<ドラゴンクエスト 天空物語>

2001・11・19
改訂2003・7・3

 ドラゴンクエスト5の世界を舞台にしたゲームのサブストーリー。もとはギャグ王の連載で、ギャグ王からステンシルに移転してきたという経緯を持ちます。ギャグ王の休刊、ステンシルの一時休刊と不運に翻弄され、ようやくステンシルが安定して一安心、といった感じだったのですが、ここにきてさらにGファンタジーに移転。なんとも数奇な運命をたどってきた連載です(笑)。ギャグ王掲載時から考えると相当な長期連載といえます。

 ドラゴンクエスト5の主人公の子供である、双子の王子と王女がこのマンガの主役です。ふたりが行方不明の両親をさがして世界中を旅するというストーリー。基本はゲームの設定を踏襲しながら、オリジナルのキャラクターやエピソードがふんだんに取り入れられ、ゲームをプレイした人でも文句なく楽しめるサブストーリーになっています。

 もともとがギャグ王の連載ということもあって当初はギャグ色がやや強い作品でしたが、それ以上にストーリーがいいです。一見して子供向きに見えて、大人の鑑賞にも耐えうる深いエピソードが多い。特にステンシルに移行してからその傾向が顕著になりました。もちろんギャグやユーモアのシーンも文句なく面白く、ギャグとシリアスのバランスのいい作品になっています。
 また、基本がオリジナルのエピソード中心でありながら、要所要所で原作でおなじみのキャラクターが登場する展開もいいです。これは原作ファンにとっては嬉しい限り。

 そしてなんといっても優しい雰囲気の絵がいいです。幸宮チノさんの絵はとてもかわいらしく、かつ優しい。ドラクエ5のストーリーは全シリーズの中でも最も雰囲気が優しいんですが、それを余すことなく再現しています。原作のデザインとは随分違うんですが、これはこれでドラクエの雰囲気が出ているところがよい。


 というわけで、このマンガはドラクエを原作とする、いわゆる「ドラクエマンガ」の中でもオリジナルのエピソードと作者独特の優しい絵柄が特徴的な、非常にいい感じの作品です。原作ファンのみならず、ドラクエ5を知らなくとも十分楽しめます。掲載誌でいろいろと不運な目に遭ってきた連載ですが、こんどこそGファンタジーで腰を据えて連載を続けてほしいと思います。


2005・3・20

<連載終了に当たって>
 掲載誌の度重なる移転にも関わらず、最後までクオリティを保ち続けた素晴らしい連載だった。エンディングまですべて満足いくもので、エニックスのゲームコミックの中でも非常に優秀な作品だったと思う。


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