<日記>
過去の日記(2012年9月〜12月)
未来の日記(2013年5月〜8月)


<4・28>
・「のうりん」のアニメ化は本当にうれしい。
 先日、ヤングガンガンでもコミカライズが連載されている「のうりん」のアニメ化が決まったようです。ヤングガンガンでも、柱に「次号重大発表」の文字が躍っていたので、これはアニメ化かと思っていたら次号でやはりアニメ化の告知が。応援していた連載だけに喜びもひとしおでした。

 原作は、GA文庫のライトノベルで、作者は白鳥士郎さん。タイトルどおり、農業高校を舞台にして農業をテーマにした作品となっています。同じく農業高校が舞台の作品としては、あの荒川弘さんの週刊少年サンデーの連載「銀の匙」があり、こちらの方も先日アニメ化決定が告知されました。今のところ、こちらの方が知名度は高いと思いますが、しかし農業を真剣に取り上げる姿勢では、この「のうりん」も負けてはいないと思います。

 主人公の男の子が通う農業高校に、どういう理由か彼が大ファンのアイドルの女の子がやってきて、主人公の仲間たちと共にいろいろな騒動起こしつつ、次第に打ち解け、かつ農業の経験も次第に身に着けていくという、そんな作品になっています。コミック版では、最初のうちは女の子のお色気シーンがいろいろと目立ち(これは今でも変わらないですが)、そういう萌えマンガなのかとまで思っていましたが(笑)、しかし決してそれだけの作品ではありませんでした。

 そんな娯楽要素も適所で交えつつ、しかし主人公たちの農業に対する取り組みを、ずっと本格的に描く作品でもあったのです。田植えのやり方を懇切丁寧に扱ったり、畜産の日々の仕事の大変さを描いたり、毎回よく描けていることに気づきました。特に、農業にとって天敵である害獣に対する対処を扱った回では、ああこんな事情もあるのかと感心することしきりでした。原作者の農業に対する真摯な思いを感じられる作品で、さらにはそれを丁寧にコミカライズしていると思います(コミックの作画担当は、かつて週刊少年マガジンで「だぶるじぇい」の作画も担当した亜桜まるさん)。

 わたしは、こうしたライトノベルやマンガは、決して何か社会的なテーマや哲学的なテーマが必要だとは思っていません。むしろ、純粋に娯楽に徹するだけで十分だと思っています。しかし、この「のうりん」のように、エンターテインメント要素をしっかりと満たして読者を楽しませつつ、その上で自然な形でこうしたテーマを取り入れるのなら、それはむしろ大歓迎です。こうした作品が、アニメ化でより大勢の人の目に触れるのは大変うれしい。こちらもそういった点がよく描けている「銀の匙」ともども、アニメ放映がとても楽しみです。


<4・24>
・「キャタピラー」の作画担当・匣咲いすかさんが急逝。
 先日、ヤングガンガンの連載「キャタピラー」で作画を担当しておられた匣咲(はこさき)いすかさんが亡くなられたというニュースを聞いて、心の底から驚いてしまいました。まさか・・・。先日発売されたヤングガンガンにも「キャタピラー」は普通に載っていて、休載とか減ページとかそんな兆候はまったくありませんでした。これは本当にショックとしか言いようがありません。

 「キャタピラー」は、こちらはガンガンJOKERで連載されている「アラクニド」のスピンオフ作品で、どちらも「蟲(虫)」の能力を駆使したファイターたちが死闘を繰り広げるバトルマンガとなっています。虫マンガといえば、あの「テラフォーマーズ」が今大人気ですが、こちらの作品も負けてはいません。個性的な虫の能力を持つファイターたちの迫力満載の過激バトルと、そして要所で織り込まれる虫の薀蓄(笑)が最高に面白いマンガだったのです。

 特に、この「キャタピラー」は、タイトルどおり「芋蟲(芋虫)」の能力を持つ女性が主人公で、彼女の泥臭いとも言えるストロングスタイルのバトルがとても気に入っていました。最近では、本編である「アラクニド」にもこの芋蟲の姐さんが登場し、両作品の絡みでも盛り上がっていたところだったのです。さらには、虫がモチーフであるにもかかわらず、美少女萌え要素があるところが、またこのシリーズの特徴的なところで、この「キャタピラー」では、主人公の相棒となる「華蟷螂」がいわゆる男の娘で、そのかわいい容姿で男というギャップがやたら面白かった。とにかくいろいろと楽しめるマンガだったのです。

 匣咲いすかさんの作画も確かなクオリティがあり、本編の作画を担当しているいふじシンセンさんと甲乙つけ難いものがあったと思います。コンスタントに毎号きっちり仕上げてきますし、これなら万事心配ないと思っていたのですが・・・まさかこんなことになるとは。ニュース記事によると、まだ27歳と若かったようで、今でも信じられません。現段階では「キャタピラー」の連載は中止となるようで、これは本当に残念でならない。次号5月2日発売のヤングガンガン10号には、「キャタピラー」原作者の村田真哉によるコメントが掲載される予定とのことで、ひとまずこれを待ちたいと思います。

 ヤンガン連載「キャタピラー」匣咲いすかが急逝、27歳コミックナタリー


<4・21>
・今一度「天正やおよろず」を語ってみる。
 前回の日記でも名前を挙げた「天正やおよろず」(稀捺かのと)。かつてWINGで連載していたころは、雑誌の中でも一番好きなマンガとして熱心に追いかけていました。しかし、WINGが休刊して久しい今となっては、思い出すこともほとんどなくなり、ほぼ完全に忘れ去っていました。しかし、前回の日記を契機に、久々にかつての熱を思い出してしまったので、何年ぶりかでこのマンガを語ってみようと思います。

 この「天正やおよろず」、あの「エニックスお家騒動」の直後に始まった連載で、騒動で急遽連載が決まったようなところがありました。他にもいくつもそういう連載はありましたが、その中でも最も初期に始まった連載となります。そして、これが非常な人気を得て、2000年代前半のWINGにおいては、あの「まほらば」と「dear」に並ぶ人気連載となりました。ほんの1回だけ、この3作品のコミックスの初回限定版でフィギュアが付いたことがあり、当時の盛り上がりを思い出します(このマンガのコミックスでこのような限定版が発売されたのは、後にも先にもこの時だけでした)。

 このマンガ、タイトルどおり日本の天正時代を舞台にしていて、主人公のライルはイエスズ会の修道士、ヒロインの薙刃・迅伐・鎮紅の3人は神社(?)の巫女で、実はかなりシリアスな過去のエピソードを抱えていたりするのですが、初期の話はそのような暗い展開はまったくなく、のんびりした日常の楽しい日々を描く、日常系コメディとなっていました。そして、そのゆるさが半端なかった! この当時、「まほらば」や「dear」もこのような雰囲気を強く持っていて、こうしたWINGの作品を称して「ゆる萌え」と読んだ読者がいたのですが、そのゆる萌えマンガの中でも、この天正のゆるさはトップレベル。「まほらば」や「dear」すらも上回る、超ゆるく癒される作品になっていたと思います。

 また、特に初期のころはかのとさんの絵柄がとてもかわいらしく、それに伴ってキャラクターもみなかわいかったのも、ゆるい雰囲気をさらに増していました。最終的にはメインキャラクターが8人の大所帯になるのですが、その中でもマリエッタという少女にやたら萌えました(笑)。あれは素晴らしい萌えキャラだったと思います。

 ただ、連載中盤からシリアスな話が加わり、さらにかのとさんの絵も少し大人びたものとなって、初期の頃に比べるとちょっとだけ好みから外れてしまったのですが、それでも最後まで楽しんで読んでいました。それゆえに、これが終わってしまったのはえらく悲しかった。2回ほどドラマCDが出ましたが、それ以上の展開はなし。その後のかのとさんは、「まじぴこる」という新連載を始めますが、いまいち奮わなかったのか短期の連載で終了。やはり、この「天正やおよろず」がベストでしたね。最近はかのとさんの消息が聞こえなくなって心配ですが、今でもこのマンガで復活してほしいですよ・・・。


<4・17>
・スクエニで兄弟姉妹と言えば・・・。
 少し前に、週刊少年マガジンで恵広史さんの新連載がスタートし、既に同誌で連載しているヒロユキさんと合わせて、姉と弟が同じ雑誌で同時掲載というニュースがありました。そのニュースによると、「兄弟姉妹が同じ雑誌で同時連載というのは極めて異例」らしく、へえそんなに珍しいことなのかとちょっと驚いてしまいました。

 確かに、大手週刊誌では、このように兄弟姉妹が同時に連載というケースは、非常にまれなケースのようです。逆に、夫婦で同時掲載は珍しくないらしく、このあたりちょっと面白いと感じてしまいました。この場合、先に雑誌で知り合って夫婦になる、というケースが多いようで、順序としては逆になるようで、なるほどそれで多いのかと感心。逆に、兄弟や姉妹だと、同時期に連載候補が上がったとしても、一人が先に連載していると、「今は兄が連載しているからもうひとりは見合わせよう」ということになるのかもしれません。

 ところで、スクエニでも、こんな風に兄弟姉妹の関係にある作家が、幾人か思い当たります。まず、割と有名(?)なのが、かつて休刊したガンガンWINにおいて、「ひぐらしのなく頃に 綿流し編(目明し編)」を連載していた方條ゆとりさんと「おとして↓アプリガール」を連載していた望月菓子さんが、姉妹だというケースがあります。これは、雑誌上で姉妹だと公開された珍しいケース。ガンガンWINGの休刊以降、方條さんはガンガンONLINEで1本連載を持ったことがありますが、その後はふたりとも音沙汰なし。どうも最近は他社での活動が多いようで、しかも最近はそれも途絶えがちであるようです。特に、方條さんは、かつてひぐらしのコミカライズで存分な実力を発揮しただけあって、まだまだスクエニで次回作があってもいいと思うのですが、どうでしょうか。このまま消えてしまうには惜しい作家です。

 それともうひとつ、同じくそのガンガンWINGで「天正やおよろず」を連載していた稀捺かのとさんと、同時期にこちらは少年ガンガンで「スターオーシャン ブルースフィア」のコミカライズを連載していた水城葵(米山シヲ)さんが、実の姉妹であるというのも知られています。こちらは、水城さんが現在ガンガンで新作を連載中なのに対して、かのとさんはWINGが刊行中は新作の連載や読み切りを何度か掲載したものの、休刊以来次回作がありません。「天正やおよろず」は、WINGでも1、2を争うほど気に入っていただけに、あれから活動が途絶えてしまったのは非常に寂しい。もし適うなら今からでもやおよろずを復活させてほしいですよ・・・。

 次号マガジンから恵広史・ヒロユキ姉弟の同時連載が実現コミックナタリー


<4・14>
・あの「妖狐×僕SS」のアニメ特別編が放映!
 少し前の話になってしまいますが、少し前に大好評を博した「妖狐×僕SS」アニメの特別編(DVD最終7巻に収録されているテレビ未放映13話)が、4月4日から10日にかけて放映されました。もうしばらくアニメに動きはないと思っていただけに、これは本当にうれしいものがありました。

 これが、原作者書き下ろしのストーリーで、DVD未購入・未視聴だったのでさらに楽しみにして見てみると、本当によく出来たショートコメディ3本立てになっていて、どれも笑わせてもらいました。原作の連載でもたまにあるショート読み切りのような感じでしょうか。しかも、原作でもこれまで見られなかったシーンがいくつも出てきて、その点でも興味深く見てしまいました。御狐神くんが変化して子供や女性になった姿、小太郎の妹の花、このあたりで特に驚き。これが、原作者公認の話だったわけで、とことん満足してみてしまいました。

