまり人気は出なかったのか、どちらも短期連載で終わってしまい、その後長い間活動が途絶えてしまいました。しかし、その後芳文社のきららMAXでこの「きんいろモザイク」の連載を開始。こちらは開始後まもなく安定した人気を得て成功し、ついにアニメ化を達成する運びとなったようです。

 このマンガ、日本とイギリスの女子高生たちの交流を描いた学園もので、日英の文化交流的な側面も持っています。そしてとにかくキャラクターの女の子たちがとてもかわいい。原さんの絵はまさに中性的なかわいさに満ちていて、特にイギリス人金髪少女・アリスが素晴らしい。いや5人いるメインキャラクターのどれもがそれぞれのかわいさを持っていて、まさに理想的な萌え4コマではないかと思います。

 そして、そんなキャラクターが織り成すコメディがとても面白い。意外にもかなり激しいネタも多くて笑えます。その一方で、どこかほっとするような切ないような雰囲気を感じるシーンもありますが、それは遠いイギリスという異郷からの交流、その姿を丹念に描いているからかもしれません。「きんいろモザイク」というタイトルも、きらきらと美しいこのマンガのイメージをよく表していると思います。

 現在の原さんは、一迅社のREXでも「宇宙ヨメ」という連載を開始していて、こちらのコミックス1巻も先日発売されました。この「きんいろモザイク」のアニメ化を契機にこちらも注目されればいいなと思っています。

 TVアニメ「きんいろモザイク」公式サイト


<12・19>
・フォワードコミックス「がっこうぐらし!」。
 現在、芳文社のまんがタイムきららフォワードとスクエニのヤングガンガン、その双方で連載を持っている作家がふたりいます。ひとりは、フォワードで「はぢがーる、ヤングガンガンで「よん駒!」の連載をしているみやびあきのさん。そしてもうひとりが、フォワードで「がっこうぐらし!」、ヤングガンガンで「アイドルマスター シンデレラガールズ あんさんぶる!」を連載している千葉サドルさんです。先日12日、その千葉サドルさんのフォワード連載「がっこうぐらし!」のコミックス1巻が発売されました。多分これがサドルさんの商業誌初コミックスではないかと思います。

 このマンガ、「学校生活部」なる部活に所属する3人の少女と顧問の先生の日々の活動を描く学園もので、放課後の部活の様子を楽しく描くマンガになっています。何よりも、とにかく千葉サドルさんの描く女の子がとてもかわいい。確か最初に見かけたのはスクエニのガンガンONLINEで掲載されていた小説の挿絵だったような気がするのですが、その時からいい絵だなと思っていました。その後もしばらくはイラストの方での活動をよく見かけたのですが、初コミックスとなったこのマンガの絵もとてもいいですね。キャラクターはかわいいと同時に色っぽさも存分に出ていて、さらには背景も含めた全体的な作画の質も文句なしでした。

 そして、「学校生活部」なる部での活動が、本当に楽しく描けています。「がっこうぐらし」というタイトルどおり、放課後に帰宅せず学校に寝泊りする部活で、他の部活の活動を手伝ったり、夜の校舎で肝試ししたり、部室にテントを張ってキャンプの真似事をしたり、とゆるくにぎやかな活動が楽しく描かれています。いわゆるゆるい部活もの作品としてよく描けたマンガだと言えるでしょう。


 ・・・と、前置きはこれくらいにして、このマンガは決してそんな楽しいだけの学校ものではありません。この一見して楽しく見える学校の生活は、決して真実ではなかった。主人公のゆきだけは、なぜかそれを楽しい学校生活だと完全に信じ込んでいるのですが、他の部員たちが人知れず影で彼女をサポートしていたのです。この裏で見せる真相は非常に悲しいものがあって、一気に物語に引き込まれてしまいました。この物語と世界観は、原作を担当している海法紀光さんによるもののようで、コミックスの後書きでこの設定に対する思いがよく綴られています。これまでは小説の活動が中心だったようで、マンガ原作は今回が初のようですが、いい仕事をされていると思いますね。かわいい絵と楽しい学園生活の裏にある恐ろしく悲しい設定と物語。今のフォワードの連載でも非常におすすめの作品ですね。

 がっこうぐらし! 第1巻 - まんがタイムきらら - 作品紹介ページ
 SEN茶(千葉サドル)
 海法 紀光 (nk12) on Twitter


<12・16>
・「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」アニメ化か?
 ガンガンONLINEで先日の更新から謎のカウントダウンが始まっています。このままだと22日にカウントはゼロとなります。今まで、このような企画のほとんどがアニメ化だったことを考えると、今回もアニメ化だと予想されるのですが、はて一体何がアニメ化されるのか? すでにコミックスが100万部以上売れている「ばらかもん」や、今年からの新連載で一番の話題となった「月刊少女野崎くん」など候補はいくつもあります。

 そんな中で、どうも「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」(谷川ニコ)のアニメ化ではという情報を聞きました。なんでもそれらしいドメインが既に取られているとのこと。本当だとしたらこれも納得。今年この作品も大いに話題となりました。

 これは、「空回りしてばかりで痛々しくも切ない喪女(社交性に乏しく、恋愛経験がない女性)の日常を描いた作品」(Wikipedia)で、オタクというか正確には「非リア充」とも言える女子高生の日常を描いたマンガになっています。その痛々しさ、「あるある」感が大きな共感を呼び、昨年8月の連載開始当初からすで一部読者の間で評判にのぼっていました。

 そして、その話題を一気に広めたのが、海外の掲示板での反応です。なぜか海外のマンガ読者にこのマンガが取り上げられ、どうもそちらでも大反響を起こしたようなのです。そして、その反応が日本にも伝えられ、マンガ読みを中心に口コミで話題が一気に広がっていきました。このようなケースはかなり珍しいと思いますし、まさかこのようなマンガが海外で・・・と本当に意外に思いました。ただ、それだけ誰が読んでも面白い優れたマンガだったのだと思います。
 そして、その話題の広まりを受けて、現役マンガ編集者が選出した「第1回マンガ秋100」において、第2位を獲得。さらに「このマンガがすごい!2013」でも19位に入っています。スクエニのマンガが入りにくいこの本において、無名の作家による新作がランクインするのはかなりの快挙だと思います。かねてより谷川ニコさんのマンガを知っていた自分としてもうれしい限りです。

 そして、これがもしアニメ化するしたらそれも本当にうれしい。まだ今月にコミックス3巻が出るくらいの連載開始して日の浅い作品で、果たしてアニメ化するだけのストックがあるのか?それだけが気がかりですが、しかし大いに期待してカウントダウンの結果を待ちたいと思いますよ。

 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!ガンガンONLINE
 ガンガンONLINEで謎のカウントダウンがスタートコミックナタリー


<12・12>
・「このマンガがすごい!2013」に思ったこと。
 いつも毎年話題になる宝島社のムック「このマンガがすごい!」ですが、今年も買ってきました。ざっと読んでみたところ、いつもとそれほど変わらないかなという印象でした。いわゆる通好みの作品、マンガ読みの間で話題になった作品が、ランクインの多数を占める傾向は変わらない。ここ最近は(2010年以降)、一般人からのアンケートの結果も票に加わっているようですが、それでも基本的な傾向は変わっておらず、むしろさらに強まっているようにも感じました。ただ、ジャンプやサンデーなどメジャー誌での連載がいくつかランクインされるようになったのは、そこからの影響かなとは思いました。

 ただ、ごく普通にこの1年の人気マンガを振り返ってみた場合、相変わらず違和感が伴うのも事実。例えば、このサイトで扱うスクエニの作品からは、2位に「ハイスコア・ガール」(押切蓮介)、19位に「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」、25位に「ばらかもん」が入っていますが、いずれも、特に前者2つは主にマンガ読みの話題になった作品で、確かにいずれもとても面白い作品だと思いますが、しかしこれ以外にももっと広く人気を得た作品はあるわけです。

 とりわけ、最近アニメ化された作品がひとつも入っていないのは、一見して不思議です。「妖狐×僕SS」も「男子高校生の日常」も「咲-Saki-阿知賀編」も入っていませんが、これらはいずれもコミックス累計100万部をはるかに超えているヒット作です(*「咲」は本編を含んでの数字)。あるいは、スクエニという出版社自体も、ここ最近は集英社・講談社・小学館の三大出版社に次ぐコミックスの売り上げを達成するほどの大きなコミックの出版社になっています。そこからランクインするのが、上記のコアなマンガ読みの間で話題となっている3作品のみというのは、あまりにもバランスを欠いている(通好みの作品しか入らない)ように感じました。いや、これでも、そもそもほとんどランクインしない角川・メディアワークス系のマンガや、あるいは4コママンガ系に比べれば、まだずっとましなのかしれませんが・・・。

 このあたりは、同じランキングでも、姉妹誌である「このライトノベルがすごい!」の方がずっと自然なように思われます。こちらは、アニメ化もされ広く人気を得ている作品が多数ランクインし、あるいはライトノベル読者の間で評価を得ている定番のシリーズ作品もいくつかランクインし、一方で新しく注目され始めた作品も上位にランクインしていたりと、ごく自然でバランスの取れたランキングになっていると感じました。なぜライトノベルとマンガでここまで変わるのか不思議なところです。

 それともうひとつ、ランキング50位までの作品こそ掲載されていますが、1票以上の票が入った作品はもっとたくさん(数百)はあるようです。出来れば、そちらもすべて掲載してほしかったところです。そこならば、上位で名前を見られなかった作品のいくつかも、もっと広く読まれている作品も入っているかもしれない。その方がずっと有意義だと思いますね。

 「このマンガがすごい!」1位はテラフォーマーズ&俺物語!!コミックナタリー
 このマンガがすごい!とはニコニコ大百科


<12・9>
・豊作だった今年のスクエニ4コマ。
 「4コマオブザイヤー2012」が4コマ漫画レビューサイト「素晴らしい日々」(hachinoheさん)で開催されています。今年1年(正確には2011年12月1日以降から2012年11月30日までの1年間)に発売された4コママンガの新刊(1巻発売マンガ)と既刊(2巻以降発売マンガ)から、面白かった4コママンガを投票しようというこの企画、合わせて候補作品のリストも作成されています。

