<「Ever17」を契機にクロスレビューの問題について考えるPart2>

2002・10・4

 *このページは「Ever17を契機にクロスレビューの問題について考えるの続編記事です。

 上記のページにおいて、「Ever17」関連のクロスレビューについてさんざん文句を言ってきましたが、今回「ある雑誌」においてさらに見過ごせない発言があったので追加報告いたします。
 ある雑誌とは、ほかならぬ「ドリマガ」でして・・・この雑誌には読者投票によるソフトランキングを行う「読者レース」というページがあります。そしてその中に、編集部が注目する1ソフトを紹介する「名誉名馬を狙え」というコーナーがあるのです。

 ほいでもって、そのコーナーでめでたく「Ever17」が紹介されました。そしてそこに以前「Ever17」のクロスレビューで7点をつけたレビュアーのコメントが掲載されているんですが、このコメントの内容が大問題(笑)。基本的に「Ever17」を褒め称えるコメントなんですが、レビューで7点をつけて褒め称えるのもまずいと思ったのか、そのことを言い訳するような部分が存在するのです。しかもそれがまともな言い訳になっていないばかりか、ほとんど暴言ともとれるような不可解なコメントでした。これはさすがに見過ごせないと思いまして、こうしてページを立ち上げた次第です。

 さて、ではその「言い訳」とは具体的にどんな内容だったのか。彼はレビューで7点をつけた理由として次の3点を挙げています。

1.所詮はテキストアドベンチャー。ゲーム性の低いそのスタイルをよしとしない。
2.バストアップキャラクターのクオリティに不満。少年の声(声優や演技の問題ではない)も気にいらない。
3.上記の1.2.の理由からこの手のゲームをやらない人にはすすめられない。すべての読者に向けたレビューとはそういうものだ。

 ああ、なんということでしょう。わたしが前の記事で言ったことがすべて裏付けされてしまいました。しかもレビュアー自身の手で。ひとつひとつ具体的に検証すると・・・。

1.所詮はテキストアドベンチャー。ゲーム性の低いそのスタイルをよしとしない。
 「所詮は」という表現だけでこの手のゲームのファンはまずカチンとくると思うんですが(笑)、問題はそのあと。わたしは前の記事で「レビュアーがこの手のノベルゲームの本質を理解していない。」と描きましたが、まさにそれを証明する発言といえるでしょう。たしかにこの手のノベルゲームにはゲーム性というものが非常に乏しいです。しかし一方で、ゲームにストーリーを求める人にとっては望ましいジャンルのひとつであり、実際に一定のプレイヤー層を獲得しているジャンルであることは疑いようもないでしょう。
 そういったプレイヤー層を無視して、いまさらこのような発言をするなど暴言の極み。だいたい「よしとしない」とか言われても困る。そんな個人的な発言をされてもねえ。

2.バストアップキャラクターのクオリティに不満。少年の声(声優や演技の問題ではない)も気にいらない。
 これもまた対応に困る言い訳ですね。わたしは前の記事で「レビュアーが自分の感性だけで評価している」と書きましたが、まさにその通り。こんな瑣末なことで自分の感性だけで評価を決められても困ります! まあそれでもバストアップキャラクター(立ち絵)のクオリティに関してはある程度客観的な情報なのでまだ納得できる(?)が、「少年の声」うんぬんに関してはもうどうしょうもない。そんなこと知るかっつーの。だいたいそれって評価を下げる一因にはならないのでは?(*注)

(*注)
 「少年の声」に関してですけど、確かに人をいらつかせる部分があるんですが、これは人物設定上当然のことだといえます。少年は記憶喪失であり、自分の意志が非常に弱っている状態です。このような意志薄弱な人物は、本当にこのように人をいらだたせる話し方をします(現実に経験済み)。自分の意志というものが存在しないもんだから、必死に周りに合わせようとするんだけど、そのことがかえって勘にさわるというか・・・実際にそんなところがあります。このような人物性を的確に表現しているという意味で、むしろ評価に値するポイントだと思うんですが、どうでしょうか?