 かつて、「妖狐×僕SS」のアニメが放映されたのは、かれこれ1年以上前の2012年1月〜3月。このアニメが非常にいい出来で、元から高かった原作の人気が爆発。このアニメを期にコミックスも累計300万部を超える大ヒットになりました。男性女性問わず受け入れられる作風は、アニメになっても健在で、特に女性の熱心な視聴者を多く見かけたような気がします。アニメの作画、ストーリーの構成などもハイレベルで、特に、原作序盤の見せ場とも言える凛々蝶と御狐神の邂逅を描いた11話は、御狐神のモノローグのみで構成された、とことん深く心理を見せるものとなっていて、ひどく感動して何度も見てしまいました。

 と、このようにアニメの非常に出来がよかったので、放映後に2期の希望も相次いだのですが、しばらくの間その動きはなく、しかもアニメのスタッフがあの「ジョジョの奇妙な冒険」のアニメ制作を始めたこともあって、こちらは当分ないのかと残念に思っていました。しかし、この時期に特別編の放映とは、ジョジョのアニメも好評のうちに終了し、そろそろこちらの方にも動きが出てきたとのかと期待してしまいます。出来れば、これが2期への布石であってほしいと思っています。

TVアニメ「妖狐×僕SS」(いぬぼくシークレットサービス)公式サイト


<4・10>
・ミリオンアーサーがついに1周年。
 先日4月9日をもって、スクエニの「拡散性ミリオンアーサー」がついに一周年を迎えたようです。思えば初日から初めてついに一年間毎日プレイしてしまいました。ここまで継続したゲームは、もしかすると初めてかもしれません。

 最初は、確かTwitterで赤りんごさんがカードイラストを書いたと告知されて、それでゲームの存在を知って、興味を持って始めた記憶があります。今でも彼の描いたカードはお気に入りで、1年経った今でも使っているくらいです(特に「特異型卑弥呼」と「竹姫」は秀逸だと思う)。  今ではコミックになったり他の作品とコラボしたりと展開が続いていますが、ゲームとしては初期の頃が最も面白かったと思います。鎌池さんの書いたストーリー・設定がとてもしっかりとしていて、それを追いかけるのが本当に楽しかった。ヒャダインさんの音楽もよくて、そして前述の赤りんごさんを初めとする豪華イラストレーターによるカードは、本当に見るのが楽しかった。豪華スタッフの力がうまく働いていたと思います。

 ゲームとしても非常に面白く、カードのコストを考えて運用するところに、思った以上に高い戦略性があったと思います。ただ強いレアリティの高いカードだけでなく、コストパフォーマンスの高い中堅どころのカードにも使い勝手があった。そういったカードの中で、特にイラストが気に入ったカードを好んで使っていました。

 その後、ストーリーの更新は途絶え、あとはレベルアップとカード集めというやりこみ要素だけになってしまいましたが、それでもまだ楽しくてずっと続けていました。特に、今年1月下旬に開催されたイベントがとても盛り上がって、赤りんごさんの竹姫(→)を求めてやりまくりました。この時までは本当に楽しかった。

 しかし、その後あの騎士団なるシステムが導入されて、これがまったくつまらなくて、一気にテンションダウン。今はなんとか惰性に近い形で続けている状態です。そんな状態なので、正直素直に1周年を祝えないのがつらい。

 今後の希望ですが、まずこの騎士団というシステムは完全になくして、今までどおりのシステムに戻してほしいところです。それだけでも十分面白い。また、今はちょうどストーリーの新章が公開されたようですが、今後もコンスタントにストーリーを追加して、初期の頃のようなストーリーを追う楽しみを復活させてほしい。あと、スクエニ雑誌でギャグ系のコミカライズもいくつか連載されていますが、出来ればシリアスなストーリーの本格的な連載を望みたいです。これだけの力の入ったストーリーがあるのに、コミカライズをギャグだけで終わらせるのはほんともったいないです。


<4・7>
・黒執事実写映画の新情報でさらに話題騒然。
 今回の話題はやはりこれでしょう。以前にも取り上げた「黒執事」の実写映画化で、その時も「水嶋ヒロがセバスチャン役で主演」「舞台は現代にアレンジ」「シエルは出てこないかもしれない」という情報を巡って、原作ファンを中心に大いに戸惑いの声が聞かれました。そして、今回の情報でも、また総じて否定的な反響が巻き起こってしまったようです。

 まず、黒執事の主人役に、あの剛力彩芽を起用。「幻蜂汐璃」という男装の麗人という設定で、やはりシエルは登場しないことが明らかになりました。舞台は近未来の2020年で、東洋と西洋の両方の雰囲気が感じられるアジアの都市のようで、やはり原作の19世紀イギリスとはまったく違う。剛力彩芽が演じる主人は、一応は原作のファントムハイヴ家の末裔という設定ではあるようですが、しかしここまで大きく基本設定が異なると、原作の「黒執事」とは、もはやまったく異なる作品になったと思っても仕方のないところでしょう。ネットでは、原作ファンの不満・不安の声がさらに渦巻いているようですが、これにはわたしも同意せざるを得ません。

 こういった実写での映画化、あるいはテレビドラマ化では、おそらくは一般に幅広く受けることを想定した作り方が、特に強く推奨されるのではないかと思います。原作の、多くの人にとってあまり親しみのない19世紀イギリスよりも、現代や近未来の比較的日本に近いとっつきやすい舞台を設定し、かつ水嶋ヒロや剛力彩芽のような、話題の取れる俳優を起用して、幅広く一般層の視聴者に注目を集める。その結果として、原作とは大きくかけ離れた設定になることも珍しくありません。これは、広く視聴率を稼げるメジャー志向を常に取らざるを得ない、実写テレビや映画の大きな欠点だと思います。

 今、原作の「黒執事」は、ハリー・ポッターよろしく全寮制の学校を舞台に、そこでクリケットの対決で盛り上がっているエピソードが進行中です。いかにもイギリスらしい設定の、このマンガらしいエピソードだと言えるでしょう。これと実写映画との情報とのギャップには、やはり大いに落胆してしまいますね。

 実写版『黒執事』に剛力彩芽が男装の麗人役で出演、執事役・水嶋ヒロの主人を演じる


<4・3>
・最高に楽しかった因幡アニメ。
 先日、1月より始まった「キューティクル探偵因幡」のアニメが、1クールをもって終了してしまいました。アニメ開始時にもこの日記で「面白い」と書きましたが、放送をすべて観終えた後になっても、やはり最後まで最高に面白かった言わざるをえません。1クールで終わるのが本当に惜しいアニメでした。

 2話構成だった最終話のうち、後半の1話が原作者・もちさん書き下ろしのオリジナルストーリーだったのですが、それ以外はすべて原作のエピソードを忠実に再現していて、基本的にアニメオリジナルの話が挿入されることはありませんでした。それであれだけの面白さということは、原作がまず面白いことに加えて、アニメスタッフの演出も非常によかったということでしょう。ギャグ作品ゆえのテンポが本当によく再現されていて、小気味いい笑いの連続でした。

 最後の11・12話で、原作で最も面白いと思っている「首領・ヴァレンティーノ脱獄事件」と「悪の組織拡大事件」が来たのも好印象。一番面白いエピソードふたつを最後に持ってきたということは、スタッフが本当に原作の面白さを分かっている紛れもない証でしょう。原作を相当読み込んでアニメ化したという印象です。
 また、最終12話では、突然3DCGを使って「SIREN」っぽいホラーモード視点を再現したり、最終回なのにアクの強い新キャラを登場させて大活躍(?)させたり、スタッフが遊びまくっていて大いに笑わせてもらいました。最後まで楽しんで作っていたことがうかがえ、それがこうして視聴者にも伝わったようで、非常に楽しいものがありました。

 このアニメ、冬の新番組アニメの中では注目度はかなり低い方で、とりわけ原作を知らない人では観ていない人も多かったのではないかと思います。原作はGファンタジー連載で、見た目女性向けのイメージが強かったのも、特に男性視聴者の目を遠ざける一因になったと思います。ネットでもニコニコ生放送などで配信されたのですが、こちらでも当初の反応はさほどでもありませんでした。しかし、じきにギャグの面白さが伝わったのか、2話以降の評価は安定して高く、放送を重ねるにつれてその評価はさらに高まっていきました。

 個人的には、こうした女性向けとも見られた原作のアニメでも、ちゃんと評価されたのがありがたいところでした。これは、同じスクエニの原作で「君と僕。」や「妖狐×僕SS」にも言えてますが、やはりきちんと作りこめばいい反応が返ってくる。この作品の場合、そもそもそこまで女性向け要素が強いわけでもないですし、、それがこうして正当に評価されたのはやはりうれしい。

 配信の最後では2期希望のコメントも相次ぎましたが、さほどDVDが売れるタイプの作品ではないような気がしますし、実現はやや難しいような気もします。しかし、それが実現できれば最高にうれしいですね。


 TVアニメーション キューティクル探偵因幡 公式サイト


<3・31>
・「プラナス・ガール」がついに最終回。
 JOKERで2009年から続いていた人気連載「プラナス・ガール」(松本トモキ)が、ついに最終回を迎えてしまいました。先々月号で最終回の告知があったときは、驚くと同時に大いに落胆してしまい、今回の最終回を読んでまた名残惜しいと思ってしまいました。それまで終わるような兆しはぜんぜんありませんでしたが、ただ以前に比べて少し勢いは落ちてきたかなとは思っていました。そんな時に終わるとなると、やはり人気の伸び悩みによる終了なのかな・・・とも考えてしまいます。

 この「プラナス・ガール」、ヒロインが男の娘ということで、この手の作品が流行りはじめた初期の頃から始まっていて、ある種先駆的な作品となっていたと思います。ただ、同時期から出た同系の作品の多くが、露骨に男の娘のエロ要素が全面に出ていたのに対して、この「プラナス・ガール」には、そのようなところがまったくなく、どこまでもさわやかな作風だったことが、特に印象に残ります。

 ヒロインで男の娘の絆ちゃんや、主人公の槙くん、そして周囲を固める学校の生徒たち、そのみんなが屈託のない明るいキャラクターばかりで、悪い人がひとりもいなかったのがまず好印象。そして作品の舞台となる学校も、広大な敷地で校舎も校庭も広々としていて、心地よい緑の風がどこまでも吹き渡っているような雰囲気で最高でした。絆ちゃんと槙君が学校の屋上の芝生でのんびり横になって過ごしているシーンは、このマンガを象徴する名シーンだったと思いますね。

 作者のインタビュー記事によると、当初から5巻程度で終わる予定だったようで、今回の終了も予定通りといえば予定通りと言えそうです。しかし、連載中に人気が出て盛り上がり、連載が長く続いてアニメ化まで達成するような作品も多いわけで、「プラナス・ガール」がそこまで行けなかったのは、やはり残念でなりません。個人的には、これがアニメ化したら相当な人気が出たと思う。絆ちゃんの小悪魔的なかわいさは最高でしたし、より多くの人にこの魅力を知ってほしかったです。

 松本トモキ先生『プラナス・ガール』完結記念インタビュー!東京マンガラボ


<3・27>
・今月のビッグガンガンの「春になるとウズウズしちゃう」に対する反応について。
 今月発売のビッグガンガンで、発売前に、同誌掲載の4コママンガである「春になるとウズウズしちゃう」(藤村歩実)の掲載に関する話題が飛び交いました。何でも「作者が締め切りを破ったために、罰としてマンガの上下を逆に掲載した」とのこと。Twitterなどで編集者が発売前に情報を話したようで、それがなぜかネットでえらく話題を呼んで拡散してしまったようです。
 その反応の多くが、なぜか編集者やあるいは作者までに対する批判でした。聞いたことが事実ならば、それは確かに中々の悪ノリ企画ではあるものの、しかしそこまで批判されるほどのものなのか、首を傾げてしまいました。

