<プラネットガーディアン>

2001・11・9

 これは面白いです。ギャグコメディの面白さをほぼ満たしていて、本当に笑えます。

 わたしは、このようなギャグコメディは「テンポ」が命だと思っています。ストーリーラインを崩さずに、いかにテンポよくギャグを次々と畳み掛けていくか、いかに読者を飽きさせずに笑わせていくかが勝負だと思うのです。このマンガはまずその点が非常によくできている。1ページに最低でもひとつはギャグがあるようなペースで、実にテンポよく笑いながらページをめくっていくことができる。ギャグコメディの基本がよくできているということでしょうか。とにかく読んでいて楽しいです。

 設定自体は「魔女っ子もののパロディ」です。パロディということで目新しさはありませんが、その代わり魔女っ子のお約束をうまく捉えていて、実に笑えます。ストーリー自体はほぼ一話完結形式で、宇宙からやってくる犯罪者を毎回牢獄に追い返すのが主人公の魔女の役目です。一応勧善懲悪もの(?)ですが、基本はギャグなので戦い方とかはわりといいかげん(笑)。主人公が魔女稼業をやりたくないのに無理やりやらされるという、このあたりの情けなさがいい感じです。

 キャラクター的には主人公の情けない魔女もいいんですが、それ以上にいかれたお兄ちゃんのキャラクターが最高です(笑)。乗り気でない妹に無理矢理魔女っ子をやらせようというその陰険ぶりが素晴らしい。乗り気でない人を無理矢理その道に引きずり込もうというその熱狂ぶりはどっかの同人者を彷彿とさせますねえ。「マイシスター!」とか言ってそう。

 絵的にはかなりクセが強く、人によって好みが割れそうな感じです。このあたり、わりと素直なクセの少ない絵柄が多いエニックス作家の中では珍しいタイプといえるでしょう。ただ、読みにくくはありませんのでマイナス評価にはなりません。
 絵柄的にエニックス的・中性的な絵柄であるというのもいいところ。最近このような絵が少なくなってきたんで、個人的には嬉しい限り。やはりいろんなイメージのマンガが読めてこその雑誌だと思うのです。その意味で雑誌の多様性に貢献しているこのマンガを、同じく雑誌の多様性に貢献している「妖幻の血」と同じくらい評価しているのです。


 もちろん内容面でも多様性に貢献しています。最近ストレートな展開の少年マンガが増えすぎてあんまり面白くないんですよ。その点、いままでのガンガンにはあまり見られなかった「ギャグコメディ」というジャンルを打ち出したことは誌面の活性化の意味で大きい。「妖幻の血」同様今のガンガンのスタイルでは異色の存在なので反発も予想されますが、とりあえずマイペースで頑張ってほしいと思います。


2003・10・13
  <連載終了にあたって>
 なんの予告も無く突然終了し、残念でならない。ガンガンでもかなりの個性派で、マンガに対するアンチテーゼに満ちたマンガとして貴重な存在だったのだが。ただ、最近は以前ほどの勢いが無くなってきた感があったし、この辺りであっさり打ち切った方が良かったのかも知れないが・・・。
 まあ、とりあえず作者の次回登場を切に願いたい。


「少年ガンガンの作品」にもどります
トップにもどります