 2012年4コマ単行本発売リスト

 改めて振り返ると、今年も数多くの4コマが出ていましたが、その中でもこのサイトで扱うスクエニの4コマ、これも例年以上に盛況だったことに気づきました。とりわけ、今年1巻が出た新刊において、これはというマンガがいくつかあります。

 まず、なんといっても、今年4月に1巻が出たガンガンONLINEの連載「月刊少女野崎くん」(椿いずみ)は外せません。作者は白泉社の「花とゆめ」の連載で既に大きな人気を得ている少女マンガ家で、この「野崎くん」でもその実力を存分に発揮。「男子高校生なのに少女マンガ家」という野崎くんと、彼の意外な姿に振り回されるヒロインを中心に、個性的すぎるキャラクターたちが勢ぞろいの本当に笑えるコメディとなっています。4コマならずとも、今年1年のスクエニのマンガの中でも、最大の話題作のひとつとなっています。

 9月に同時に新刊が出たガンガン連載の2作品「恋するみちるお嬢様」(若林稔弥)「ピース*」(鳴海けい)も見逃せません。どちらも高校生たちが主役のとても楽しいコメディとなっています。「みちるお嬢様」は、ドSな家庭教師の男の子と、彼に恋したみちるお嬢様との掛け合いがとにかく笑えますし、「ピース*」は、女子高生なのにエロ大好きな官能小説家のヒロイン・間宮さんと、彼女に散々振り回される男子高校生・瀬川くんとの掛け合いがやっぱり最高に楽しい。今年はガンガンでも4コママンガが豊作でした。

 ヤングガンガンからは、あの「咲 -Saki-」からのスピンオフ「咲日和」(木吉紗)が秀逸の出来栄え。原作の「咲」のキャラクターたちの楽しい日常をうまく4コマに仕上げています。かわいいキャラクターのかわいいギャグが微笑ましく楽しい一作。また、これもスピンオフで「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる4コマ」(まりも)もいい。絵がとてもうまく原作のイメージをよく再現している上、毎回のギャグネタ作りも巧みです。今年は原作付きの4コマでもいい作品が出ましたね。

 既刊部門では、まず「堀さんと宮村くん」(HERO)、「マンガ家さんとアシスタントさんと」(ヒロユキ)、「生徒会のヲタのしみ。」(丸美甘)あたりが、惜しくも終了を迎えています。すべて良作でした。継続連載では、変わらぬ人気の「WORKING!!」(高津カリノ)とその高津さんの新作「サーバント×サービス」、ガンガンJOKER勢の「ヤンデレ彼女」(忍)、「絶対☆霊域」(吉辺あくろ)、ガンガン連載の「勤しめ!仁岡先生」(尾高純一)あたりが揃って健在で、いずれもよく健闘していると思います。かねてより4コママンガが面白いと思っていたスクエニですが、今年はとりわけ面白い作品が出揃ったと思いますね。

 さて、「4コマオブザイヤー2012」では、まだまだ12月20日まで投票を受け付けているようです。4コマ好きな方は、是非とも投票してみてはどうでしょうか。新刊部門から5冊、既刊部門で3冊まで投票可能です。

 「世界よ、これが4コマだ。」4コマ総決算『4コマオブザイヤー2012』開催のお知らせ素晴らしい日々


<12・5>
・「黒執事」もいつの間にか連載6年。
 先日発売された「黒執事」の15巻をようやく読み終えたのですが、今やっている「ウェストン寄宿学校」を舞台としたエピソードがとても面白く、まだまだこのマンガは健在だと感じました。連載開始直後から人気を集め、アニメ化でスクエニでも最も有名な作品のひとつとなりましたが、原作はこのところずっとマイペースで続いているような感じです。

 連載が始まったのは、Gファンタジー2006年10月号。当初は5回程度で終わる短期連載の予定だったのですが、すぐに人気を得てそのまま長期連載化が決定します。当時は、女性マニアのあいだで「執事」がブームだったことや、「黒執事」という実に分かりやすくインパクトも十分なタイトル、そして何よりしっかりした作画とストーリーが人気を得た理由でしょう。このマンガ、コミックスの表紙などは、確かに女性に人気を得られそうな耽美的なイメージも多少は感じますが、中身は意外にもコミカルなギャグ展開も多く、一方でシリアスで重い設定とうまくバランスを取っているように思えます。少なくとも原作マンガは、見た目よりもずっとコミカルで、誰もが笑って楽しめるマンガではないかと思います。

 アニメは、2008年に最初のアニメが放映された後、「黒執事II」というタイトルで2010年に2期が放映されました。最初の方は、オリジナルの話がかなり 多くを占めていたのは、原作ファンとしてちょっと不満でしたが、ただ原作の持ち味であるコミカルな部分とシリアスなストーリーをよく描いていたのは好印象でした。作画や時代考証がしっかりしていたのも評価できました。
 しかし、2期の方のアニメは、ずっと耽美的で女性向けの要素が強くなったようで、さらにはオリジナルのキャラクターが多数登場し、ストーリーや設定もアニメオリジナルと、原作の持ち味が大きく損なわれたような気がしました。こちらの方は残念ながらあまり評価できませんね。

 また、アニメ放映を前後して、舞台化が行われたりイベントが行われたりDSのゲームにもなったりと、あの頃はいろいろと動きがありましたが、アニメ2期が終わって久しいここ最近は、ずっと落ち着いて原作のみが続いているような状態ですね。しかし、今やっている寄宿学校編はとても面白い。個性的な生徒たちが多数登場し、学園に潜む謎を巡るストーリー展開もいい。まだまだこれからも楽しませてくれそうです。


<12・2>
・「中二病でも恋がしたい!」のアニメも面白い。
 少し前の日記で、ジョジョのアニメが面白いという話をしましたが、もうひとつ今季のアニメとして、この「中二病」も非常に面白いと思って観てます。あの京都アニメーションの新作ですが、始まる前はそれほど注目していませんでした。しかし、観てみるとこれが本当によく出来てました。

 主人公とヒロインたちが中二病、もしくはかつて中二病だったものたちで、彼らが集まったゆるく楽しい部活動や学校生活を描く作風となっていて、かつての京都アニメーションのアニメ「けいおん!」や「涼宮ハルヒの憂鬱」と近い感じで、とても楽しい作品になっています。加えて、中二病ならではの大仰な設定に満ちた妄想や思わせぶりなセリフも楽しい。笑えるシーンも多くて毎回爆笑しながら見ています。

 そして、なんといってもキャラクターたちがみんな魅力的。メインヒロインで放送開始直後から大人気の眼帯少女・六花を始め、クラスでも人気の美少女ながら裏の顔が怖いモリサマーこと丹生谷さん、そのモリサマーとの掛け合いが楽しいツインテールの元気少女・凸守(でこもり)、どこまでものんびり癒し系のくみん先輩、ひとりひとり本当にいいキャラクターしてます。このキャラクター作りは素晴らしいですね。

 原作は、KAエスマ文庫のライトノベルなのですが、このKAエスマ文庫は、これまで京都アニメーション作品を扱う一部の店舗でしか販売しておらず、入手経路が限られることで、読んでいる人は非常に少なかったと思います。さらに、この原作からは大きく設定が変わっていて、オリジナルキャラクターも多数追加されていて(上記のくみん先輩と凸守はアニメオリジナル)、実質的にオリジナルアニメに近い作品ではないかと思います。京都アニメーションらしさが存分に出たオリジナル作品と見た方がいいでしょう。

 最近の展開では、六花を巡るシリアスな展開に突入し、さらにはタイトルにもあるような恋愛要素まで出てきて、さらに面白くなってきました。ジョジョと並んで毎週本当に楽しみなアニメですね。

 TVアニメ『中二病でも恋がしたい!』公式サイト


<11・28>
・ミリオンアーサーのコミカライズが始まったけど・・・。
 春にリリースされてから個人的にずっとはまっているiPhone用カードゲーム「拡散性ミリオンアーサー」ですが、幸いにも好評稼働中のようで、その人気を受けてガンガン系2誌でコミック化連載がはじまりました。先に始まったのはヤングガンガンで「拡散性ミリオンアーサー ファニーガイズ型4コマ」という4コママンガが、のちにビッグガンガンでも「晴れ、ときどきミリオンアーサー」という1Pコミック形式の連載が始まりました。コミカライズを担当するのは、前者が倉林青さん、後者がとりうみいたちさんです。どちらもこれまでスクエニ雑誌で連載を持ったことはない作家だと思いますし、こうした新人さんにゲームコミカライズという形で連載の機会を与えるのは、いい試みだと思います。

 しかし、このふたつの新連載、初見ではあまりいい作品とは思いませんでした。少なくとも、原作ゲームのストーリーをシリアスに再現したものではありませんでした。前者のヤングガンガンの連載は、ギャグ系の4コママンガとなっていて、それもかなりのキャラ壊れ系のギャグマンガとなっていました。昔のドラクエ4コマのようなマンガと言えば分かりやすいかもしれませんが、もっと本格的なストーリーマンガを期待していた僕としては、こうしたライト感覚のギャグマンガでは物足りませんでした。後者のビッグガンガンの連載も、こちらは1Pコミックとなっていますが、基本的なテイストはギャグ4コマとほぼ同じ。ある程度序盤からストーリーをなぞってはいるようですが、しかし思い切りギャグ全開に脚色されていて、やはり物足りませんでした。

 原作のストーリーは、一部にギャグ・コメディ調の部分はあるものの、基本的にはシリアスなファンタジーストーリーで、アーサー王伝説を題材にして、ブリテン(イギリス)国内の騒乱や大陸からの外敵との戦いをドラマチックに描いています。シナリオを手がけているのは、「とある魔術の禁書目録」でよく知られた鎌池一馬で、設定といいストーリー展開といいいかにも鎌池さんらしいもので、本当に面白く出来ています。まさかiPhoneのブラウザゲームでここまで本格的なストーリーが楽しめるとは思いませんでしたし、それならばコミック版でも是非ともその本格的なストーリーを再現してほしかったです。