 そこで、いつものようにビッグガンガンを買って確認してみたところ、確かに上下逆に掲載されていました。しかし、そもそもこの作品は、ページ数の少ない4コママンガですし、掲載順も今回は雑誌のずっと後ろの方。さして目立つ存在ではありませんでした。
 また、この「春になるとウズウズしちゃう」、もともと極めてシュールなネタ全開の4コママンガで、こういったネタ企画を行っても、大きな違和感はないマンガだとも言えました。今回も、事前に情報を知らずに雑誌でこのページに辿り着いたとしても、「まあこのマンガならありかな」と思って軽く流したと思います。

 しかし、ネットでの事前情報で巻き起こった騒ぎでは、かなり多くの人が激しく批判しており、中には当の雑誌を読んでいない、作品を知らない人も数多くいたようです。というか、ビッグガンガン自体そこまで読んでいる人は多くない雑誌だと思いますし、そんな雑誌の1作品にここまで反応があるとは、一体どういうことなのか、やはり首を傾げざるをえませんでした。

 そもそも、この程度の悪ノリなら、かつてのエニックスの雑誌・ギャグ王では頻繁に見られました。あの雑誌は、編集者が何度も表に出てくることが大きな特徴で、中には「うめぼしの謎」や「最後の楽園」のように、編集者がマンガに登場したり、あるいは編集者がふざけたテキストをマンガの周囲に書きまくって、自分の担当しているはずのマンガを自虐的におとしめたり(これなどは今回の企画と類似しています)、そうした作品まで見られました。ついにはそうした編集者の人気が読者の間で高騰し、編集者たちの仕事を紹介する特集まで行われたほどです。そんなかつてのギャグ王の姿を知っている自分にとっては、今回のビッグガンガン程度のことなら、本来ならわざわざ取り上げることもないほどの、本当に小さな出来事に過ぎません。

 以前より、インターネットでは、こんな風に様々な不品行(だとみなされた行為)で理不尽に批判にさらされることがあるようです。ギャグ王は、まだインターネットが盛んでない時代の雑誌でしたが、もしこの雑誌も今の時代に発行されていたら、同じように批判されるのでしょうか。それはまた随分と寂しいことだと思うのです。

 この話については、かつてGファンで連載したこともある渡辺浩弐さんが的確なツイートをしています。注目!

 「春ウズはセンスもアイデアもすごくよくて、注目してます。上下さかさま掲載は一度しか使えない手ですけど(僕もやったことあります)。」
 「そうなんです。叩いている人、明らかに一度も読んだことないですよね。」
 「同意。紙の本にしかできないことも沢山ありますよね!」

 渡辺浩弐 (kozysan) on Twitter


<3・24>
・一般書店での特典の扱いについて。
 ここ数日、久々にコミックスの複数買いに走り、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。−妄言録−」のコミックス特典を求めていくつもの書店を回っているのですが、そこで気になることがありました。それは、普通の書店での特典の扱いです。

 普通の書店とは、ここではアニメイトやとらのあななどいわゆるオタク向けの店舗ではない、普通の一般向け書店という意味。以前は、こうしたコアユーザー向けの店舗以外ではほとんど特典はなかったのですが、最近では一般向けの書店でも、特典をつけることは珍しくなくなりました。今回の「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。−妄言録−」でも、8つある特典うちいくつかは普通の書店の提供でした。

 で、そうした書店にも行って特典を回収したのですが、予想していたとおり、どこでもまともに特典を受け取れませんでした。実は、以前から、こうした普通の書店において、特典をまともに受け取れた記憶がほとんどありません。大抵の場合、店員が特典の存在そのものを知らない。
 今回の場合、そのうちひとつの書店では、特典がコミックスのページに挟まっていたのですぐに分かったのですが、もうひとつの書店においては、店員が特典がどこにあるかまったく知らず、10分以上も探して待たされた挙句、ようやく見つかって持ってきたという有様でした。こういう場合、せっかくコミックスの作者が苦労した描いて用意した特典が、読者の手に渡らないまま、店内に放置されてしまう可能性があります。というか、今回ももしわたしが店員に指摘しなければ、実際にそうなっていたと思います。

 書店員の仕事が、見た目以上に大変だという話は聞いています。表のレジ打ちの仕事だけでなく、商品の補充や整理、棚出し、注文の受け付けなど、作業は多岐にわたり、体力的にも厳しい仕事ではないかと思います。そんな中で、このような特典の配布など、末端の些細で煩雑な仕事のひとつに過ぎないのでしょう。

 しかし、だからといって、せっかく本社が用意した特典が、末端の書店でまともに配布されないというのは、本当にどうかと思うのです。今回そうした対応にあった書店は、アニメイトやとらのあなほどマニアックなコア書店ではないとはいえ、しかしコミックスの売り場面積は多く、かなりコミックスも力を入れていると思われる書店でした。ならば、こうしたコミックスの発売を盛り上げるサービスにも、しっかりと対応してほしいものです。


<3・20>
・ビッグガンガンで「シガレットアンソロジー」が連続掲載。
 現在、ビッグガンガンで「シガレットアンソロジー」なる企画が、毎号多数のゲスト作家を呼んで3号連続で行われています。タイトルどおり「タバコ」をテーマにしたアンソロジーで、いくつかのイラストとマンガで構成されています。

 まず、この企画、なぜこの禁煙が進むご時勢によりによってタバコなのか・・・と当初は大いに疑念を感じました。これは、参加した作家の中にも同じことを感じた人はいたようで、疑問を感じつつも自分の好きなタバコをテーマにしたマンガが描けてよかったと述べています。

 そして、その参加作家たちがえらく豪華メンバー。まず最初に開催された2013 Vol.01(12月25日発売)では、村田雄介・清原紘・浅野いにお・すぎむらしんいちが登場。前者2名がイラストを、後者2名がコミックを描き下ろしており、いずれもよく知られた実力派の作家だけあって、普段のビッグガンガンでは中々見られない独特の作風を見せてくれました。

 そしてVol.02(1月25日発売)で開催された第2弾では、せがわまさき・村田蓮爾・ふみふみこ・オノ・ナツメの4名が登場。やはり前者2名がイラストを執筆、後者2名がマンガを執筆しています。中でもオノ・ナツメの「グッバイ シガレット」という作品、これがいつもながら実に渋い作風で、タバコが廃れてしまった時代にタバコを作り続ける職人と、彼のタバコを買い続ける女性の姿を描いた切ない話となっていて、非常な良作だったと思います。しかも、オノ・ナツメは、今春より月刊ビッグガンガンにて新連載を立ち上げる予定となっていて、その予告まで掲載されていて、いやがうえにも期待してしまいました。

 そして、Vol.03(2月25日発売)で開催された第3弾では、あの大高忍が久々にスクエニに復帰してイラストを描き下ろし、さらには水薙竜と感傷ベクトルがマンガを描き下ろしています。

 中でも、今回は感傷ベクトルのマンガが読めたのがとてもうれしかったです。感傷ベクトルは、以前より同人活動と音楽活動を並行して行ってきたサークルで、同人サークルでありつつバンドというスタイルで特に目立つ存在でした。最近ではその実力が広く認められたのか、商業での活動も行われるようになり、メジャー流通のアルバムをリリースしたり、ウェブ掲載の作品がコミックスとして刊行されています。また、「僕は友達が少ない」のスピンアウトコミック「僕は友達が少ない+」を集英社のジャンプSQ.19で連載していました。今回のマンガもそんな商業活動の一環で、このサークルの作品がビッグガンガンで読めたのは大きいと思います。内容は、タバコというよりもバンドメンバーの姿を描いたコメディとなっていて、いつもの音楽+マンガという感傷ベクトルならではの構成。中でもヒロインで自由すぎる性格のミカちゃんがやたらかわいくて面白いです。一挙3話掲載されていて、どの話も面白かったので、これは是非ともまた読みたいと思ってしまいました。

 次回は1号開けてVol.05に掲載されるようで、ここでも大暮維人・太田垣康男・横槍メンゴなどの豪華メンバーの執筆が予定されています。これは、今後もこのアンソロジーの展開が楽しみになってきました。

 オノ・ナツメらビッグガンガンに初登場、タバコアンソロでコミックナタリー
 「マギ」の大高忍ら、タバコアンソロでビッグガンガン登場コミックナタリー


<3・17>
・ガンガンで「絶園のテンペスト」と「咲阿知賀編」が終了。
 今月発売のガンガン4月号で、「絶園のテンペスト」と「咲阿知賀編」、アニメも人気だった最大の話題作2つが、一度に終了してしまいました。「絶園」に関しては、来月からしばらく特別編が掲載されるようですが、これも数ヶ月で終わるでしょうし、実質的にやはり連載終了とみてよさそうです。この、今のガンガンで最も人気が高かったであろう連載がふたつも終わってしまうと、ますますガンガンを取り巻く話題は寂しくなりそうです。

 少し前に、わたしが「今のガンガンで最長の連載は藍蘭島」と発言したら、それに対する反応が予想以上に多くて、驚いたことがありました。実は、数年前に「鋼の錬金術師」が終了して以来、ずっとガンガンの最長連載は藍蘭島になっているのですが、そのことを知らない人が本当に多かったようです。おそらく、実際にガンガンを読んでいる人は多くなく、あるいは昔は読んでいたかもしれないが今は追いかけていない。そんな方が、「かれこれ藍蘭島はもう10年以上続いている」と聞いて驚いたのだと思います。

 今のガンガンは、おそらくはマンガ読みと呼ばれている人たちの間では、決して注目度は高くない雑誌だと思います。おそらく、マンガ読みの人を引き付けるような魅力を持っているような連載は少ないのでしょう。「ソウルイーター」や「屍姫」「ながされて藍蘭島」などの長期連載は、以前に比べれば勢いはずっと落ち着き、話題にのぼることは少なくなりました。「とある魔術の禁書目録」を初めとするメディアミックス作品は、確かに安定してよく描けているけれども、原作ファン以外まで幅広く引きつけるほどの力には乏しい。近年始まった新連載もどれも小粒でぱっとしない。というか雑誌読者以外に知られているような新規作品がほんと少なくなりました。

 そんな中で、この「絶園のテンペスト」と「咲阿知賀編」、このふたつだけは、相当数の固定ファンを、それもマニアックなファンを数多く抱える、マンガ読みにも読まれる数少ない作品だったと思うのです。とりわけ、「咲阿知賀編」は、本編はヤングガンガンの連載ということで、この連載のためだけにガンガンを買っていたという人は、本当に多かったはずです。

 それが、ここにきて終了してしまうことで、そういった読者の多くはガンガンから離れていくのではないでしょうか。今のガンガンが、一体どんな読者層に読まれているのか、おそらくは中高生あたりから大人にかけての読者に薄く広く読まれていると推測していますが、反面コアなマンガ読者に顧みられない雑誌になってしまったのは、ひどく寂しいことだと思うのです。


<3・13>
・ヤングガンガンの「キッドアイラック!」があと6週で終了。
 このところ、ストーリーが佳境に入って盛り上がっているヤングガンガンの「お笑い」をテーマにしたマンガ「キッドアイラック!」ですが、前回のヤングガンガンで、作品のラストページで「最終回まであと7回」と告知が入り、今回は「最終回まであと6回」との告知が入りました。どうやら本当にあと少しで最終回のようですが、こんな風にあらかじめ最終回を予告するのは珍しく(まったくないわけではないですが)、このやり方には疑問を抱いてしまいました。正直、あと少しで終わるとわかると、随分とがっかりした感は否めません。

