<意味不明4文字タイトルは萌えの証か?>

2004・3・27

 まほらば・まぶらほ・ラブひな・ぱにぽに・よつばと!・みれみら・すぱすぱ・ふらせら・トリコロ・・・。小学生の言葉遊びではない。これらはすべてマンガのタイトルである。しかも、これらのマンガには、ある「共通した特徴」がある。そう、これらのマンガは例外なく萌えマンガなのだ。少なくとも、ここに挙げたマンガは、ただひとつの例外もなくすべてが萌えである(笑)。
 今回は、これらの「ひらがな・カタカナで書かれた意味不明な4文字タイトル」の萌えマンガに注目し、その中でも特に注目すべきタイトルをいくつか取り上げてみた。まずはこれらのマンガをひとつひとつ検証することで、今のマンガ界に氾濫する4文字タイトルの謎に取り組んでいきたい。




<まぶらほ>
 のっけから全く意味不明なタイトルである。作品中でもその意味が語られることは全く無い(笑)。
 「意味不明な4文字タイトル=萌えマンガ」の法則通り、このマンガは典型的な萌えマンガである。いや、これは原作がライトノベルだから、厳密には萌えライトノベルである。情けない主人公の元に女の子が押し寄せてくると言う典型的な萌え系ラブコメ。まさに「意味不明4文字タイトル」の定番といえるだろう。



<まほらば>
 このマンガについてはこちらですでに語っているのでご参照いただきたい(このサイトはエニックス関連のコミックを扱っており、このマンガについても何度となく扱ったのでここでは繰り返して紹介はしません)。
 全く意味不明な4文字タイトルが多い中で、このタイトルには例外的にきっちりとした意味がある。ただ、その意味を知っている人よりも、全く知らないで買っている人が多いのではないだろうか。その点ではやはり意味不明系タイトルに相当すると思う。
 内容的にはここに挙げたマンガの中で最も面白い部類に入ると思う。萌えだけでなく、ストーリー、作者独特の小ネタの数々が面白い。



<ラブひな>
 このマンガに関しては細かい説明は不要だろう。萌えマンガの王道として知名度は非常に高い。「男ひとりに大量の女の子」という典型的なハーレムマンガで、のちの萌えマンガに多大な影響を与えたものと思われる(笑)。
 なお、このように4文字の中に「ラブ」が入るマンガはかなり多い。「ラブやん」「ラブロマ」「ラブわん!」など、マンガタイトルのひとつの定番かもしれない。



<よつばと!>
 「あずまんが大王」のあずまきよひこの最新作。「あずまんが」がもともとなにげない日常生活のまったり感が心地よい4コママンガだったが、この作品もその流れを受け継いでいる。というか、「あずまんが」を4コマでない普通のマンガにして、不条理系の要素をなくしたのが「よつばと!」だといってもいいだろう。
 日常のなにげない風景・出来事をうまく描いていて、じつに心地よいマンガである。マニアックな要素は薄く、一般の読者でもとっつきやすい。ここに挙げたマンガの中では最も一般層にアピールできる内容であろう。前作「あずまんが」がマニアを超えて一般層に読者が広がったように、このマンガも幅広い読者の評価を得ていると思われる。



<ぱにぽに>
 このマンガに関してもこちらを参照していただきたい。
 一言で言えば、上で触れた「あずまんが大王」をめちゃくちゃにしたようなマンガです(笑)。タイトルは確信犯的な意味不明4文字。作品中でその意味が語られることは絶対にない。



<ふらせら>
 このマンガは、実は原作はPS2のゲームである。いわゆるひとつのギャルゲーだといってよいだろう。
 実は、ギャルゲー(もしくはエロゲー)において、この手の「意味不明4文字タイトル」は非常に多い。例を挙げればゆめりあ・てんたま・マブラヴ・たまゆら・ぽぽたん・モエかん・・・などなど。正式なタイトルではないがはにはになんてのもある。ほかにも探せばもっとあるはずである。ギャルゲー(エロゲー)といえば「萌え」。やはり「意味不明4文字タイトル=萌え」という定義は確かに存在するのか?



<トリコロ>
 少年誌だけでなく、青年誌にも「萌えマンガ」というものはあるらしい。その中でも「トリコロ」は強烈な萌え度を持つマンガだ。
 しかし、このマンガは素晴らしい。これはとんでもなく萌えます(笑)。めちゃくちゃクセの強い絵なんだけど、それでも萌えるんだから仕方がない。
 内容的には「あずまんが大王」の正統後継機種4コマ。ほのぼのした日常を描写する癒し系4コママンガである。現在、あずまんがにはまった美少女マニアを中心にじわじわと人気を獲得している模様。




 上記のように、いまや「意味不明系タイトル萌えマンガ」はマンガ界の一大勢力といってもよい。それにしても、なぜこのような「意味不明な4文字タイトル」に萌えマンガが集中しているのだろうか?

 まず考えられる理由として、「過去の萌えマンガの人気作品に4文字のタイトルがあり、それに影響された」という点が挙げられる。具体的には「ラブひな」の影響はやはり大きい。「ラブひな」ほどではないが「まほらば」「まぶらほ」なども人気作品である。これらの人気作のタイトルに便乗して「萌えマンガのタイトルに意味不明4文字を採用しよう」と考える者がいてもおかしくはない。

 もうひとつの理由として、「このような意味不明系4文字タイトルが、萌えマンガのイメージに合っている」という点が考えられる。これらの萌えマンガは、どれもまったりとした雰囲気で萌えさせる傾向が強い。つまり、この萌えマンガの「まったり感」を再現するのにふさわしいタイトルが、これらひらがな・カタカナで書かれた意味不明4文字なのではあるまいか? 考えてみてほしい。もしこのタイトルが同じ4文字でも「傲岸不遜」「盛者必衰」「弱肉強食」「焼肉定食」とかだったら君は萌えるか? 萌えないだろう。やわらかいイメージのひらがな・カタカナだからこそ、そこに萌えを感じるのだ。そう考えれば、これらの「意味不明4文字タイトル」はただ単にノリで適当につけたタイトルではなく、作品に含まれる萌え要素をさりげなくアピールする商業的・戦略的タイトルなのではあるまいか? しかも、これらのタイトルから「萌え」をイメージできるのは、こういったマンガを読みなれたマニア層のみ。つまり、このようなタイトルは美少女マニア層のみをピンポイントで狙った商業的アピールである可能性が高い。

 一見して電波としか思えない意味不明系4文字タイトル・・・しかし、それには表面的にはわからない深い戦略的意図が隠されていると思われるのだ。やはり美少女マニアの世界は奥が深い(笑)。


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