 もしかすると、これから先もコミカライズの予定があって、そちらではストーリー中心のコミック化なのかもしれません。しかし、ならば最初のコミカライズから本格的なストーリーを見せてほしかった。このようなくだけた感覚全開のギャグマンガでは、ゲーム未プレイの読者には決して印象はよくないと思いますし、原作ゲームの人気の向上にもつながりにくいと思うのです。


<11・25>
・ヴァルキリープロファイルの音楽はやはり素晴らしかった。
 ちょっとしたきっかけで、一昔前のRPGの音楽を聴く機会があり、そのときには別のゲームの音楽を聴いたのですが、「やはりRPGの音楽で一番よかったのはヴァルキリープロファイルだったな」と思い出して、急遽ネット上で動画を探して聴いてみました。今でもソフトは持っていてデータは残っているので、サウンドテストで聴こうと思えば聴けるのですが、最近はあまりゲームをやらなくなり、PSもPS2も物置にしまっていて、すぐには聴けなくなっていたのです。

 そして、もう何年ぶりかで聴いてみたところ、今聴いても素晴らしいBGMのオンパレードでした。このゲームの音楽を作曲した桜庭統は、他のゲームでも名曲を多数手がけていますが、その中でもこのヴァルキリープロファイルで見せた仕事ぶりは、他よりも頭ふたつくらい抜きんでていると思います。確か全部で75曲あったと思いますが、そのすべてが本当にいい。

 まず、オープニングからして感動的。ドラクエやFFのオープニング曲が素晴らしいように、名作RPGの多くはオープニングからして印象的ですが、このヴァルキリープロファイルも例外ではありません。さらには、ゲームが本格的に開始されて最初に聴く壮大なフィールドの曲が素晴らしい。ゲーム中に最もよく聴くフィールド曲がいいRPGは名作。さらには、同じく最もよく聴くことになる通常戦闘音楽がまた絶品。戦闘の曲がいいRPGもまた名作。さらには、このいわゆるボス戦の音楽がどれもいい。一番有名なのはメイン中ボス戦の「Confidence in the domination」だと思いますが、それ以外のすべての曲も名曲。しかもやたら数が多い。ボス戦の曲がいいRPGは紛れもなく名作。

 そして、なんといってもダンジョンの音楽がどれも絶品。このゲーム、ひとつひとつのダンジョンのほぼすべてで異なるBGMが用意されているのですが、それが全部いい。ありえないくらいの名曲揃い。個人的には、その中でも水中神殿の曲が一番好きなのですが、ここのゲームのプレイヤーなら、みんな必ずお気に入りの曲をひとつかふたつ必ず持っているはずです。これらのダンジョン曲は、どれもアップテンポで盛り上がるものばかりで、はっきりいってダンジョンの雰囲気に合っているとは思えない場所が多いですが、しかしこのゲームの場合そんなことは気にならないくらいよい。むしろ、「こんな何の変哲もないダンジョンで、こんなすごい曲が流れるとは」と感動すること間違いないです。

 あとは、ゲーム本編が終わった後のエクストラダンジョン「セラフィックゲート」関連の曲。これは元々は制作会社トライエースの前作「スターオーシャン セカンドストーリー」のエキストラダンジョンの曲ですが、このヴァルキリープロファイルでもまったく同じ名曲を聴くことが出来ます。これだけでもこのゲームは買いでしょう。

 このように、素晴らしい曲揃いで、全75曲すべてにおいて、まさに捨て曲絶無の名盤となっています。かつてこのゲームが出た頃がエニックスの全盛期だったと思いますが、今になって音楽の一端を聴くことで、当時を懐かしく思い出してしまいました。今からでも、もう一度PSとソフトを引っ張り出してゲームをやりたくなってしまいました。

 ヴァルキリープロファイル/サントラ厳選 Disk 1
 ヴァルキリープロファイル/サントラ厳選 Disk 2 すべてではないですが一部の名曲を聴くことができます。


<11・21>
・ゲームブックの思い出。
 先日の日曜は、コミティアの途中で文学フリマにも足を延ばしてみたんですが、掘り出し物がいくつかあって思わず衝動買いしてしまいました。その中のひとつに、あの「ゲームブック」を同人で作ったものがありました。スペースでそれを見かけて、思わず手にとってみたのですが、これが昔の80年代のゲームブックを、どこまでも再現してあって本気で感動してしまいました。既刊の「覇者の杖」という本が1000円、新刊の「山男デン」という本がサービス価格の500円で頒布されていたのですが、あまりに感激してもちろん2冊とも買ってしまいました(笑)。

 「ゲームブック」と聞いてみなさんがどんな本を思い浮かべるか分かりませんが、わたしがここで言うゲームブックとは、上記のように80年代に隆盛を極めたゲームブックを指します。このゲームブック、元々はテーブルトークRPGのソロ(1人用)シナリオだったのですが、やがてこれ独自の面白さが認められ、単体のゲームとして出されるようになりました。その端緒となったのが、日本では社会思想社から出た「火吹き山の魔法使い」という作品。原著はイギリスの作品で、スティーブ・ジャクソンイアン・リビングストンという2人のゲームデザイナーの共著となっていました。そしてこれ以後、このふたりの作家を中心に、次々とゲームブックの続巻が出されるようになるのです。その一連のゲームブックシリーズは、「ファイティングファンタジー(FF)」と呼ばれ、その多くが同一の世界観を舞台としていて、その重厚なファンタジー世界が非常に魅力的で、かつゲーム性にも富んだ名作と言える作品が次々と刊行されました。個人的には、シリーズ第5巻の「盗賊都市」、第6巻の「死のワナの地下迷宮」あたりが、今でも最高の傑作だと思っています。

 そして、今回文学フリマで購入した本は、この「ファイティングファンタジー」シリーズあたりのゲームブックを、どこまでも忠実に再現していて、テキストの構成やフォント、ファンタジーな世界観、雰囲気溢れるイラスト、体力点(HP)や戦闘システムなどのゲーム部分、そして本に付属する記録用紙である「冒険記録紙」まで完璧に再現している念の入れようでした。さらには、遊ぶときに必須のサイコロまで購入時に付けてくれて、まさかここまで・・・!と本気で感動。かつてゲームブックにはまりまくっていた自分にとっては、まさに最高の掘り出し物となりました。

 ただ、中身を見てちょっと残念に思ったのが、戦闘などのゲーム部分のシステムが、かなり簡略化されている点。かつては、ゲームブックでのモンスターとの戦闘が好きだった自分としては、ここだけがちょっと物足りなかったです。このことをサークルさんに聞いてみると、初めてゲームブックに触れる初心者にもとっつきやすいように作ったとのことでした。しかし、ゲームブックの戦闘システムは、元々そこまで複雑なものはあまりなかったですし、上記の「ファイティングファンタジー」の戦闘システムも、テーブルトークRPGやコンピュータRPGのそれに比べれば、ずっと簡素で単純なものでした。コンピュータのRPG、例えばドラクエやFFあたりをやった人なら文句なく遊べると思いますし、次回作では是非ともそのあたりも再現してほしいとお願いしておきました(笑)。

 ゲームブック 温故屋


<11・17>
・明日はコミティアです。
 今回はこれといった日記のネタがなくて、しかもネガティブな話題ばかりを考えてしまうので、ここはあえて明日参加予定の創作同人誌即売会・コミティアから、自分がこれはと思うサークルをいくつか紹介することにしました。やはり楽しみなイベントから楽しい話題を提供した方がよっぽどいいですね。

<A12b すこやかペンギン(ふかさくえみ)>
 コミティアでは毎回常連のふかさくえみさんですが、今回はティアズマガジン(カタログ)の葉書アンケートでもトップを獲得していて、もう安定した評価を得ていますね。毎回楽しい少年少女の物語を見せてくれています。商業でも、主に「霜風るみ」の名義で活動していて、特に「ファミ通DS+Wii」の別冊付録「ファミ2コミック」で連載中の「どうぶつの森 とんぼ村だより」が有名ですね。「どうぶつの森」はつい先日3DSソフトで発売されたばかりで盛り上がっているところで、その点でもタイムリーな作家だと思います。

<A16b R-PANDA(うさみみき)>
 こちらは、わたしの知り合いでもあるうさみさんのサークル。こちらもアンケートで上位に入ってきていて、最近ではコンスタントな評価を得ていますね。ポップな絵柄で楽しい話、シリアスな話、ちょっと怖い話、ファンタジーに現代ものと様々な創作を見せてくれています。今回の新刊は、不思議な世界観が魅力の「オトヨコチョウとオンガクヒツジ」の続巻のようで楽しみです。

<す21b chocoR-8(おーみや)>
 こちらは、半年前のコミティアで出た「余命100コマ」で大ブレイクしたおーみやさん。「余命100コマ」は、マンガならではの「コマ割」に着目した意欲作で多方面から注目を集めましたが、普段はなんというかパンツ作家です(笑)。今回の新刊「チラウラ」は、チラシの裏というテーマでマンガとチラシっぽいもので構成されているようです。

<C22b おるれあんず(星屑7号)>
 今回の記事(11月18日付けの記事)でも「回転る賢者のシュライブヴァーレ」を取り上げた星屑7号(七号)さんのサークル。同人では「食人女子高生探偵」のシリーズを精力的に執筆中ですが、今回の新刊はその食人女子高生探偵の外伝「食人(たべ)る賢者のシュライブヴァーレ〜」とのこと。これは今回取り上げたビッグガンガンの連載とコラボ? 楽しみです。

<展29 JH科学(JohnHathaway)>
 コミティア展示スペースの常連・JH科学。ここは毎回のように異色の頒布物を出してくれますが、今回の新刊はオフセットポスターとブルーレイディスクとのこと。しかし、それだけでなく、展示スペースならではの超大型のポスターや変わった展示物を眺めに行くのも大きな楽しみです。

 すこやかペンギン(ふかさくえみ)
 R-PANDA(うさみみき)
 Happa(おーみや)
 おるれあんず(星屑7号)
 JH科学 MOTS.JP(JohnHathway)