 ストーリーは本当にいい感じに盛り上がっていて、今回はセンターカラーにもなっています。主人公のやおきんが、最初のうちはお笑いのコツがまったく分からず滑ってばかりいたのが、ついに大喜利の楽しさを会得し、みんなを笑わせる、楽しませることが出来るようになった。これは本当に気持ちのいいものがありました。序盤から中盤にかけて重苦しい展開が続いていたのが、ついにここに来てぱっと明るくなったようで、作品の雰囲気が一転しました。

 個人的にはますます楽しんでいる本作ですが、しかしここに来ての最終回告知は、人気の低迷による早期終了の可能性は高いと思います。最初から編集部にひどく推されていたこの作品が、こんなに早く終わるはずがない。まだコミックスは1巻しか出ていませんし(2巻は今月25日発売予定)、これから先まだまだ続いていく予定だったのではないでしょうか。

 作者の長田悠幸さんは、かつてのガンガンの連載「RUN day BURST」も、相当な力作だったにもかかわらず成功したとは言い難く、最後にはガンガンONLINEへと移籍して終了しました。これでは、もう次の登場はないかなとまで思っていたのですが、しかしヤングガンガンで晴れてこの「キッドアイラック!」で再登場を果たし、こちらも今までよく連載を続けていたと思うのです。前述のとおり、連載開始時から編集部には強く推されていたようですし、先日はこのマンガの連動企画として、ヤングガンガンの連載陣を集めての大喜利大会まで行われました。それゆえに、その直後といってもいいこのタイミングで、連載終了の告知がかかること自体信じられません。

 確かに、決して売れ線の作品ではないことは分かっていました。古いタイプの少年マンガとも言える作品で、そして最初の頃はストーリーが重く、主人公のお笑いも滑ってばかりで、あまり気持ちのよくない展開でもあったと思います。今になってようやく一気に雰囲気が明るくなりましたが、そこまで我慢して読み進めた読者は多くなかったのかもしれません。かつてのガンガンの連載もそれに近いところがあり、今回もスロースターターゆえに多くの読者を獲得できなかったとも考えられます。

 しかし、それにしてもこのマンガが終わるのは惜しい。果たしてこの後に、作者の長田さんの再々度の登場があるのかどうか、さすがに不安です。応援していた作家だけに、このまま終わってしまうとしたら本当に残念ですね。


<3・10>
・「放課後アトリエといろ」が縮小継続。
 角川書店の「コンプティーク」などで好評連載中だった4コママンガ「放課後アトリエといろ」。わたしも応援していたのですが、つい先日作者の華々つぼみさんのブログでの報告で、これから先毎号3ページ程度の縮小継続という形になったと報告がありました。理由は、簡潔に言えば人気が伸び悩んでいた、具体的にはコミックスの売り上げが芳しくなかったようです。

 この報告は、個人的にもかなりショックな出来事で、他の多くの読者、とりわけ4コマ読者の間からも多数の反響がありました。わたしにとっては、今の4コマの中では「きんいろモザイク」と並んで最も好きなマンガのひとつで、Twitterのアイコンにしているくらいです。また、角川書店の4コママンガの中でも、一時期はあの「らき☆すた」の後を継ぐマンガだと思われる展開も見せただけに、この報告は本当に意外でした。

 どうして人気が伸び悩んだのか、その理由が本当によく分からないのですが、ひとつ推測するに、まず角川書店自体が4コママンガがさほど強くない出版社だという点が思い当たりました。「4コマなのエース」という4コマ専門誌があるとはいえ、例えば芳文社のように熱心な4コマファンの注目を集める出版社から見ると、そこからやや外れた存在だったのではないか(しかもこのマンガの掲載誌はコンプティーク)。「らき☆すた」のようなアニメ化までした人気作品は例外で、それ以外の4コママンガまでチェックしていた読者は少なかったように感じました。

 また、これは個人的な感想ですが、美少女キャラクターが多数登場するいわゆる萌え4コマの中では、若干男性向けの傾向が強すぎたかのかなとも感じました。これはあくまでおぼろげな感覚ですが、例えば「ひだまりスケッチ」や「GA」、最近では「きんいろモザイク」や「ご注文はうさぎですか?」などの、かわいさを全面に押し出したきらら系の4コマと比較すると、女性の支持が若干薄いマンガになっていたのではないか。これは角川書店自体の作風ともいえ、まさに「正しく角川的な4コマ作品」でもありました。作者の華々つぼみさんは女性で、本来は女性の人気・支持も強い作家のはずですが、この作品に関しては、結果的にそこからやや外れたマンガになったような気がします。

 また、これはその華々さんからのもうひとつの報告で、「『放課後アトリエといろ』4巻発売までもう少しですが、その一方で4コマとしてはかなりのスピードで続刊が出た為か2、3巻が既に発売している事に気づかれていない方も沢山いた様です。ジワジワとは売れているそうなんですが、改めて認知度や初動の大切さを知りました。」という話もあり、こんな事情もあったのかと驚きました。確かにこのアトリエといろ、4コママンガにしては異例なほどコミックスの刊行ペースが速く、そして本来なら刊行が速いのはいいことのはずです。しかし、遅いペースの刊行に慣れている4コマ読者に対しては、逆にそれが不利な点になったというのが意外でした。

 さて、今回の縮小継続、本来なら人気の伸び悩みで連載終了もありえたところを、角川の担当編集者の好意で、なんとか縮小ながらも連載継続という運びとなったようで、これには本当に感謝しています。また、この報告があってから、熱心な読者の間から多数励ましの言葉が贈られたようです。この厚い支持をバックにまた盛り返してほしいものですね。

 ノートの片隅から(華々つぼみ)
 華々つぼみ (hanabana_h04) on Twitter


<3・6>
・「インテリぶる推理少女とハメたいせんせい」読んでみました。
 先日HJ(ホビージャパン)文庫から発売された「インテリぶる推理少女とハメたいせんせい」(米倉あきら、イラスト・和遥キナ)、早速買って読んでみたのですが、予想以上の内容に驚きました。

 この小説、以前HJ文庫大賞で奨励賞を受賞した投稿作の文庫化で、この日記でも何度か取り上げたことがあります。そのときのタイトルは、「せんせいは何故女子中学生にちんちんをぶち込み続けるのか?」。このあまりにひどすぎる原題は、ネット上で大いに話題となり、わたしも「文章系タイトルもついにここまで来たか・・・」と思ってしまいました。

 そして、ついにその問題の小説を手にする機会を得たわけですが、実際に読んでかなり驚きました。最初にあの原題を見たときは、これは今流行の文章系タイトルのライトノベルになぞらえたもので、受け狙いの半ばネタで付けたものだとも思っていました。しかし、実際に読んでみると、本当にタイトルどおりの内容になっていました。主人公はタイトルどおり学校の先生で、彼の一人称で進んでいくのですが、「生徒を犯すことにかけてはベテランの域に達している」「しかし強姦のプロである僕でさえ今はあやうく犯すところであったがなんとか犯さずにいられた」とか、こんなセリフが当たり前に出てきます。実際に犯すまで行くシーンこそそう出てこないものの、その寸前まで行くシーンは頻発しますし(足コキとか平然とやらせている)、何より主人公のせんせいが女子中学生を犯す気満々。すなわち、強姦とは行かなくとも強姦未遂は完全に成立していますし、主人公は完全に犯罪者でした(冷静な分析)。

 と、ここまで見るとひどい作品のようにも思えますが、しかし同時に本格的な小説としてかなり面白いと思いました。ライトノベルとはいえ、ページが文章で埋まっているタイプの小説で、主人公と女子生徒たちとの掛け合い、会話劇がかなり面白い。また、改題されたタイトルどおり推理要素もあり、せんせいを巡る過去の出来事の真相に引かれます。純粋に興味を持って読み進められる、思った以上によく出来た一作になっていると思いました。

 元々、文庫大賞で選考に残った時点で、確かな面白さがあるものだと推測は出来ました。こんなひどいタイトルでありながら選考に残るということは、何かしらの面白さが審査員に認められたということです。それが今自分の手ではっきりと分かってうれしい。この作品を発売した意義はあったと思います。

 それと、挿絵に新鋭のイラストレーター・和遥キナさんを採用したのも意外でした。小説の内容はあれですが、キナさんのイラストは非常にきれいで落ち着いたものとなっていて、これを見るためにも読む価値はあると思いますね。


<3・3>
・「ハイスコアガール」の特別編が掲載。
 つい先日より、ビッグガンガン公式サイトにてあの「ハイスコアガール」の特別編が掲載されています。「カプコン アーケードキャビネット・レトロゲームコレクション」のコラボなので単行本には入りませんとあり、ウェブだけで見られる読み切りのようです。さすがにこれは見逃せません。

 「カプコン アーケードキャビネットレトロゲームコレクション」は、PS3/XBOX360ダウンロード専用のソフトで、かつてのカプコンの名作を復刻させる試みのようです。以前PSやPS2で出ていた「カプコンジェネレーションズ」や「カプコンクラシックスコレクション」の続編とも言えるソフトでしょうか。今回「ハイスコアガール」とコラボしたのはその第一弾で、「1943」「必殺無頼拳」「ブラックドラゴン」の3つが作中で紹介されています。

 この3つは、いずれも80年代のゲームで、「ハイスコアガール」で特に大きく扱われているカプコンのゲーム「ストリートファイターII」や「ファイナルファイト」より前のゲーム。ずっと初期の黎明期のゲームで、ストIIなどに比べれば今ではさすがに知る人も少なくなっているかな・・・と思いますが、ここはさすがに押切蓮介だけあって、これらのゲームの魅力をよく紹介しており、相変わらず作者のゲームへの深い造詣を感じることが出来ました。

 おおよそのことは作品を読めば知ることが出来ますが、ここで個人的にも少しこれらのゲームの解説を。「1943」は、カプコン初期のシューティングゲーム。名作だった「1942」の続編で、アメリカ軍の戦闘機を操作して日本軍を倒していくゲーム。強敵となる巨大な戦艦が大いに注目された、アーケード初期のシューティングの名作中の名作です。カプコンと言えば、ストIIなどのアクションゲームの方がずっと有名ですが、まず最初はこの「19××」シリーズで人気を得たことは知っておくべきでしょう。

 「必殺無頼拳」は、トップビュー(上からの視点)のアクションゲーム。のちにこういったトップビューアクション自体ほとんど見られなくなりますが、この時代ではカプコンの18番のひとつで、この手のゲームを盛んに出していました。このゲーム以外では「ガンスモーク」や「トップシークレット」、名作として知られる「戦場の狼」などがあります。ただ、これらのゲームが銃を使って敵と戦うシューティングの要素が強いのに対して、この「必殺無頼拳」は、拳と蹴りで戦う格闘アクションになっているところが大きな特徴で、こういった作品は当時から珍しかったと思います。

 最後に「ブラックドラゴン」ですが、こちらは一転してサイドビュー(横からの視点)のアクションゲーム。ファンタジーな世界観が大きな特徴で、昔のカプコンはこうしたファンタジーゲームを本当によく出していて、ファンタジーに対する製作者の愛着が窺えます。このゲーム性は、のちに同じファンタジーサイドビューアクション「マジックソード」に受け継がれます。