3.上記の理由からこの手のゲームをやらない人にはすすめられない。すべての読者に向けたレビューとはそういうものだ。
 これが極めつけの大暴言(笑)。レビュアーみずから、クロスレビューが出来レースであることを認めているようなものです。
 わたしは前の記事で「扱うゲームによってある程度点数の傾向が決まっていて、内容がどうあれ点数を動かすことができない」と書きましたが、まさにその通り。つまり、この手の一般性のないゲームは、どんなに完成度が高くても、高い点数はつけられないといっているのです・・・。

・「すべての読者に向けたレビュー」ってなんだ?
 大体ゲームのレビューに一般性を求める時点でおかしい。どんな基準で「すべての読者に向けたゲーム」を決めることができるのか・・・まったくもってわけわかりません。そんなこといったらかなり多くのゲームが「一般性」から外れることが予想されますね。例えば「斑鳩」なんかどうでしょう? このゲームはDC版発売に際して「DC最後の遺産」とかいってかなり話題になり、実際に非常に完成度の高いゲームであることは確かですが、しかしオリジナルのアーケード版に関しては必ずしも一般受けしたとはいえません。むしろひどく人を選ぶゲームだといっていい。もともと非常に難度の高いシューティングで、多くの人がゲームの面白さを理解する前にやめていきました。また、熟練したシューターの間でも、あまりにパターン性の強いゲーム展開は好き嫌いがわかれ、やらない人は決してやらないという状況でした。こういったゲームでもやはり「一般受けしない」といって高い点数はつかないんですかねえ?

 いや、それ以前の問題としてですね、この手のゲームが一般受けしないというんなら、なんで同じドリマガのレビューで「君が望む永遠」に9点とか10点とかついてるんですか? あるいは姉妹誌のザプレ2において「久遠の絆」とか「Kanon」とかに8点とか9点とかついたのは何故ですか? 「すべての読者に向けたレビュー」という発言と矛盾しているじゃないですか。それともレビュアーによって考え方が違うとか? それはそれで問題ですねえ。ちゃんとレビューの基準を統一してもらわないとねえ!


・ドリマガレビュアーにレッドカード進呈。
 わたしは、今のクロスレビューのあり方には確かに問題があると思いますが、個々のレビュアーについては精一杯の仕事をしていると思っていました。そもそもプレイ時間に制約があり、一度に多くのゲームをこなさなければならない状況において、完璧なレビューをすることは難しく、その点では大いに同情の余地があります。

 しかし、このようにレビュアー自らが出来レースであることを認めるような発言をして、実際にそのような基準でレビューをしているというのは大問題です。大体これ作った開発者が納得いかないでしょう。「完成度は非常に高い」のに何故「7点」なのか? どんなにいいゲームを作っても7点しかつかないというのなら、わたしが開発者なら作る気をなくしますねえ。あるいはレビュアーを殴っているかも(笑)。しかもそれで同系のゲームにはどういうわけか9点とか10点とかついてるわけでしょ(もともと評価の高い移植作だから?)。どう考えても納得いかないよねえ。

 しかしね、こうなるとこの手のノベルゲームを作っているメーカーというのはかわいそうな存在ですな。いくらオリジナル作品に力をいれて作ったとしてもですね、絶対に高い点数はつかない。ほいでもってあらかじめ一定の評価を得た移植作には自動的に高い点数が付くと。・・・もともとわたしはキッドの制作姿勢を評価していて、わりとひいきにしていた会社なんですが、今回のことでますますキッドを応援したくなりましたよ(笑)。

 というわけでですね、このような誰の目から見ても納得いきそうもないレビュー方針を公言するドリマガのレビュアー陣にはレッドカードを進呈いたします! いままではドリマガのレビューには他のゲーム雑誌よりも信頼を置いていたんですが、今後一切信用いたしません。すみやかに退場しなさい!・・・しかしねえ、かえすがえすもレビュアー自身が出来レースであることを公言するとは思わなかったですね(笑)。


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