<11・14>
・あの「トンネル抜けたら三宅坂」がスペリオールで復活連載開始。
 かつてあのコミックバウンドで連載されていた「トンネル抜けたら三宅坂」(原作・森高夕次、作画・藤代健)が、今になって復活し、小学館のビッグコミックスペリオールで開始されたようです。しかも、今回は作画担当者を月子という方に変えての再連載。これには、あの傑作が今になって復活したのをうれしく思った反面、かつての藤代健作画の「三宅坂」が気に入っていた自分としては、えらく複雑な気分になってしまいました。

 藤代健といえば、なんといってもガンガンの連載「ながされて藍蘭島」で有名ですが、実はその連載が始まる前に、コミックバウンドでこの「トンネル抜けたら三宅坂」という連載を行っていたのです。そもそも、このコミックバウンドという雑誌をどれだけの人が読んでいたのか、そのことがまず疑問なところですが、その雑誌の中でも屈指の面白さを持っていたのです。

 コミックバウンドは、エニックスから出た最初の青年誌ですが、いろいろな点でひどい雑誌でした。とにかく下品で過激な誌面で、それはマンガだけでなく雑誌企画にも及んでいました。おっさんとか実写の人間をそのままカード化したトレーディングカードゲームの企画を大きく展開していたくらいで、それだけでもこの雑誌の異様な方向性が分かるというものです。

 そんな中で、この「三宅坂」は、比較的明るく楽しく読める連載となっていて、これには大いに好感を持てました。内容はエッチ・下ネタ全開で、「常人の10倍の性欲を持つ小学生」の主人公が、バカバカしい騒ぎを繰り広げまくるしょうもないマンガではありましたが(笑)、しかしカラッと笑える明るい作風になっていて、決して悪い印象はありませんでした。原作の森高夕次は、これ以前に「おさなづま」などの作品で既に知られていたようですが、この三宅坂でも十分その実力を発揮していたと思います(最近では、野球マンガ「グラゼニ」の原作者としても有名ですね)。

 そして何より、藤代健のポップでかわいい絵柄が、その作風をより明るく楽しいものにしていました。のちの「藍蘭島」でも見られるかわいいキャラクターはこの時から健在で、コミックバウンドという過激な誌面の中ではとりわけ輝いていました。また、単に絵がかわいいだけでなく、オーバーアクションなギャグ演出もとても楽しく、本当に爆笑できるギャグマンガになっていたと思います。原作と作画がきっちり噛み合った優良連載でした。

 しかし、今回スペリオールで始まった復活連載の作画は、ごく普通の特徴のない青年誌的な絵柄となっていて、演出も地味で面白みのないもので、正直がっかりしてしまいました。はっきりいって、この作画では全然笑えない。かつての連載は、掲載誌のバウンドの早すぎる休刊で、わずか5話で中断してしまったのですが、出来ればやはり藤代健の作画で続きを読みたかったところです。

 森高夕次原作「トンネル抜けたら三宅坂」月子の作画で復活コミックナタリー
 小学館コミック -ビッグスリーネット-[ビッグコミックスペリオール]


<11・11>
・80年代のコロコロコミックについて語ってみる。
 今回の更新記事で、80年代にはコロコロやジャンプにはまったと書きましたが、特にコロコロは毎月欠かさず買うほどはまっていましたので、それについて少し書いてみたいと思います。

 今となっては小学生向けの総合ホビー雑誌となっているコロコロですが、初期の頃は確かに小学生向けではあったものの、今よりもずっとオリジナルのマンガが多く、しかも質の高い面白いマンガが多かったと思います。当時はジャンプに対しても対抗意識を燃やしていたほどで、読者コーナーで「ジャンプよりもコロコロの方が面白い」という熱心な投稿もよく見られました。

 77年の創刊当初は、あの「ドラえもん」を最大の看板としていて、創刊号にはドラえもんが200ページ載るほどでしたが、しかしそれと同時にオリジナルの面白い連載を多数抱えていました。そんな中で、80年代前半の代表的な作品をひとつ挙げるとすれば、何と言っても「ゲームセンターあらし」でしょうか。特に初期のころは、実際のゲームの紹介や攻略法、ゲームセンターの問題点にまで触れるリアルな要素もよく盛り込まれ、当時のゲームセンターの姿をよく捉えた興味深い作品になっていました。わたしが、コロコロを買うきっかけとなった作品で、このマンガを読みたいがためにコロコロを買い始めました。

 少し時代が下って80年代後半になると、この頃からファミコンブームを契機に一気にホビー誌としての側面が強くなり、ホビーを扱うマンガが増えてしまうのですが、しかしその中でも良質のオリジナルマンガが残っていました。とりわけ、「あまいぞ男吾!」「がんばれ!キッカーズ」は、今に語られる名作と言えるでしょう。「男吾」は、少年男吾の活躍を描く痛快少年マンガ、「がんばれ!キッカーズ」は、アニメ化にもなったサッカーマンガです。どちらも、特に「男吾」を名作としていまだに評価している人は多いのではないでしょうか。

 これ以外にも、80年代のコロコロは、本当に面白いマンガが多かった。「魔球」が多数登場する異色の野球マンガ「あばれ隼」、前代未聞の受験バトルマンガ「とどろけ!一番」、ラジコンでのレース対決を描くホビーマンガ「ラジコンボーイ」、痛快釣り対決マンガ「釣りバカ大将」、下ネタ全開の爆笑ギャグマンガ「超人キンタマン」、同じくナンセンスギャグで人気を二分した「ひまで署おまわりくん」、ファミコンブームで登場したファミコンマンガの中で最大の話題作だった「ファミコンロッキー」、この雑誌に載っているとは思えないほどハードボイルドだった刑事もの「ゴリラ」など、今でも覚えているマンガは本当に多い。一時期は毎月心待ちにするほど強くはまっていました。
 それともうひとつ、コロコロといえば「大長編ドラえもん」。毎年3月に封切られる映画の原作マンガが、8月くらいから半年くらいかけて連載されるのですが、これがこの雑誌を読む最大の楽しみのひとつでした。「のび太の恐竜」や「のび太の鉄人兵団」などの名作は、マンガで読む方が味わいがあると思います。

 しかし、先ほども述べたとおり、80年代後半以降、ホビー誌としての様相が次第に強くなり、連載も小学生向けホビーとタイアップしたマンガが多数を占めるようになり、今のようなコロコロとなるにつれて、あまり面白いとは感じなくなってしまいました。ホビーマンガに面白いものが少なかったのが、その最大の理由です。それでも80年代いっぱいは買い続けましたが、90年代になってついにあのガンガンが創刊され、そちらの方に興味が移ってしまい、ついにコロコロを買うのをやめてしまいました。それ以降は一切読んでいません。

 というわけで、わたしにとってのコロコロは80年代がすべてなのですが、実際にあの当時のコロコロは、本気でマンガの面白さを追求していたと思うのです。決して小学生向けの雑誌にとどまらない魅力がありました。今はもう知っている人も少なくなりましたが、これから先も覚えている限り語り継いでいこうと思っています。


<11・7>
・「ドラゴンクエスト エデンの戦士たち」(藤原カムイ)はどうなったのか?
 つい先日、3DSで「ドラゴンクエスト7」のリメイクが発表され、それで一気に話題が盛り上がりました。このゲーム自体にもいろいろと個人的な思い入れがありますが、しかしこのサイトはスクエニのコミックを扱うところ。ここはそのドラクエ7のコミカライズで、かつて少年ガンガンで長期連載されていた「ドラゴンクエスト エデンの戦士たち」を取り上げるべきでしょう。

 このマンガ、ドラクエ7を原作としたコミック化作品として、ガンガンで2001年2月号から始まりました。その直前に、こちらはドラクエ6のコミカライズである「ドラゴンクエスト 幻の大地」(神崎まさおみ)が終了したばかりで、その後を受けて始まったドラクエコミックとしての側面があります。そして、コミカライズ担当に、あの「ロトの紋章」の藤原カムイを再び起用。当時のガンガンは、初期ガンガンのような少年マンガ路線に回帰しようという傾向があり(これがのちにお家騒動へとつながっていく)、藤原カムイの起用もその路線に沿ったものだとも思われました。また、「幻の大地」が思ったほど人気が得られなかったこともあり、かつての大ヒットコミック「ロトの紋章」の人気を再び期待したという側面もあったと思います。

 しかし、実際に始まったコミックは、なんというか、一言で言えば「地味」な展開に終始しました。少年の成長を丹念に描くそのスタイルは、序盤の頃は粗末な武器と防具で泥まみれになって戦うような描写もあり、初期の頃からどんどん成長し強敵と次々と戦う展開だった「ロトの紋章」に比べると、分かりやすい娯楽性で劣ったところはあったと思います。カムイさんの仕事ぶりは実直そのもので、原作のエピソードひとつひとつを丹念に再現する姿勢には大いに感心するところはありました。しかし、その一方で、元々長い原作をじっくりと描いていったため、遅々としてストーリーは進まず、連載数年が経ってもまだ原作の半分も進んでいないという状態で、「本当に終わるのか?」という懸念は常にあったと思います。

 加えて、原作の話を忠実に再現する一方で、カムイさん独自のオリジナル要素、オリジナルのキャラクターやエピソード、とりわけ自身の前作であった「ロトの紋章」から設定を引っ張ってきたと思われる展開も差し挟まれるようになり、こちらは賛否両論でした。これは、一部読者とのあいだで随分と軋轢があったようで、これもいまひとつ連載が奮わない一因であったように思えます。

 結果として、最後までかつての「ロトの紋章」のような大きな人気を得られることはなく、ついには2006年に休載となってしまいます。休載後もしばらくは再開の心積もりはあったようですが、しかし結局実現することはありませんでした。実質的な打ち切りと見てよいでしょう。打ち切り自体は作者の決定だったようですが、しかし原作の発売からはるかに時が過ぎ、いまさら再開してもこれ以上盛り上げることは難しいという雑誌側の思惑もあったと見ています。思ったほど人気も奮わず、積極的に再開したいマンガだとは思わなかったことは確かでしょう。