 これらのゲームや、あるいはストIIやファイナルファイトもそうですが、当時のカプコンのゲームは、まるで少年マンガや王道ファンタジー、戦争映画のような力強い設定・世界観が顕著で、そうした力強さに惹かれるプレイヤーも多かったと思います。反面、決して力押しで進めるようなゲームは多くなく、攻略には緻密なパターン化が必要で、ゲームとしてもよく出来ていました。力強い世界観と、それとは対照的に緻密で繊細なゲーム性。これこそがカプコンのゲームの魅力だったと思います。今回の「ハイスコアガール」特別編を読んで、是非ともその魅力の一端に触れてほしいと思いますね。

 ハイスコアガール作品紹介月刊ビッグガンガン
 カプコン アーケードキャビネット・レトロゲームコレクション公式


<2・27>
・あの「のんのんびより」のアニメ化が決定!
 つい先日、メディアファクトリーのコミックアライブの連載「のんのんびより」(あっと)のアニメ化決定の発表が行われました。23日に発売されたコミックス最新5巻の帯でそのことが発表され、それに先駆けてウェブ上でもコミックナタリーなどでニュースが配信されました。

 「のんのんびより」は、コミックアライブでは貴重なオリジナルの期待作のひとつ。メディアファクトリーは、MF文庫のライトノベルがまず人気の中心で、そこから何作もアニメ化され、さらにアライブでもそのコミカライズが盛んに行われています。その一方で、オリジナルの作品がアニメ化される数は多くなく、「まりあほりっく」「ささめきこと」など数作品しか思いつきません。この「のんのんびより」も、個人的には非常に評価してはいましたが、しかしオリジナル作品ゆえに、アニメ化まで行くのは難しいかなと思っていました。それが、ここでまさかのアニメ化決定で本当にうれしい。

 作者の「あっと」さんは、このコミックアライブでデビューした作家で、新人時代から期待されていた節が窺えました。最初からイラストの仕事などをよく拝見していましたし、そして初のマンガ連載となった「こあくまメレンゲ」という作品がまた面白く、これはいい新人が出てきたなと思ったものです。魔王の娘と同居する人間の少女たちとのゆるい生活を描いたゆる日常系のマンガで、そのテイストはこの「のんのんびより」にも受け継がれているようです。

 その「のんのんびより」ですが、こちらは田舎の学校「旭丘分校」に通う5人の生徒の日常を描いたコメディとなっていて、のんびりした田舎の日常がいい感じに描かれています。個性的な5人の生徒と周囲の大人たちのまったりした生活が忌憚なく描かれ、楽しくも和やかな気持ちになれる作品ですね。5人の中でも特に注目したいのが、宮内れんげ(れんちょん)という小学一年生の女の子。メンバーの中では最年少で、周囲を驚かせる言動をしばしば行うのですが、これが子供らしい独特の感性をよく表現していて本当にいい。今思えば、わたしも、子供の頃は予想もつかないとんでもない行動をすることがありました。

 あっとさんの作画が非常に安定していて、キャラクターも背景もほんとによく描きこまれているのも魅力。これはデビュー当時からの最大の特長で、こんなうまい絵を描く人なら、いつかは成功すると思っていました。アニメでもこの絵柄をハイレベルな作画で再現してほしいものです。

 アライブ連載のド田舎コメディ「のんのんびより」アニメ化コミックナタリー
 のんのんびより(公式)


<2・24>
・ドラクエ7(リメイク)発売で10年前を思い出す。
 少し前に発売された「ドラゴンクエスト7」のリメイク3DS版。さすがにドラクエの正規タイトルの発売だけあって、売れ行きやネット上の反応もまるで違いました。肝心のリメイク版の出来も上々のようで何より。あの堀口レオさんが思い切り楽しんで実況してるのを見て、思わず笑ってしまいました(笑)。

 しかし、今回のリメイク版でまた人気が浮上してきたものの、かつてPSで出たドラクエ7は、ドラクエの中でも特に賛否激しいゲームで、いやむしろ批判的な意見の方が多かったのではないかと思います。その中には、確かに納得できる意見も多かったものの、逆に納得できない理由も多く、そのことをかつてここで記事にしたこともありました。ここでは改めてそれを少し振り返ってみたいと思います。

 まず、よく見られた意見として、「石版集めがとにかく面倒」というものがありました。これに関しては、もうまったくそのとおりだと言えるでしょう。「新しい世界を切り開く」冒険の目標となるはずだった石版ですが、実際のゲームでは「石版を集めないと先に進めない」という本末転倒の事態に陥っており、その閉塞感というか「石版が見つからなかったときの恐怖」が、プレイ中常につきまとっていました。展開も一本道でまったく自由度がなく、これはドラクエ7最大にして致命的な問題点だったと言えます。

 と、これはわたしも十分納得できる意見だったのですが、それとは正反対にこれはどうかと思ったのが「開始2〜3時間くらい戦闘がない」ことに対する反対意見でしょうか。最初のダンジョンで戦闘がなくいわゆる謎解き・パズルが続き、最初の戦闘でスライムと遭遇するまでに、プレイ開始後2〜3時間はかかっていました。で、これが非常に評判が悪かった。わたしとしては、これはこれでRPGのひとつの形だと思ったのですが、しかし多くの人にとって戦闘がないとやはり物足りないのかと思いました。和製RPGが戦闘中心のゲームとなって久しいですが、その悪い一面がこのゲームで出てしまったのだと思います。

 あとは、いわゆる職業と特技のシステムに対する風当たりも強く、「全員をマスターまで育てるとみんな同じになる」という意見をかなり目にした記憶があります。これは確かにそのとおりなのですが、しかし最初からそこまでやりこむことを前提に考えているのはどうでしょう? ゲームクリアをひとつの目標として、キャラクターの役割分担を考えて職業を割り振っていけば、パーティーの個性は出ると思うのです。さらに、一部便利すぎる特技のせいでそればかりになる、使えない特技が多いという批判もあり、これも確かにそのとおりですが、使える特技を見極めて選んで使うという戦略性はあると思いますし、これも致命的なものではないでしょう。このあたり、FF5(ファイナルファンタジー5)的なやりこみが、RPGで重視されるようになった結果なのかなと思いました。

 それ以外には、「とにかくクリアまで長すぎる」「敵が強めでバランスがよくない、快適に進めない」といった意見も多かったと思います。これも、本来ならばRPGならではの特徴のひとつだと思うのですが・・・。

 このドラクエ7(あるいは前作の6も)、全体的に「原点回帰」みたいなところがあって、RPGのゲームの面白さを今一度取り入れようとしたところが見られました。戦闘だけではないゲームスタイルやシンプルな職業システム、長めを意識したプレイ時間、厳しめで乗り越えがいのあるバランス設定などがそれです。それらの多くが認められなかったのは、個人的にはやはりひどく残念でした。今回の3DS版ではそれらが「改善」されているようですが、やはり元のPS版ならではの面白さが、今こそ再評価されてほしいと思っています。


<2・20>
・「咲阿知賀編」もガンガン次号で終了。
 前回の日記でも少し言及しましたが、ガンガンの連載で「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」も、次号で最終回と予告がありました。テレビアニメは昨年の7月に1クール12話終了していますが、その後全15話(のち16話)として再編成されることになり、今ではその追加の話が「スペシャルエピソード」として順次テレビとネット配信されている状態でした。この追加編の出来も非常によく、盛り上がっていただけに、ここに来てガンガンの連載の終了発表は、少し寂しいと感じてしまいました。これもまた、原作とアニメが(この場合追加編と)同時に終了という形になりそうです。

 「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」(以下「咲阿知賀編」)は、ヤングガンガンで連載されている「咲-Saki-」のスピンオフ作品として、原村和のかつての母校で奈良代表となる「阿知賀女子学院」の戦いを描く、というコンセプトで始まりました。掲載誌は意外にもガンガンで、しかも作画にかつて「BAMBOO BLADE」を手がけた五十嵐あぐりを起用。相変わらず素晴らしい作画で「咲」の世界を存分に見せてくれました。

 また、スピンオフということで、本編とは異なる視点から描いたストーリーが何より新鮮でした。全国大会で、咲本編の高校(清澄高校)とは逆ブロックの戦いを描く構図で、時に本編のキャラクターと邂逅しつつ進む展開が、ヤングガンガンの連載と連動していたのが何よりも面白かったです。キャラクターも本編に負けず劣らず個性的で、とりわけ、阿知賀のライバルとして何度も対戦する大阪の千里山高校のキャラクターは、アニメの後半で大きくクローズアップされ、非常に高い人気を獲得しました。彼女たちが繰り広げる闘牌の中身も密度が濃く、アニメの追加編まで最高に楽しめていたのですが・・・。

 しかし、最初からアニメ化は決まってのガンガンでの連載だったようで、それゆえにアニメと歩調を合わせての原作の終了も、予定の内と言えそうです。残念ではありますが、しかしヤングガンガンでの本編はいまだ好調ですし、TVアニメ第3シリーズ「全国編」の制作もすでに決定しているようで、これからはそれを楽しみに待つことになりそうです。まだまだ「咲-Saki-」の盛り上がりは続きますよ。


<2・17>
・「絶園のテンペスト」アニメと同時に終了か。
 1月に発売された「絶園のテンペスト」最新8巻の原作者後書きに、「次巻で終了」との告知がありました。原作者の城平京さんが言うのだから間違いないでしょうが、もう8巻より後の話はガンガンで連載中であり、この分だとあと数回で終わることになります。おそらくは、アニメと同時かその直後に終了するのではないでしょうか。あの「鋼の錬金術師」と同じような終わり方ですね。なお、同じくガンガン連載の「咲阿知賀編」も、3月発売のガンガン4月号で最終回らしく、これもアニメの追加編とほぼ時を同じくしての終了となりそうです。

 話を「絶園」に戻しますが、今やっている最終巻となるだろうエピソード、これがまだ最終決戦とは思ってなくて、この後もまだ続くのかなと思っていただけに、ちょっと意外ではありました。あと、まだコミックスが10巻にも達していない段階で終わることもないだろうとも考えていました。しかし、よく考えれば世界の行く末が決まるであろう決戦。ここでラストとなってもおかしくはなかったですね。
 城平京原作作品の中でも、とりわけ異色だったこの作品、アニメの方はそのあまりの異色ぶりに、とりわけアニメで入ってきた視聴者にはとっつきが悪かったようで、思ったほど大きな支持・反響は得られなかったような気がします。また、全体的に女性向けとも思えるキャラクター造形も、男性視聴者に受けが悪かった大きな原因かもしれません。これは、原作者の前々作「スパイラル」とは対照的な結果になってしまったような気がします。

 しかし、原作もアニメも、決して悪い作品ではありません。あまりに異色な設定ではあるものの、しかし決してストーリーが壊れているわけではない。今までの城平作品同様、これも最後まで理に適った作品だったと思います。アニメの出来もボンズだけあって申し分なかったようですし、アニメが今ひとつだった「スパイラル」と比べても、こちらは有終の美を飾れそうです。

 ただ、これまでの城平原作作品と比べて、コミックス9巻と最も短い連載で終わったことで、さらなる次回作があるのか気になります。最近では、作者のデビュー作だった推理小説「名探偵に薔薇を」の評価も高まっているようですし、城平京の作品がもっと読みたいという人も多いのではないでしょうか。またスクエニでコミック原作を手がけるのか、小説をまた書くのか、次の活動に期待して待ちたいと思います。


<2・13>
・ミリオンアーサーの大型アップデートで一気に落胆。
 昨年4月から延々とやり続けている「拡散性ミリオンアーサー」ですが、この2月の始めに過去最大の大型アップデートが行われ、「騎士団」を初めとする新システム・新機能が一気に追加され、ゲーム性ががらりと変わってしまいました。そして、これが面白くなれば万々歳ですが、実際には完全な正反対。まったく面白くないばかりか、今まで持っていたゲーム性まで大量に失われてしまいました。