 先日、「ドラゴンクエストモンスターズ」がリメイク発売された時は、吉崎観音の「ドラゴンクエストモンスターズ+」の新装版が発売され、久々に読み切りがガンガンJOKERで掲載されるという盛り上がりを見せました。しかし、この「ドラゴンクエスト エデンの戦士たち」は、かつての連載が奮わず最終的に休載・打ち切りとなった経緯から、今回の原作リメイクでもそのような展開を期待するのは難しそうです。個人的には、せめて今一度短くていいから新作読み切りだけでも描いてほしいと思うのですが、どうでしょうか。


<11・4>
・【報告】冬コミ当選しました!
 今回は単なる報告ですが・・・、先日冬コミのサークルの当落発表が行われ、申し込んでいたわたしも期待半分、不安半分でおそるおそる当落メールを確認したのですが、無事当選していました! 前回の夏コミで見事に落選したときは相当に落ち込み、今回もまた落ちるのではないかと本気で不安になっていただけに、これには本当に安堵しました。また落選するだろうと本気で思っていただけに。

 今回は、初めて3日目の評論・情報ジャンルで申し込んでみました。今まで参加していたFCガンガンが今回1日目で、仕事との兼ね合いで日程的に参加が厳しいのと、一度は評論で申し込んでみたいと思っていたのがその理由です。FCガンガンでは周囲に知り合いのサークルはほとんどいませんでしたが、評論では知り合いのサークルがいくつも見受けられるので、そちらを訪問するのが今から楽しみです。

 肝心のスペース配置ですが、 3日目東ハ-33b となっているようです。

 新刊は、夏に落選して出せなかった、スクエニ原作のアニメ全作品のレビュー本となります。ただ、全作品とはいえ、執筆したのが春あたりなので、その直前、具体的には咲阿知賀編や男子高校生の日常あたりまでで、残念ながらそれ以後のスクエニアニメの記述は抜けています。このあたりは、ペーパーでも作ってそちらで補完してもいいかなと考えています。もし興味のある方がいたら手にとってくだされば幸いです。

 今回、3日目の参加ということで、自身は東館の配置なのですが、西館の方で本を買う方の最大の目当てである創作(少年)とボーカロイドが配置されているということで、いつもどおり最初のうちは売り子さんに任せて買いに走っていると思いますが(笑)、よろしければ訪ねてきてください。評論スペースには、わたしよりもずっと興味深いサークルは数多くありますし、そちらの方もあちこち巡回すれば楽しいと思いますよ。

 たかひろ的研究館(コミケウェブカタログ)
 たかひろ的研究館(twitcmap)

 ↑今回からコミックマーケット公式で「ウェブカタログ」というサークル情報とマップ配置が見られるオンラインカタログが使えるようになりました。今まではTINAMIのサービスでマップ配置を登録するシステム(twitcmap)がありましたが、こちらは登録しなくても全サークルの配置が分かるということで、非常に便利です。


<10・31>
・ジョジョのアニメが面白すぎた!
 10月上旬頃少し忙しくて、秋の新番組アニメをチェックするのが遅れてしまったのですが、中旬以降ようやく少しずつ見始めました。中でも予想よりもずっと面白かったのが、あの「ジョジョの奇妙な冒険」のテレビアニメです。わたしも、かつて週刊少年ジャンプで連載中だったころ、毎週追いかけてはまっていた読者だったので、今回のアニメは期待半分・不安半分で待っていました。しかし、蓋を開けてみると、これが本当に面白いアニメになっていたようです。まさかここまで原作の持ち味を再現してくるとは・・・と思わず感嘆してしまいました。

 原作の第1部の最初から始まったこのアニメですが、その序盤の名シーンをひとつひとつ実にうまく再現しています。最初からあの有名なセリフたちも次々に登場し、それがアニメでこうしてもう一度楽しめるのは、本当に嬉しいものがありました。「何をするだァー!」「そこに痺れる!あこがれるゥ!」「酒!飲まずにはいられないッ!」「俺は人間をやめるぞジョジョー!」などなど、聞くたびに思わず笑ってしまういかにもジョジョらしい名言のオンパレード。声優陣の熱演、特にディオ役の子安武人さんの声が最高によくて、これがセリフの面白さを高めています。

 アニメを制作しているのは、david productionといって、元ゴンゾのプロデューサーや社長たちが独立して立ち上げた会社のようです。直近の作品としては、あの「妖狐×僕SS」を制作していて、今回の監督もその時と同じ津田尚克のようです。いぬぼくとジョジョでは、同じマンガ原作でもまるで雰囲気の違う作品ですが(笑)、しかしどちらも非常に丁寧に作っていて好感が持てます。このジョジョでも、ひとつひとつの力のこもった作画・演出に、原作への愛・思い入れが感じられるばかりで、それは本編のみならず、オープニングとエンディングにも表われています。このスタイリッシュなOPとEDは、今季のアニメの中でも最も見ごたえがあると思いますね。

 先ほども書いたとおり、わたしは、かつてジョジョはリアルタイムでジャンプの連載を読んでいました。およそ第1部から第3部まではほぼ全部読んでいて、第4部の途中でジャンプから離れてしまったのですが、それまでずっとこのマンガにはずっとはまっていました。特に今アニメで放映している第1部は本当に好きでした。連載をずっと長く最後まで追いかけていたと思い込んでいましたが、しかし今確認してみると、第1部はコミックスで5巻程度の比較的短い話だったようです。雑誌の連載期間で言えば1年に満たない。しかし、雑誌を追いかけていた最中は、あまりの面白さにそんなことはまったく気づきませんでした。それくらい夢中になって読んでいたわけです(あと、あの頃はまだコミックスを買うという習慣もありませんでした)。

 今回のアニメも、ストーリーはかなりのハイペースで進んでいるようで、そんなに長いアニメにはならないようです。とりあえず第1部は1クール以内で終わりだと思いますが、噂によると第2部のアニメ化は決まっていて、評判が良ければ第3部以降のアニメ化の可能性もあるようです。それを目指してこれからも全力で応援していきますよ。

 TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』公式サイト
 JOJO.com(ジョジョ・荒木飛呂彦 公式サイト)


<10・28>
・幸宮チノ先生は何を言っているのか(笑)。
 「つまり浅野りん先生の個人サークル名がチチクリマウンテンであり、中出しお父さんっていうサークル名で個人活動するのが堀口レオ先生ということだそうです。世紀末ですね>RT」
 「おいおい、はるか昔にギャグ王とかいうよいこの漫画雑誌で汚れの無いよいこ漫画描いてた女が中出し中出して 世紀末ですね」

 これは、かつてドラクエ4コマで活躍し、ギャグ王でも「ちぱパニック」というよい子のマンガを連載し、のちに「ドラゴンクエスト天空物語」の連載を何誌にもかけて行ったあの幸宮チノ大先生のTwitterでの書き込みなのですが、なんともカオスとしか言いようがないですね(笑)。
 ここでいう「チチクリ・・・」とか「中出し・・・」というのは、診断メーカーというTwitterでのお遊び診断で出た結果で、本当にそういうサークル名で活動しているとか、決してそんな話ではないのですが、ただ唯一、この書き込みの中で「ギャグ王とかいうよいこの漫画雑誌」という言葉がえらくひっかかりました。

 ギャグ王という雑誌は、創刊当時から他のエニックスの雑誌よりも低年齢向けの読者、それも主に小学生中心だと思われる読者層を想定していました。当時は、少年ガンガンも今よりも低年齢向けに思われていた節がありますが、それよりもずっと低年齢向けの雑誌として創刊され、確かにそういった連載もかなり多く見られました。

 しかし、実際に始まったギャグ王は、シュールすぎる作風で人気を博した4コマ「うめぼしの謎」や、夜麻みゆき三部作のひとつ「幻想大陸」、ハチャメチャなギャグで一世を風靡した「勇者カタストロフ!」、本格的な推理ものとして高年齢の読者にも評価された「少年探偵彼方 僕らの推理ノート」など、高年齢のマニアックな読者に好評だった作品を多数抱える、当初とは異なるニュアンスの雑誌となったのです。はっきり言えば、末期のギャグ王で人気を得た「がんばれスイートシュガーちゃん」のように、明らかに萌え・・・もといオタ・・・に受けるようなマンガが、あっさりと受け入れられるような雑誌になったわけです(笑)。

 しかし、そんな当初とは異なる雑誌となったギャグ王ですが、それでもその誌面はとても充実していて、これはと思う面白いマンガが多数載っていました。そんな雑誌を愛する読者も多く、1994年の創刊から1999年の休刊まで、最後までずっと購読を続けた読者も本当に多かったのです。

 ただ、それでも後半のギャグ王は、本来のコンセプトを取り戻そうとしたのか、強引に低年齢向けの連載を増やし、本当に低年齢向けの雑誌へとシフトしました。しかし、これが大失敗となり、今までの読者の多くが離れ、しかも雑誌が求めた小学生層の読者にもまったく受けず、大不振に陥ってしまいました。そして、これが最大の原因で、最終的に雑誌休刊へとつながってしまいます。もしこの路線変更がなければ、この雑誌はもっとずっと長く続いていたでしょう。このような、強引な雑誌路線の転向で招いた失敗は、のちの「エニックスお家騒動」でも再び見られることになり、今度こそ致命的なものとなるのです。


<10・24>
・星屑七号さんの新刊が3冊同時発売!
 この25日、スクエニではビッグガンガンで連載を続けている星屑七号さんのコミックス新刊が、2冊同時に発売されます。どちらもコミックス1巻で、先日より続けてきた連載の初コミックスが2冊ともついに発売されることになります。また、これに加えて、挿絵と原作を担当しているライトノベルもこの日の発売となっていて、これも加えると3冊の新刊が同時発売されるようです。

 ビッグガンガンでの連載は、「回転(まわ)る賢者のシュライブヴァーレ」。文具に宿る精霊と契約を交わした少女が、敵対する精霊とその契約者たちと戦う、バトルファンタジーと言える作品でしょうか。新連載開始以降、ビッグガンガンでもかなり推されているマンガのようです。そして、これと同時に集英社のスーパーダッシュ&ゴー!で連載されているのが、「1月のプリュヴィオーズ」。こちらは、いじめに遭って不登校となった少女が、『1月のプリュヴィオーズ』と名乗る少女と出会ったことで、石の所有者同士の戦いに巻き込まれるというストーリー。公式サイトの説明文だと、「それぞれの『正義』を胸に、『12の月の石』の所持者たちがぶつかり合う、鮮血のサバイバルバトル」となっていて、こちらも少女同士のバトルがメインとなっているあたり、シュライブヴァーレと共通した作風を感じますね。

 作者の星屑七号さんは、商業デビュー以前から同人で「食人女子高生探偵」というオリジナル創作のシリーズものを出していました。そちらもかなりの力作となっていたので、その時からずっと注目していました。そして期待通り、商業でもまったく変わらない活躍ぶりを見せてくれています。

 彼の作品の特徴は、まず少女たちの戦いを正面から描く力強いストーリー。まっすぐに正しい行動を貫こうとする主人公たちの姿に惹かれます。そして、画面の隅々までよく描き込まれた、見ごたえのある作画。太めの力強い描線もあいまって、画面の密度が濃い印象を受けます。効果線がふんだんに使われたアクションシーンも迫力がありますし、人の目をはっと引き付ける印象的な絵になっていると思います。

 そして、上記の2作品に加えて、挿絵と原作を担当しているライトノベル「3月のジェルミナル」(著者:ついへいじりう 原作・イラスト/星屑七号 )も、やはり同日の25日に発売されます。これは、「1月のプリュヴィオーズ」の前日譚にあたる作品のようです。マンガと合わせてこちらもチェックしたいところです。

 それにしても、新人作家にして一度に3冊の新刊が発売されるとはすごい。興味のある方はどれか1冊でも手に取ってみてくださいませ。

 おるれあんず(星屑七号)
 回転(まわ)る賢者のシュライブヴァーレ月刊ビッグガンガン
 1月のプリュヴィオーズスーパーダッシュ&ゴー!
 3月のジェルミナルスーパーダッシュ文庫


<10・21>
・「魔女の心臓」の出張読み切りがガンガンに掲載。コミックス1巻も22日に発売。
 ガンガンONLINEで先日より好評連載中「魔女の心臓」の外伝読み切りが、今月発売の少年ガンガン11月号に掲載されています。出張読み切りとはいえ、よくあるようなちょっとした短編ではなく、30ページ以上の本格的な一編となっていて、これには大いに好感が持てました。直前のページには作品解説のページも設けられていて、初めて読む人にもわかりやすい配慮がなされています。

 この「魔女の心臓」、心臓を失って生と死の境を生きる存在となり、自らの死を求めて旅を続ける魔女の物語となっています。今では貴重な純ファンタジーで、悲しく切ない設定でありながら、魔女が出会う人々とのエピソードは、暖かみのある話が多くて、心地よい読後感の一作となっています。このガンガンの読み切りも、父と母をなくしてけなげに生きる双子姉妹を魔女が助ける話になっていて、思わずじんときてしまいました。

 さらには、中性的で繊細な絵柄とファンタジーな世界観が、かつてのエニックスのマンガ、特にWINGやGファンタジーに掲載されていたマンガを彷彿とさせるものとなっていて、これにも感激してしまいました。今までもこのようなマンガに触れるたびに、幾度も紹介してきましたが、今回のそれが最も強く感じたかもしれません。まさにエニックス的な、中性的で、ある種少女マンガ的な、純ファンタジー作品。今ではコミティアなど創作の同人で見られるファンタジー作品、その中でも特に良質なものだと思いますし、これがガンガンONLINEで読めることを大変嬉しく感じました。

 作者のmatobaさんの前作「ほしのこ!」も、少女マンガ的な雰囲気の楽しいコメディでしたが、個人的には今回の「魔女の心臓」の方をずっと気に入ってしまいました。これは本当にいい。そして、今月の22日に待望のコミックス1巻が発売されます。めでたく店舗特典も付くようですし、これは久しぶりに複数買いに走るかもしれません(笑)。皆さんも是非チェックしてみてください。ガンガンONLINEでは第一話と 最新話を無料で読むことが出来ます。

 魔女の心臓ガンガンONLINE
 matobaco(matobaさんブログ)
 matoba10/22魔女の心臓@発売 (matoba_biscuit) on Twitter


<10・17>
・ついにヤングガンガンの「FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE」が終了。
 先日発売されたヤングガンガンのNo.20において、ついにあの「FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE」が終了してしまいました。気がつけば2007年から5年にわたる長期連載となっていたこの作品。オムニバス形式で間に休憩を挟みつつも、最後までクオリティを落とすことなく描き切ったことは驚嘆に値します。むしろ、後半になるにつれてどんどん話が面白くなっていき、最後の「羊飼いの帰還」編は、最高に面白い一大長編となっていました。しかし、この話が終わったところでの連載自体の終了が、少し前にすでに作者から告知されていました。これからももっと面白い話を見せてくれると期待していただけに、これは本当に悲しいものがありました。

 このマンガについては、これまでサイトで何度も取り上げてきました。「FRONT MISSION」のタイトルどおり、一応はスクエニのシミュレーションゲーム「フロントミッション」のコミカライズなのですが、実際の内容はオリジナルの戦争ものの要素が強く、むしろ原作者である太田垣康男の卓越したストーリー構成と確固たる思想が、強く感じられる作品でした。戦争の様々な側面を描いた、全部で7つのエピソードのひとつひとつが、珠玉の一編となっていました。最終回では、カメラマン・犬塚の撮影した写真という形で、そのすべてのエピソードの名場面がフラッシュバックされるシーンがあり、映し出される名シーンの数々に思わず感涙してしまいました。

 そして、その犬塚という、重度の戦争マニアで、これまで各編で暗躍してきた不気味な男が、最後の最後で主役に躍り出る展開にもぐっと来るものがありました。「最近、犬塚のような奴が増えた」という公安のセリフが、ネットという道具を得て情報をもてあそぶ国民の姿とオーバーラップして描かれ、なるほどこれは本当によく今の日本の姿を捉えていると思いました。

 最後の最後で、その犬塚の姿が消えると同時に日本で戦争が勃発、「開戦なう」という犬塚のツイート(Twitterの書き込み)で物語は終わります。これもまた、予見される近未来の日本の姿を見ているようで、思わず苦笑いしてしまいました。今の日本なら、すぐ近い未来で本当に戦争が起こってもおかしくない。最後の最後まで、今とこれからの日本社会の縮図を写したかのような、極めてリアルな物語で終わったと思います。コミックス最終10巻は今月30日、他の太田垣作品のコミックス新刊と同時発売となっています。


<10・14>
・山中教授のノーベル賞受賞で「EIGHTH」に注目!
 数日前、山中教授のノーベル賞受賞のニュースで大いに盛り上がりましたが、スクエニでもそれに関していくつか思い当たる作品がありますね。

 真っ先に話題になったのが、「咲-Saki-」のヒロイン・原村和の発言で、「iPS細胞で同性でも子供が出来る」という、コミックス5巻に収録された番外編での言葉です。これをネタにして、一部で大いに盛り上がったようですが(笑)、しかしスクエニのマンガでiPS細胞といえば、それはもうガンガンJOKER連載の河内和泉さんの連載「EIGHTH」以外にはないでしょう。こちらは、キャラクターのちょっとした発言などではなく、遺伝子工学や生命科学がそもそも作品のテーマで、しかも山中教授の研究対象であるiPS細胞やES細胞が中心となって登場する、まさに今回のニュースと完全に重なる作品となっているのです。これほどタイムリーな作品は他にないでしょう。

 肝心のストーリーですが、エイス研究所というバイオ産業大手の研究所に勤めるガード(護衛)の青年・ナオヤが、ローマの研究所に監禁されていたセルシアという少女を救出し、護衛として彼女を守るというもの。セルシアは、「生物の代謝を促進させる(=異常な速さで成長させる)」という特殊な能力を持ち、その能力に目をつけられ、バイオ産業の諸勢力から狙われていたのです。このような能力が現実にあれば、飛躍的な速度で実験を進めることが出来るでしょう。

 このセルシアの能力こそファンタジーですが、しかしそれ以外に作中で見られる遺伝子工学や生命科学の知識は、そのほとんどが事実に基づいていて、決して非現実的な話ではありません。むしろ、学問的に見ても非常に興味深い話となっているのです。河内さんは、かつてガンガンWINGで連載されていた前作「機工魔術士-enchanter-」でも、理系的な知識がふんだんに見られましたが、今回の「EIGHTH」は、より本格的に現実にある研究を扱う話になっていて、しかもその内容は本当に高度なものになっていると思います。

 また、実在の人物が登場するのも面白い。直接的にその姿が登場するわけではないですが、その功績が語られるシーンは何度も見られる。作品では、バチカンの教皇庁も舞台のひとつとなっているのですが、そこで「バチカンに行った先生」というセリフがあって、河内さんによるとその先生とは、他でもない山中教授のことであるようです。まさに今回のニュースと関連が深すぎる作品になっていますね。全体的にシリアスで非常に読み応えのある作品になっていますし、これをいい機会に興味のある方は手にとってみてはどうでしょうか。コミックス最新9巻はもうじき今月の22日発売です。

 河内和泉@エイス9巻10月22日発売予定 (k_izumi99) on Twitter


<10・10>
・オリジナルアニメ「K」の紹介文に注目。
 そろそろ秋の新番組アニメの時期になりまして、今季もライトノベルを中心に原作付きのアニメが多く出てくる中で、数少ないオリジナル作品として「K」というタイトルがあります。特徴的なタイトルなのでちょっと心に留めていたのですが、その後入った情報によれば、これはどうやら7人のライトノベル作家が作品の企画を出し、それが幸運にも通ってアニメをはじめとするメディアミックス作品としてスタートしたようなのです。