 「騎士団」とは、要するに他のプレイヤーとパーティーを組んで、協力して強敵に当たり、あるいは他の騎士団と戦闘の戦果を競うといったシステムで、もう随分と以前から実装に向けて準備中と告知されていました。そして、この2月になってようやく実現したのですが、これが始まったばかりでまず不具合が続出。接続不良でまともにプレイできない状態が続き、今になってようやく直ったのはいいものの、しかし不具合が直っても新しいシステムが面白くないことに変わりありませんでした。これでは到底楽しめない。

 理由はいろいろあって、まず騎士団の結成が基本的にランダムで、まったく知らない人とパーティーを組んでもぜんぜん盛り上がらない。さらには、仲間と協力して敵と当たるということで、敵の強さが上がり、一人では何度戦っても倒しきれないような戦いになり、だるいだけでやる気が半減してしまいました。さらには、戦闘するのに必要なバトルコスト(BC)という数値の回復が速くなり、あっという間に回復するので、それに伴う戦略性もほぼなくなってしまいました。

 これまで行われていたゲームは、基本的にプレイヤーが1人で戦うシステムで、倒しきれない強敵が相手の場合や、あるいはコストがなくて戦えない時のみ、友人に助けを求めるシステムになっていました。これによって、強いカードを持っている課金プレイヤーは戦いの場が増え、一方で無課金のプレイヤーは強い人に助けてもらえると、課金と無課金双方に利益のあるシステムになっていて、この手のゲームではかなりいい線行っていたと思います。さらには、戦闘にコストがかかり、時間が経たないと回復しないということで、あえて低いコストのカードを使って戦闘を行う戦略性もありました。コストの割に能力が高い、いわゆるコストパフォーマンスのいいカードを見極めて使うという、このゲームならではのゲーム性が存在し、そこには確かな戦略性がありました。

 しかし、今回のアップデートで、そのほぼすべてが失われてしまいました。なんというか、単に要素を追加するだけのアップデートならいいですが、今回のようにゲームそのものを変えてしまうのはどうなのか。今までのシステムの評判がおおむねよかったからなおさらです。特に、1月後半から開始されたイベントが最高に盛り上がっていただけに、その後でこれは落差は大きい。なぜ自分で自分のゲームを壊すようなことをするのか。過去のゲームのリメイクで、かつてのゲーム性が失われたという話はたまに聞きますが、まさか同じゲームでそれを見ることになるとは思わなかったですね。

 できれば今回のアップデートはすべて取りやめて元に戻してほしいくらいですね。しかしこういうのが元に戻った試しがないんですよね。せっかくいいイラストレーターをあれだけ使って、プレイヤー数も順調に増えて、ヤングガンガンやビッグガンガンでコミック連載も始まって、スクエニの中でも好調に推移していたゲームだっただけに、非常に残念なところ。せっかくのゲームの勢いが、このまま失速する可能性も十分ありますね。


<2・10>
・金の翼賞だったとは・・・!
 先日、Twitterでかつてのエニックスのマンガについて質問を受け、それが分からずに随分と困ってしまいました。かつてマンガ賞を取ったという読み切りのタイトルが分からないというのです。

 そのマンガの内容ですが、その方の覚えているかぎりでは、

  • 98年前後のエニックスのマンガ賞の受賞作。大賞か準大賞受賞作らしい。
  • ソプラノボイスを持つ少年の声が突然出なくなってしまう話。
  • エニックスではあまり見ない画風だった。
ということらしいのですが、かつてエニックスのすべての雑誌を読んでいたはずのわたしでも、どうしてもこの作品を思い出すことが出来ず、本当に困ってしまいました。エニックスのマンガ賞といえば、かつては21世紀マンガ大賞(現スクウェア・エニックスマンガ大賞)が最も大きなもので、その当時の受賞作はサイトでもリストアップしてあったので、それを逐一参照してみたのですが、残念ながらそれらしい候補は見当たりませんでした。

 しかし、その後さらに詳細を聞いてみたところ、どうもガンガンWINGのマンガ賞だったようで、それならばその雑誌独自の賞である「金の翼賞」ではないかと思い当たりました。なるほど、それはちょっと分からないわけです。

 「金の翼賞」とは、ガンガンWINGの月例マンガ賞みたいなもので、確かガンガンWINGが98年に隔月刊化して以来ずっと続いていたのではないかと思います。途中で「天の翼賞」と名前を変えましたが、中身は特に変わらず、そのまま2009年の休刊まで続きました。
 ここからWINGにデビューした作家は非常に多く、特にお家騒動以後はここからデビューする人が一気に増えました。初期の頃では、なんといってもあの「まほらば」の小島あきらさんのデビューが光ります。その後も、「天正やおよろず」の稀捺かのと、「ショショリカ」の上杉匠、「ひぐらしのなく頃に綿流し編・目明し編」の方條ゆとり、「東京イノセント」の鳴見なるなど、WINGの主要連載陣の多くを輩出しました。WINGという雑誌が、独特のまとまったカラーを保持していたのは、連載作家の多くを自前で生み出したことが大きいと思っています。

 さて、肝心の作品のタイトルですが、周囲でかつてのエニックスを読んでいた方に幾人も当たってみましたが、いまだに分からないでいます。21世紀マンガ大賞のような大きいマンガ賞ならともかく、雑誌の月例賞のような小さな賞の受賞作を、すべて覚えている人は多くないでしょうし、無理もありません。かつて、エニックスのマンガ賞受賞作をすべてまとめた貴重なサイトがあったのですが、残念ながら今ではなくなっていました。もしこの日記を読んで、心当たりのある方がおられましたら、是非ともご一報よろしくお願いします。


<2・6>
・一ヶ月前のオフ会回想「俺の、このマンガがすごい!2013」。
 かなり前の報告になってしまいますが、冬コミの1日目にマンガサイトの管理人が集まったオフ会に参加しました。そこで、「俺の、このマンガがすごい!2013」というお題で参加者ひとりひとりがトークをして、これが大いに盛り上がりました。「このマンガがすごい!」になぞらえて、個人の私的なおすすめマンガを5つまで取り上げて語るということで、わたしも5つほど紹介させていただきました。以前同じような企画を自分のサイトでもやりましたが、そのときとは少し違うものもいくつか選んでしまったので、なんでそれを紹介したのか、その理由も含めてここで書いてみたいと思います。

 まず、そのページで選んだのと同じ作品としては、「ハイスコアガール」「妖狐×僕SS」「予告犯」の3つを紹介しました。「ハイスコアガール」は、何よりもかつてゲームセンターに通いつめていた自分にとって完全にツボにはまりすぎるマンガだったので、そのことを熱く語らずにはいられなかった(笑)。これは完全に私的な思い入れでしたね。逆に、「妖狐×僕SS」は、エニックス的な(中性的な)マンガの代表作ということで、それがアニメ化して視聴者に受け入れられた意義を語ってみました。エニックスマンガを紹介するサイトの管理人として、こういうマンガを紹介の意義を紹介する必要があるかと思いました。

 また、「予告犯」については、単に自分が好きな作品というだけでなく、今年ならではのタイムリーな作品として紹介する必要性を感じました。なにしろこのマンガ、主人公がネットカフェのPCを遠隔操作して犯行予告を行うのです(あの事件よりこのマンガの方が早い)。まさに現実の事件の到来を予言したかのようなこのマンガ、今年こそ紹介せずにはいられないでしょう。

 次に、そのページで選ばなかった作品として、「ジョジョの奇妙な冒険」「きんいろモザイク」のふたつを。ジョジョに関しては、今年1年でコミックスが出た最新作の「ジョジョリオン」を紹介すべきだったかもしれませんが(「このマンガがすごい!」はその年1年でコミックスが出た作品が対象)、あえてジョジョシリーズ全体を選ばせてもらいました。何といっても今年はジョジョ25周年で関連イベントが目白押しの1年でしたし、何よりも昨年10月から始まったTVアニメが面白すぎました。これについてはオフ会の参加者もみな同意するところで、このジョジョの話で一番盛り上がりました。「ジョジョは日本の伝統文化」という発言も出たほどで、さすがにこのマンガについてはみなの思い入れが違いましたね。

 「きんいろモザイク」は、この手のランキングで軽視されがちな4コママンガから1本。上のページでは同じ4コマでも「月刊少女野崎くん」を選んでいますが、今回はまず近々のTVアニメ化が決まったということと、4コマファンによる投票企画「4コマオブザイヤー」の2011年新刊部門で1位、2012年も既刊部門で2位にランクインしていて、4コマファンにも認められている作品ということで、こちらを推挙してみました。単にアニメ化されるからではなく、4コマ読者にもしっかりと評価されているという点で、普段4コマを読まない人にもおすすめしたいと思いましたね。

 他の方の選んだ作品は以下の↓レポートからどうぞ。さすがマンガサイト管理人だけあって、みなさん個性的かつ確かな目を持った選出だったと思います。

 漫画好き忘年会で「俺の、このマンガがすごい!2013」トークをしたよ情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明


<2・3>
・ヤングガンガンの「ブラパ THE BLACK PARADE」「夏色キセキ」が終了。
 今週発売のヤングガンガンNo.04において、緑のルーペさんの「ブラパ THE BLACK PARADE」が、最終回を迎えました。元は成年誌で活躍していた作家による一般誌初連載で、連載前の読み切り「ブラックパレード」が好評を得ての連載開始でした。その後、月イチ連載のペースで全19回で終了したようです。

 このマンガ、クライマックスに入ってからかなり痛々しい展開が続いていて、この後どうなるのかかなり不安だったのですが、最後は主人公はヒロインをなんとか立ち直させて、なんとか最後は希望の持てる終わり方で収まってほっとしました。ハッピーエンドだと見てよいと思います。
 ただ、最後はうまくまとめたものの、決して派手で印象的なエンディングではなく、やや物足りなく感じてしまったのも事実。このマンガ、序盤はヒロインのキリノが持ち前の行動力で主人公を引っ張っていく展開が続き、それが心地よい作風となっていました。それが、中盤以降そのヒロインが大きく打ちひしがれ、主人公も大いに迷った末に、なんとか最後にハッピーエンドに漕ぎ着けたものの、やはり最後くらい元の明るいキャラクターの姿を押し出してほしかったと思いました。そのあたりでキャラクターの成長を描いたと言えるのかもしれませんが・・・。

 また、このマンガ、やはり連載版よりその前の読み切り版の方が断然面白かったと思います。こちらは、主人公とヒロインが星空の下で一夜を過ごすエピソードを叙情的に描いていて、とてもきれいな美しい青春物語となっていました。これは、連載版でも共通したコンセプトではあると思いますが、それが1回の読み切りでストレートに凝縮された読み切り版の方が、断然印象的に感じています。連載版でもそうした雰囲気をもっと見たかったと思いました。

 それともうひとつ、こちらはTVアニメの先行コミカライズだった「夏色キセキ」も、同時に最終回を迎えました。こちらの最後は余韻の残る雰囲気が印象的な、いいエンディングだったと思います。ちょっと物足りなさを感じましたが、そのあたりは3月に掲載される後日談に期待したいと思います。
 このマンガ、作画担当のたつひこさんの絵柄がとても感じがよくて、その点でアニメの作画よりずっと気に入っています。また、アニメに先行されて描かれたオリジナルのエピソードが素晴らしく、開放的な下田の街のパノラマをバックに、主人公たちが坂を駆け下りるシーンがとても気に入っています。わたしは、アニメよりもこのコミック版の方が好きですし、いいコミカライズだったと思います。