 その7人とは、有沢まみず・古橋秀之・あざの耕平・壁井ユカコ・来楽零・鈴木鈴・高橋弥七郎。主に電撃文庫で一昔前に活躍した作家が中心、といったところでしょうか。最近はあまり新刊を出していない作家が多いようで、ここでもう一花咲かせようと考えたのかもしれません。

 肝心の作品の内容ですが、どうも現実とは異なる世界の日本を舞台に、7人の”王”と少年たちが異能者バトルを繰り広げる作品のようで、これだけならさほど珍しい設定では無いようにも思えました。しかし、公式サイトの作品紹介ページに、ちょっと気になる一文があって、それにはちょっと興味を惹かれました。

 「90年代のセカイ系、00年代の日常系に続く新たな『10年代テーマ』が、様々なメディアによって描かれる──。」

 まず、そもそも「90年代のセカイ系、00年代の日常系」という歴史認識がどうなのか、果たして正しいのか。それがまずひっかかりました。90年代と言えば、わたしにとってはエニックスマンガの全盛時代なのですが、当時のガンガン系マンガが、セカイ系なるものを目指していたかというと、そんなことは全然ないわけです。「エヴァ」のような大ヒット作品のみを取り上げてみれば、確かにそれだけはセカイ系と言えるかもしれないけど、逆に言えば、そういう一部の作品のみを取り上げて「当時の時代」の代表として当てはめているだけなのではないか? そんな風に感じてしまいました。

 00年代の日常系に関しても、この時代のスクエニの代表作は、なんといっても「鋼の錬金術師」ですし、そのハガレンが日常系なんてことはまったくないわけです。「まほらば」のように一部の日常系と言えそうなマンガもあるけど、全体を通してみれば、やはり日常系には該当しそうにない作品の方が多い。そして、これはスクエニ以外の出版社のマンガにも、ほとんど同じことが言えるでしょう。日常萌え作品をひとつの柱にしている、芳文社きらら系の作品などは、例外的にこれに該当するかもしれませんが、逆に言えば、ここの「けいおん!」あたりのヒット作のみを取り出して、日常系の時代だと強引に定義している可能性が高いと思いました。

 そんなわけで、このアニメの「90年代のセカイ系、00年代の日常系に続く新たな『10年代テーマ』」という紹介文には、正直かなりの引っかかりを覚えてしまいました。しかし、それでももしこの作品のスタッフが、新たな『10年代テーマ』なるものを本気で描いてくれるなら、それは是非とも見てみたいと思いますね。一見してよくある現代バトルものにも見えますが、これが打ち出すセカイ系とも日常系とも異なる新しい作品性とは、一体なんなのでしょうか?

 「K」オフィシャルサイト
 あざログ(あざの耕平)


<10・7>
・「魔法陣グルグル2」が連載開始!
 先日の木曜日、驚くべきニュースが飛び込んできました。あの「魔法陣グルグル」の続編「魔法陣グルグル2」が、開始されるというのです。これまで連載していたグルグルのスピンオフマンガ「舞勇伝キタキタ」は、10月4日更新分をもって最終回を迎え、そのページの最後で「魔法陣グルグル2」の連載開始が告知されました(同時にスクエニのマガジン・ブック公式サイトでも情報が公開されました)。同じガンガンONLINEでの連載で、11月1日から始まるようです。

 これまでも、初期ガンガンの人気作の続編が、2000年代に入ってたびたび連載されてきました。「ロトの紋章」「ハーメルンのバイオリン弾き」「南国少年パプワくん」と、いずれもかつては絶大な人気を誇った作品の続編です。しかし、この「魔法陣グルグル」の人気は、それ以上のものがあったと思いますし、まさに当時の看板マンガだっただけにその衝撃は大きい。ネット上を見渡しても、その反響は非常に大きなものがありました。

 わたしとしても、この「魔法陣グルグル」の続編は、あまりに意外なものがありました。理由はいくつかありますが、まず何といっても時期があまりにも遅かったこと。今は2012年ですから、かつてのグルグルの終了(2003年)からもう9年、連載開始(1992年)からだともう20年にもなります。さすがに今になって続編は夢にも思いませんでした。
 第二の理由は、作者の衛藤さんが、一時期スクエニから姿を消していたこと。2003年のグルグル終了後、しばらくはお家騒動ののれんわけ先であるマッグガーデンで活動していました。その後、ガンガンに「衛星ウサギテレビ」の連載で復帰し、さらにガンガンONLINEでのグルグルスピンオフ「舞勇伝キタキタ」につながるわけですが、こんな風に一度はお家騒動の影響でスクエニを離れた作家の名作が、こうして今になって続編で復活とは、実に感慨深いものがありますね。

 さらにもうひとつの理由として、前作のグルグル自体が、連載後期にかなり勢いが落ちていたこともあります。初期・中期は絶大な人気を誇ったグルグルですが、ガンガンが月2回刊から月刊に戻った1998年あたりから、掲載ページ数が極端に少なくなってペースが落ち、当時行われた再アニメ化も思ったほどぱっとせず、連載の最後の頃はさほど盛り上がっていなかったと思います。その点で、連載の最後まで盛り上がった「ロトの紋章」や「ハーメルンのバイオリン弾き」に比べれば、続編が作られる可能性は低いのではないかと思っていました。しかし、スピンオフである「キタキタ」の連載が始まった時点で、もう続編への見通しはあったのかもしれません。

 その「キタキタ」がかつてに近い安定した面白さを維持していたところを見ても、今回の続編が大きく外れることはなさそうです。しかし、連載初期の頃のような爆発的な面白さが再び見られるかというと、それは難しいかなとも感じています。そのあたりでちょっと複雑な気分でもあるのですが、しかしそれでもあのグルグルがもう一度読めるのはうれしい。11月の連載開始を楽しみに待ちたいと思っています。

 ニケとククリの冒険再び!「魔法陣グルグル2」の連載が決定コミックナタリー
 舞勇伝キタキタガンガンONLINE


<10・3>
・ヤングガンガンのお笑い作品2本。
 最近、ヤングガンガンでお笑いをテーマにした新連載が続けて2本始まり、もしかして編集部はお笑いのマンガに力を入れ始めたのかな?という気がします。どちらも中々興味深い内容になっていて、個人的にはかなり期待しています。

 先に始まったのが「キッド・アイ・ラック!」という連載で、作画をあの長田悠幸が担当。かつてガンガンで「RUN day BURST」という、カーレースをテーマにした少年マンガを連載していました。しかし、あまり人気は出なかったようで、最後にはガンガンONLINEへと移籍となってそこで終了しています。彼のマンガは、一昔前の熱血少年マンガを彷彿とさせるところがあり、そのあたりで今の読者の好みには合わなかったのかなと思えるのですが、しかしその中身は骨太で本当に読ませるストーリーとなっていました。今回の「キッド・アイ・ラック!」も、不良風だが熱血で人のいい少年が、幼馴染の少女を助けるためにお笑いの道に真剣に取り組んでいくという、やはりこの作者らしい少年マンガになっていて好感が持てました。

 作中で扱うお笑いに「大喜利」を採用したのも、目の付け所がよいと思います。何らかのお題に対して即興でギャグを考えて人を笑わせるという、シンプルにして今では誰もが楽しんでいるお笑いの道を、どんどん追求していってほしい。作中で見られるネタもかなり考えられているようで、なるほどこのお題にこういうネタで返すかと感心することもしばしば。これは原作担当の町田一八の力もあるのではないかと思っています。

 もうひとつ、遅れて始まったのが、「少女芸人ごるもあ」という作品。こちらは、異様なノリの同人作品で知られていた青稀シンさんの商業誌初連載。同人誌で見せた作風そのままに、こちらはシュールな雰囲気のギャグマンガになっています。売れない少女芸人トリオのおかしな日常をシュールに描く作風で、お笑いそのものよりお笑い芸人の姿を描くマンガとなっていますが、これはこれで面白いものがあると思います。

 このところ、なんらかのお笑いをテーマにした先行作品として、「べしゃりぐらし」や「じょしらく」といった作品がかなりの人気を集めているようですし、スクエニのヤングガンガンも、このジャンルに本格的に力を入れ始めたのかもしれません。スクエニからもここからヒット作品が出ることを期待したいですね。


<9・30>
・マンガサロンという試みはどうか。
 先日、知人とTwitterでちょっとした会話となり、「漫画空間」のようなものが出来ないかどうかという話になりました。話していて、これは、わたしが昔から考えていた「マンガサロン」に近いものがあるなと思いました。

 これは、マンガを読みながらのんびり会話や軽食を楽しめるといった空間で、いわゆる「マンガ喫茶」とは大きく異なるものです。今のマンガ喫茶は、確かに軽食やインターネットなどのサービスも楽しめますし、ネットカフェにも近いものがあると思いますが、「マンガサロン」とは、そういった場所ではなく、もっとゆったりと長時間の間、広めの空間(部屋)で気の合う仲間や友人と楽しめるところを想定しています。

 この場合、そこに置いてあるマンガだけでなく、家からマンガを持ち寄ってもよく、気の合ったマンガ好きの人とゆっくりとマンガ談義を楽しめるような空間にしたい。あるいはマンガの読み手だけでなく、「描き手」の側の人も、そこに来てマンガや絵を描く作業が出来る空間というのも面白いと考えています。今は、マンガをPCで描く人も多いと思いますし、マンガを描くためのPCを常時配置していても面白いかと思います。とにかく、マンガを愛する読み手も描き手も、その双方が集ってさまざまなアプローチでマンガを楽しめる場所。そういったところがあれば本当に最高です。

 すでに存在するものとしては、同人イベントのあとに開かれる「読書会」に少し近いものがあるかもしれません。イベントで出展された同人誌を持ち寄って、参加者が自分の気に入った本を自由に読むことが出来る。そこで参加者同士で話が盛り上がることもあるでしょう。マンガサロンは、そうした場所を恒常的に設ければ面白いのではないか、という試みに他なりません。