<1・30>
・スクエニクラスタは存在するのか?
 もうこれは一ヶ月前、冬コミの時のオフ会の時に出た話なのですが、その時マンガ読みの「クラスタ」について話題になりました。「クラスタ」とは、一種のネット用語で、特定の趣味や属性に属する一団のことを指すようです。この場合、「スクエニクラスタ」と言えば、スクエニのマンガが好きでよく読んでいる人たちのことを指します。

 他にも特定のマンガが好きな集団というのは、考えればいくらでも存在すると思いますが、中でも個人的にこれは目立つなと思ったのが、何といっても4コマクラスタですね。4コママンガ好きの人たちは、本当によくまとまって精力的に活動していて、本当に4コマが好きなのだと実感します。中央では4コマ好きの芸人 ・天津向さんによる4コマイベントも定期的に開かれているようで、そんな活動まであるとは実にうらやましいと思いました。4コママンガというと、「このマンガがすごい!」でもほとんど票が入らないほど、一般的なマンガ読みの間では存在が薄いのかな・・・と感じることもあるのですが、反面とても熱心なファン層を抱えていて、彼らに愛されているのは本当に幸せなことだと思いました。

 反面、わたしが属しているであろう「スクエニクラスタ」はどうか。実は、かつてスクエニがエニックスだった時代には、それに近いほど熱心なファンに恵まれていたのです。あの頃(90年代〜2000年代初頭まで)は確かにエニックスファンという層が確実に存在していた。個々の作品、作家ごとにまずクラスタが存在していて、さらにエニックスの雑誌、あるいは出版社全体に対するクラスタも存在していたのです。エニックスの雑誌なら全部買う、コミックスもほとんど買っているという読者が、本当にかなりたくさんいた。そして、まだネット黎明期だったあの時代において、そのエニックスファンが集まるサイトがよく盛り上がっていました。あの頃のネット巡回は毎日本当に楽しく、今考えても最高に幸せな時代だったと思います。

 それに対して、今のスクエニクラスタはどうか。これはもう、その存在自体がほとんどないと言ってもいいでしょう。スクエニのマンガ全体が好きで、スクエニの雑誌を全部買っている、そんな人が存在するはずがない。あの頃と違って、雑誌ごとにカラーがまるで違いますし、例えば青年男性向けのヤングガンガンと女性向けのGファンタジーを同時に買っている人となると、それはもうごく少数でしょう。特定のマンガ、特にアニメ化した作品のファンは数多く存在すると思いますが、スクエニ全体を読んでいる読者となると、本当にいない。今のスクエニ出版は、アニメ化作品も相次いでコミックスの売り上げも好調と、手広く成功していると思いますが、一方で熱心なファンを引き付ける媒体ではなくなってしまったのだと、改めて寂しく思ってしまいました。


<1・27>
 今週後半から急病にかかりまして、どうにも更新記事が書けませんでした。今回は日記のみの更新とします。すみません。

・「パパムパ」新装版発売。
 現在絶賛(?)放送中のアニメ「キューティクル探偵因幡」の効果だと思いますが、原作者・もちさんの新作「パパムパ」の新装版が出たようです。かつて、月刊ステンシルで連載されたもちさんの連載第1作。かつてはステンシルコミックスで全3巻刊行されましたが、今回はGファンタジーコミックスで上下巻(全2巻)での刊行のようです。

 「パパムパ」は、今の「キューティクル探偵因幡」とほぼ同じテイストのギャグマンガで、今とギャグの面白さはまったく変わっていません。そして、何よりかわいい「動物」がたくさん出てくる「動物ギャグ」だったことが最大の特徴でした。動物の性格や特徴をネタにしたギャグがやたら面白く、何度も爆笑させられたものです。また、今の「キューティクル探偵因幡」と比べて、女性向けの要素が薄いようで、こちらの方が幅広い読者に抵抗なく受け入れられるマンガだったと思います。名作だと思っていましたが、掲載誌のステンシルがマイナーだったこともあって、あまり多くの人には知られていなかったようです。それが今になって新装版発売とは本当にありがたい。

 ステンシルは、かつてエニックスが1999年に刊行を始めた少女マンガ誌でしたが、もともとエニックスの雑誌の中では最もマイナーで、その上あの「エニックスお家騒動」で主要作家のほとんどが抜けた後は、一気に部数が落ち込んでしまい、最終的に休刊を余儀なくされてしまいました。
 しかし、そのステンシルでデビューした連載作家の中には、有望な作家も多く、雑誌の休刊後に他誌へと移籍した後、大きく人気を伸ばした作家も珍しくありません。このもちさんもその一人で、こうして約10年後の今になって、ついに連載がアニメ化を達成するまでになりました。かつてのステンシル読者としては非常にうれしい成果ですね。

 出来れば、この「パパムパ」も連載再開してアニメ化なんてしてくれたら最高にうれしいんですが、当面そこまでは難しいかな。少し前にもちさんがガンガン戦(IXA)で連載していた、幕末を舞台にしたギャグマンガもまたやってくれないかなとも思っています。


<1・23>
・藤野もやむさんの新作「蒼きユピテル」連載開始。
 あの藤野もやむさんの新作「蒼きユピテル」が、1月10日からマッグガーデンのウェブコミック「WEBコミックBeat’s」で始まりました。前作「忘却のクレイドル」が終了してから久々の新作の感じがします。エニックスからマッグガーデンに移籍して以来、ブレイドやアヴァルスで幾度か連載を続けてきましたが、今回はウェブ雑誌で、しかもどうも女性向けの要素の強い雑誌のようです。このあたりの扱いはちょっとどうなのかな・・・と思うのですが、やはりブレイドで連載してほしかったというのが正直なところです。月2回の更新が予定されているなど、ウェブ雑誌ならではの理由はあるのかもしれませんが・・・。

 肝心の内容ですが、1話を読んでみたところ、今回もやはり藤野さんらしいとも言えますが、決して明るい物語ではないですね。主人公は、離婚別居中の父親が会社の金を持って失踪したと噂される少女で(真偽は今のところ不明のようですが)、学校でも周囲から陰口を叩かれ、自らも周囲の生徒たちから距離を置いて日々を過ごしている状態となっています。時にかなり残酷とも思えるやり取りも垣間見られますし、一筋縄ではいかない不可解なキャラクターも登場するあたり、いかにもこの作者らしい不安感に満ちた雰囲気の作品となっているようです。

 しかし、それでも、今回の作品はかなり好感を持てました。前作「忘却のクレイドル」では、主人公たちが、理不尽な国家や社会の体制に翻弄されるような設定となっていて、少年同士のいさかいのシーンも頻発するなど、ちょっと個人的にも抵抗の強い作風だったのですが、今回の主人公を取り巻く事情は、今のところあくまで個人的なもの。ごく普通の日本を舞台に(普通の日本という言い方はなんとも微妙ですが)、等身大の中学生の物語となっていて受け入れやすいです。

 さらには、日常にいわゆるファンタジー、というか伝奇かな。そういった要素が入るのも、ひとつの定番ながらよいです。タイトルの「ユピテル」は、ローマ神話の雷神のことですが、それになぞらえるような傷だらけの「神さま」と主人公が遭遇。つらい日常の境遇に壊れそうになる少女が、この世ならぬ存在と出会うことで、日常が大きく変わっていく・・・。このようなファンタジーに日常からの一縷の救いを導き出すという話は、個人的にはかなり好みです。

 あとは、主人公を初めとして女の子がメインキャラクターというのもいいですね。これも、前作では少年たちが主役で、不穏な性格や主義のキャラクターも相次いで登場して、非常に殺伐とした物語にもなっていたので、ここでもちょっと安心した感が。やはり藤野さんのマンガならば、「まいんどりーむ」や「ナイトメア☆チルドレン」のようなかわいい女の子が出てくる方が好きです。キャラクター的には今回はかなり満足度は高いですね。

 月2回の更新ということで、もう第2話が25日には更新されるようです。月2回読めるというのは純粋にうれしい。更新を逃さないよう、注目して追い掛けていきたいと思います。

 【新連載】 蒼きユピテル/藤野もやむマッグガーデン・コミック・オンライン
 蒼きユピテル (aoki_yupiteru) on Twitter 


<1・20>
・FF6かと思ったのですが・・・。
 今回はまたスクエニのゲームの話題です。

 先日スクエニの公式に謎の告知ページが登場し、そこに昔のFF6のキャラクターやモンスターと思われるシルエットが描かれていたことから、「これはもしかしFF6の続編かリメイクか」と本気で期待してしまいました。かつてのスーパーファミコン時代のFF5や6は、相当はまりこんでいただけに、ここに来て新しい動きがあるかと思うと本当に楽しみでした。

 しかし、いざ公開されたサイトは、どうもiPhone向けのアプリゲームの新作だったらしく、残念ながらFF5でも6でもなかったようです。「ファイナルファンタジー オール ザ ブレイベスト」と銘打たれたそのゲームは、大多数のパーティーメンバーで戦闘を行うゲームらしく、中々面白そうにも見えましたが、しかしアプリゲームだけあってあまり本格的なゲーム性はなさそうにも見えて、正直がっかりした感は否めませんでした。

 かつてスーファミでプレイしたFF6(ファイナルファンタジー6)は、前作である5ほどにははまらなかったものの、それでも相当長くやりこんだ記憶があります。5のジョブ・アビリティシステムに比べれば戦闘システム深みでは劣りますが、しかし大ボリュームのストーリーと世界、魅力的な多数のキャラクター、そしてそのキャラクターごとに異なる戦闘スタイルがあって、とことん楽しめるゲームでした。とあるダンジョンを攻略するのに異様に苦労したり、仲間を助けるための選択を選ぶのに骨を折ったり、はたまた分岐するシナリオが楽しかったり、何より音楽がよかったりと、いろいろな思い出があります。マッシュの必殺技コマンドを必死になってマスターしたり、カイエンの必殺剣に中二病全開の名前を苦心して名づけたのもいい思い出です(笑)。

 今回の新作でも、そのかつてのゲームを思い出させる戦闘シーンのグラフィックが見られて、ひどく懐かしさを覚えてしまいました。2頭身のキャラクターとリアルなモンスターが対峙する独特の戦闘シーンは、まさに昔のFFならでは。思わずちょっとやってみたいなと思ってしまいましたが、しかしそれならばもっと本格的な新作や続編を出してほしかったですね。

 FINAL FANTASY ALL THE BRAVEST | SQUARE ENIX

 ↑「しゅくめいの せんしたちは おもいのほか おおぜいいた」というサイトのキャッチコピーはちょっと面白いと思ったり。


<1・16>
・「キューティクル探偵因幡」のアニメ面白い!
 地上波ではこちらの地域では観られないということで、当初は視聴をあきらめていた「キューティクル探偵因幡」のアニメですが、衛星放送のBS11での放送が観られることと、さらにはニコニコ生放送での配信が決まったことで、晴れて1話を視聴してみました。

 で、これが観てみるととても面白い!というかやたら密度が濃いアニメになっている(笑)。原作はとにかく笑えるギャグマンガになっているのですが、アニメでもそれを余すことなく再現しています。まさかこれほどまでに徹底的に作りこんでくるとは思いませんでした。元々キャラクター同士のボケと突っ込みの掛け合いがとにかく楽しいマンガですが、声と動きが付くことでさらに笑える作品になっています。

 そのギャグの面白さを支えているのが、ひとつには声優さんたちの熱演ですね。かつて発売されたドラマCDでも、豪華な声優陣による熱演が最高に面白かったのですが、今回はキャストが一新されているのはちょっと残念です。しかし、その新しいキャストもまた豪華メンバーで、やはり気合の入りまくった演技を行っていて、これにはまた大満足でした。特に、原作より絶大な人気を誇るキャラクター・ヤギのヴァレンティーノを演じる大川透さんが、とりわけ目立つ素晴らしい存在感を示してますね(笑)。ドラマCDの千葉繁さんもよかったので、変更されたのはやはり残念ではあるのですが、大川さんもまた同等に素晴らしいので、こちらのキャストにもまったく文句はありませんでした。

 原作は、女性読者をメインに据えたGファンタジーの連載ということで、元から女性人気の高い作品ではあったのですが、中身は誰でも楽しめるギャグマンガであり、アニメもそのままのテイストで再現しているので、是非とも多くの人に観てもらいたいですね。ニコニコ生放送での1話の感想を見たところ、男性視聴者にもその面白さが受け入れられているようで、原作ファンとしてとてもうれしいことだと思いました。

 唯一、そこでの感想で「30分は長すぎる」という声が目立ちました。濃いギャグが連発で続くアニメなので、確かに30分観るのはかなり疲れるかもしれません(笑)。それだけ密度の高い作りこまれたアニメということで、これからも期待できると思います。

 TVアニメーション キューティクル探偵因幡 公式サイト


<1・13>
・「黒執事」が実写映画化で話題騒然。
 今週のスクエニ関連の話題と言えば、なんといってもこれでした。あの「黒執事」がいきなり実写での映画化のニュース。さすがに人気作品だけあって反響の大きさが違いました。Twitterは一時期この話題でトレンドワードが埋まり、コミックナタリーの記事にもこれまでにないほどリツイートが相次ぎました。

 俳優の水嶋ヒロが3年ぶりに復帰ということで、このことがまず注目の的に。しかし、彼が「黒執事」のセバスチャンをやることに疑問の声が多数見られることになりました。女性に人気の男性俳優で、かつてこれもマンガ原作で実写ドラマ化された「メイちゃんの執事」の執事役でもありましたが、黒執事はいくらなんでも勝手が違うでしょう。
 それ以上に、映画の内容が「原作から130年後の現代が舞台のオリジナルストーリー」ということが大きな反響を呼びました。さすがにこれは原作ファンの反発は厳しかったようで、「それではもしかしてシエルが出ないのではないか」「現代が舞台のオリジナルなら『黒執事』の意味がない」という疑問の声をもっと多数目にしました。

 わたし自身も、これらの書き込みとほとんど同意見で、この「黒執事」の実写化には大いに懐疑的です。そもそも実写化する意味があるのか、アニメでいいじゃないかというのが本音ですし、ましてや現代が舞台のオリジナルストーリーで、セバスチャンのパートナーであるシエルまで出るかどうか分からないのでは、もはや「黒執事」とは言えないとさえ思っています。「黒執事」の原作は、ヴィクトリア朝時代のイギリスが舞台で、その時代の風俗をよく描いていることに好感を持っています。これはテレビアニメもそうで、しっかりした時代考証の出来るスタッフを起用して当時の光景をよく描いていたと思います。しかし、この実写映画化ではそれをまったく期待できない。

 わたしとしては、この「黒執事」には、やはりもう一度のテレビアニメ化、それも原作のノリを忠実に再現したアニメを期待したいです。アニメ2期は、女性向けの耽美的要素が前面に出ていて、原作の持つコメディ・ギャグに満ちた軽快な作風が見られなかったことが、大いに不満でした。もし再アニメ化するなら、是非とも今の原作のエピソードをそのまま再現してほしいところです。今回の実写映画化は、その点でも俳優の人気を前面に出した女性向け要素の強い作品になりそうで、やはり期待しづらいのが正直なところです。

 「黒執事」映画化!セバス役は水嶋ヒロ&舞台は約130年後コミックナタリー


<1・9>
・雑誌掲載時の煽り文をコミックスにも掲載してほしい。
 先日購入した「ゴッホちゃん」のコミックスをようやく読んでみたのですが、ヤングガンガン掲載時に編集者によって書かれるコピー、通称「煽り文」がなくなっているのを見て、やはりがっかりしてしまいました。他のほとんどのコミックスでも、この煽り文はなくなってしまうので、事前に予想してはいたのですが、しかしこの「ゴッホちゃん」だけは、是非とも煽り文を雑誌そのままに掲載してほしかった。

 なぜなら、この「ゴッホちゃん」の煽り文、巧みなテキストで時に情感溢れるものまで見られ、作品の魅力を存分に増している秀逸なものであるからです。特に、このマンガでは、各話の最後に名画が必ず登場して締めるのが定番なのですが、その名画が生まれる背景を解説したかのような煽り文が、毎回のように本当に優れていました。例えば、たくさんのじゃがいもを描いた名画「籠一杯のじゃがいも」では、「老夫婦の愛情で育まれた大地の恵み。その『美』は時に、宝石に勝る」などと書いてあり、名画の魅力を存分に表現しています。また、あの有名な「夜のカフェテラス」では、ゴッホがカフェの店員からコーヒーのサービスを受けるシーンがあるのですが、そこで「人々の温もりが、名画を生む原動力」という一文が添えられていて、これには本当に感動してしまいました。

 と、雑誌掲載時には、こんな素晴らしいテキストが加えられていて、これがマンガの読後感をぐっと深いものにしていました。しかし、それがコミックスでは完全になくなっていて、これでもマンガ自体がよく出来ているがゆえに面白いことは面白いものの、しかしその印象がぐっと薄くなってしまったように思われました。これはさすがに残念すぎましたね。

 他のマンガでも、こうした優れた煽り文が付いている作品はいくつもありますが、中にはごくまれにコミックスに収録されている作品があります。ヤングガンガンの連載では、あの「天体戦士サンレッド」がそれに該当しています。このマンガのギャグに対する秀逸な突っ込みに満ちた煽り文、これをコミックスで収録していることで、雑誌掲載時同様に爆笑できるものとなっています。これは、ヤングガンガン編集部の英断だと思いますし、それと同じことを、是非ともギャグ4コマであるこの「ゴッホちゃん」でもやってほしかった。マンガというものが、マンガ家と編集者の共同作業で作られているとするならば、こうした煽り文もまた立派な作品の一部だと思うのです。


<1・6>
・オーバーラップ文庫の創刊について。
 先日の冬コミにおいて、「オーバーラップ文庫」という新レーベルの創刊が告知されたようです。このレーベルを立ち上げたオーバーラップという会社は、もうずっと前の昨年1月か2月に設立されたようですが、それから既に活動を続けていて、ここに来てついにライトノベルの新レーベルの創刊となったようです。

 そして、このオーバーラップ、どうもメディアファクトリー(MF)のスタッフたちが新しく立ちあげた会社のようで、彼らは先日の角川グループによるMFの買収に反発して、MFを抜けたという話も耳にしました。文庫の設立に際して打ち出された作品の中には、かつてのMF文庫の人気作品「インフィニット・ストラトス(IS)」の弓弦イズルの名前も挙がっていて、さらには7巻で止まっていたそのISの8巻の発売も告知され、さらには既巻1〜7巻もイラストレーターを変えた新装版の発売が告知されるなど、その事実を裏付けているようです。これを聞いて、思わずかつての「エニックスお家騒動」を思い出してしまったのも、無理もないところでしょう。

 さらに、現在発表されている執筆陣は、アサウラ・天草白・木緒なち・熊谷純・サイトウケンジ・志倉千代丸・十文字青・SOW・橘ぱん・玉城琴也・土屋つかさ・遠野渚・姫ノ木あく・箕崎准・深山ユーキ・むらさきゆきや・森田季節・山川進・山本寛・弓弦イズルといったところのようです。ぱっと見たところ、ライトノベルの作家で有名なのはアサウラ(「ベン・トー」)くらいで、普段はライトノベルを書かない他業種の作家、美少女ゲーム(エロゲー)のライターなどの名前が目立ちます。志倉千代丸や山本寛の名前が挙がっているのはちょっとした驚きでしょう。個人的には、「シュタインズ・ゲート」他5pb.のゲームを数多く手がけてきた志倉千代丸が、どんな小説を書くのかちょっと気になります。

 また、この執筆陣を見る限り、現時点でMFから移籍した作家は前述の弓弦イズル程度で、それ以外のMF作家はほとんどそちらに残留しているようです。エニックスお家騒動の時には、編集者だけでなく主要マンガ家の多くが抜けてしまい、それが大騒動に発展して、多くの読者の抵抗・反発を招いたわけですが、今回のオーバーラップの動きには、それほどの抵抗は感じませんね。それよりも、多方面から集めてきたこの執筆陣で、一体どこまでやれるのか純粋に興味があります。最近になっていくつも新創刊されている新興出版社のレーベルに比べれば、ずっと執筆陣の層は厚いと思いますし、ちょっと期待して推移を見守ろうと思います。

 オーバーラップ文庫
 【コラム・ネタ・お知らせ】 オーバーラップ文庫2013年4月25日創刊!アキバBlog


<1・2>
・あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いいたします。
 旧年中はなんとか週一回の更新をこなす状態で、それすらも遅れがち、他の作業も滞りがちで雑誌の消化も遅れ、コミックスに至っては大量の積み本を抱えてしまっているという状態でした。さすがにこれはまずい。ということでこれからは早め早めの更新作業と、しばらくは積み本の消化に追われることになりそうです。

 年末のコミケの報告を少し。今回は初めて3日目の評論・情報ジャンルで参加してみました。ずっと以前ここで委託して本を出したことがありますが、自分のサークルでは初めてですね。普段あまり売れないサークルなので、今回搬入数を大きく絞ってみたのですが、そのために新刊が午後過ぎになくなってしまい、お知り合いに渡す分までなくなってしまいました。普通なら完売は喜ぶべきところかもしれませんが、わたしの場合単に持ってきた数が少なすぎただけなので、全然喜ぶことは出来ませんでした・・・。これはちょっとというかかなりの後悔ですね。次回夏コミでは、(もし受かれば)もう少し数を持っていきたいと思います。

 わたしの本は、テキスト中心の本なので、マンガ本が中心のFCガンガンよりも、この評論・情報の方がまだ手にとってもらえる率は高いのかもしれませんね。今回も、もう発行から随分と経っているのに、既刊の方を手に取って買っていただけることが多くて、とてもありがたかったです。次回は2日目に評論・情報が来るみたいで、参加しやすいこの日にまた申し込みたいですね。

 さて、今年のスクエニですが、アニメになったり注目を集めたりする話題作はかなり多いのですが、そうした単体の作品の人気は確保できても、雑誌全体・スクエニ全体が好きだという人が、これまで以上に下がっていることが気になります。これはもう最近はずっとこの傾向ですが、かつてのお家騒動以前のように、スクエニ(あの当時はエニックス)の雑誌やマンガはぜんぶ好きというようなクラスタは、今ではほとんどいなくなってしまったと見ていいと思います。かくいうわたしも、次のアニメはきんいろモザイクが楽しみすぎるとか今はジョジョのアニメが面白すぎるとかジャンプ新連載の暗殺教室が面白いとか、はっきりいってスクエニとは全然関係ない作品の方にはまってしまっている(笑)。このことは、コミケの時の飲み会でも散々話題になったのですが、今年はそういったことについてもいろいろ書いていきたいですね。

 (追記)
 今回頒布した新刊(アニメレビュー)で、割と大きな誤記がひとつありました。「ソウルイーター」の項目で「クロノ」と書いてしまっていますが、これはもちろん「クロナ」です。買ってくださった皆さんにはほんと申し訳ない。よければ自分の手で棒を一本加えて修正しておいてください。


過去の日記(2012年9月〜12月)
未来の日記(2013年5月〜8月)
トップにもどります