 具体的な形としては、マンガ喫茶のようにある程度の蔵書は揃えてもいいですが、それ以上に、まず快適にくつろげる広めの部屋を用意して、そこでのんびりとマンガを読める空間を作ることが第一の目的です。さらには、コーヒーやお茶・軽食などもゆったりと楽しめるのも重要。インターネットや作画作業が出来るPCを用意して、いつでも使えるようにするのもいいですね。サービス自体はマンガ喫茶・ネットカフェと変わらないように見えるかもしれませんが、「長時間多くの仲間とのんびりくつろげる広い空間を作る」という点で一線を画すものにしたい。

 長時間の利用を想定するということで、半日、あるいは一日の長さで利用料金(数千円)を設定します。もし、本当にそうした場所が出来て、数千円の利用料で一日楽しめるとなれば、是非とも行きたいですね。友人同士で一部屋借り切って楽しめるようにするのもいい。どこか東京で人が集まる場所なら、十分に出来そうな試みだと思います。


<9・26>
・ビッグガンガンからは「よいこの君主論」に注目。
 先日は22日発売のガンガンコミックスから、期待の新刊を2冊ほど紹介しましたが、今回は25日発売のビッグガンガンコミックスから、個人的に期待している作品を紹介したいと思います。

 それは、「よいこの君主論」(原作・架神恭介+辰巳一世、作画・ミサオ )です。原作はちくま文庫から出ている児童小説で、小学校のクラスの覇権争いを通じて、あのマキャヴェリの「君主論」を子供向けに分かりやすく解説するという、意欲的な小説になっているようです。

 基本は小学生のクラスなので、みんな小学生らしい遊びや勉強に日々勤しんでいるのですが、そんな中に「クラスで覇権を握る」という目標に向けて、野望に燃える一部の子供たちがいて、自分の勢力にクラスメイトたちを言葉巧みに引き込んだり、あるいはライバルを直接対決で打ちのめしたり、そういった権謀術数の限りを尽くす姿がとても面白い。基本は小学生のやることなので、あまりに血なまぐさい暗殺やスキャンダルのよう展開はなく、あくまで遊びや喧嘩での対決なので、そのあたりで気軽に笑って楽しめるいい作品になっていると思います。

 そして、連載で毎回本編の後に追加される、原典の「君主論」に照らし合わせて本編の駆け引きを解説するコーナーがさらに面白い。「文化のまったく異なる地を征服した後は、君主自らがそこに移住して支配するとよい」とか「君主には『良い極悪非道』と『悪い極悪非道』がある」とか、へえそんなことをマキャヴェリが言っているのかと、原典を読んでいない者としては本当に勉強になります。ある意味こちらのコーナーの方が本編よりも面白いくらいです(笑)。

 原作の児童小説の方も面白いらしいですし、さらには原典の「君主論」はいわずと知れた名著中の名著。このマンガに興味を持てたら、それをいい機会に原作や原典の方にも手を出してみるのもどうでしょうか。

 「よいこの君主論」公式サイト
 君主論 - Wikipedia


<9・23>
・ガンガンの2大新連載4コマ「恋するみちるお嬢様」「ピース*2」のコミックス1巻が同時発売。
 最近始まったガンガンの2つの4コママンガ「恋するみちるお嬢様」(若林稔弥)と「ピース*2」(鳴海けい)、このふたつの作品のコミックス1巻が、この22日に同時に発売されました。一部の書店ではコラボフェアも行われているようで、かつガンガンONLINEでも特設ページが開設されているなど、スクエニもかなり力を入れているようです。わたしも、このふたつのマンガは、どちらもとても面白い、ガンガンの4コマの期待作だと思います。

 まず、「ピース*2」。これは、女子高生なのに官能小説家でエロ大好きな間宮さんと、彼女に翻弄される男子生徒の瀬川くんの掛け合いを描く、とても楽しいギャグコメディになっています。ふたりを取り巻くキャラクターたちも、間宮さんに負けず劣らずの変態だったり、一癖もふた癖もある個性派揃い。とにかく笑える4コママンガの良作となっています。

 そして、「恋するみちるお嬢様」。こちらは、クールでドSな家庭教師・榊と、彼に恋したみちるお嬢様の楽しい掛け合いを描いたラブコメディ。榊のみちるを見透かして小バカにしたような言動と、それにいちいち反応して怒るみちるお嬢様のツッコミがとても面白い。こちらもすごく笑えて楽しい4コママンガで、ガンガンで連載が始まって以来毎月楽しみに読んでいました。

 また、この「恋するみちるお嬢様」の作者の若林さんは、かつて芳文社で創刊されて話題となった「コミックギア」の連載作家のひとりでしたが、わずか2号で休刊してしまい、そこでの連載も立ち消えとなってしまいました。しかし、その後粘り強く活動を続けておられたようで、晴れてガンガンで連載を獲得し、こうしてついにコミックスの発売にまで漕ぎ着けたのは、かつてを知るわたしとしても、ひどく感慨深いものがありました。今回の連載は本当に良作になっていると思いますし、興味のある方は、「ピース*2」と一緒に是非とも手に取ってみてください。

 「ピース*2」&「恋するみちるお嬢様」1巻発売記念フェアガンガンONLINE
 少年ガンガンの新作4コマ2作が同時発売でコラボフェアコミックナタリー


<9・19>
・真西まりさんの商業誌初単行本がついに発売!
 先月末、真西まりさんが、REXで連載していたコミックスの1巻が発売されました。以前、まだ商業で活躍する以前から知っていて、長い間商業誌でデビューしてくれないかなと思っていただけに、ついにここまで到達して喜びもひとしおです。

 コミックスのタイトルは、「僕が女装して弾いてみたらバレそうな件」という、いかにもあれなタイトルなのですが(笑)、これは元々一迅社の「女装少年アンソロジー」に読み切りとして収録されていた作品を、REXで連載化したという経緯があります。女装少年+軽音楽というなんとも流行りの組み合わせだと思いますが、しかしこれはかなり面白いマンガだと思います。ネットアイドルとして人気だった美少女が実は女装少年で、同じクラスの女の子に女装がバレそうになりつつも、リアルでも音楽活動を始めていくというストーリーなのですが、今までネット中心に女装していた少年が、リアルでの女装にも目覚めていくという展開が、女装少年ものとして面白く、かつ真西先生の絵もとてもいい感じに可愛いのもおすすめのポイントです。

 ところで、このコミックスの帯に、あの「ゆるゆり」のなもり先生のコメントが付いているのですが、これには昔からのつながりがあります。もうはるか昔の話になりますが、元々、真西先生もなもり先生も、かつてネットにあったお絵描き掲示板の常連だったのです。それは、まだお家騒動が始まる前のエニックスで活躍し、のちにマッグガーデンに移った藤野もやむさんのファンが集まるお絵描き掲示板で、「ゆめのかけはし」という名前でした。「まいんどりーむ」や「ナイトメア・チルドレン」が人気だったころが最盛期で、多くのファンが集まっていました。

 その掲示板の常連の中で、のちに商業誌で最も成功したのがなもりさんで、「ゆるゆり」の1巻のある店舗(メロンブックス)の特典小冊子では、そこの掲示板の常連でなもりさんと親しかった方たちが、アンソロジーを寄稿しています。他にも多くの方が、今でも同人で活動を続けておられるようです。そんな常連の中で、もうひとり、この真西さんが商業誌で連載を始め、こうしてついにコミックスまで出したのは、本当に感慨深いですね。かつて掲示板が最盛期だった頃より、かれこれ10年以上経っているはずです。かつてのエニックスファンサイト出身の作家さんということで、これからもずっと応援していきたいですね。


<9・2>
・佳月玲茅さんがビッグガンガンで久々の新連載。
 ちょっと前まで、ガンガンパワードやONLINEで連載していた佳月玲茅(かづきれち)さんが、久々に新連載を始めるようです。今回の連載先はビッグガンガン。もう長らく姿を見ないままで、このままいなくなってしまうのかなと思っていた矢先の復帰だけに、喜びもひとしおでした。

 最初に佳月さんのマンガを読んだのは、当時まだ紙媒体の雑誌として出ていたフレッシュガンガンの読み切り「ドクサイ某国プリンセス!」でした。日本のとある島の支配者となった某国の王女の奮闘ぶりを描く物語で、かわいらしい絵柄としっかりと考えさせるストーリーが両立した印象的な作品でした。そのフレッシュガンガンの新人読み切りの中でも、最も気にいったくらいで、これは期待の新人だと思っていました。

 しかし、その後の佳月さんは、しばらくは当時スクエニが出していた「萌えアンソロジー」での読み切りの仕事が続き、その後ようやく獲得した連載は、ゲーム「キミキス」のコミカライズ「キミキス 〜after days〜」。さらには、これもゲームの一編のコミック化である「ひぐらしのなく頃に 昼壊し編」でした。どちらも作者の丁寧な仕事ぶりが感じられる力作だったと 思うのですが、しかしどちらもコミックス1巻程度の短期連載で終わり、そしてわたしが待ち望んでいたオリジナルの連載は、ついに最後まで出ることなく、そのまま掲載は途絶えてしまいました。最初に読んだ「ドクサイ某国プリンセス!」の好印象が残っていただけに、出来ればこの作品の連載を読みたかったくらいでしたが、残念ながらそれが適うことはありませんでした。

 結果として、佳月さんの最後の作品となった「ひぐらしのなく頃に 昼壊し編」の掲載が終了したのが2009年9月。ほどなくしてコミックスが出たのを最後に、完全に作者のスクエニでの活動は途絶える形となりました。あれからほぼ3年近い月日が経って、まさかここで復活することになろうとは、夢にも思いませんでした。

 そんな久しぶりとなった今回の連載ですが、小学館のガガガ文庫の人気ライトノベル「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」(原作・渡 航、イラスト・ぽんかん)のコミカライズであるようです。残念ながら今回もオリジナルではなく、ライトノベルのコミカライズという形のようですが、それでもやはり復帰はうれしい。原作のライトノベルも、ぽんかんさんのイラストも気に入って注目していた作品のひとつだったので、その点でもうれしい。来月のビッグガンガンが待ち遠しいですね。

 れち (r_kaduki) on Twitter


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