<現代RPG批判(7)セーブシステム>

2003・5・21

 このサイトの目玉(笑)である「現代RPG批判」シリーズ、久々の更新です。今回は誰でも分かるようなあからさまな問題「セーブシステム」です。


 はっきり言いましょう。なぜ日本のRPGは「常時セーブ」を採用しないのでしょうか。和製RPGで常時セーブを採用しているゲームは極めて少数派です。なぜこのような当たり前の機能が採用されないのか。非常に謎です。

 そしてこのように常時セーブを採用しないがために、日本のRPGのプレイヤーは多大な不利益をこうむっています。まず第一に考えられる不利益としてプレイ環境の問題が挙げられます。
 具体的には、ゲームをやめたい時にゲームをやめることができないのが大変な問題です。基本的にセーブポイント以外でセーブが出来ないため、セーブポイントを見つけないことにはプレイを中断できません。
 つまり2つのセーブポイントの間は連続してプレイすることを要求されるわけで、これはまとまったプレイ時間が取れない(忙しい)プレイヤーにはほとんど致命的な問題です。「30分だけ時間が空いたからプレイしよう」と思っても実際にはそのようなプレイができません。ひとつの娯楽商品としてはおよそ考えられないほど不親切な仕様といえます。

 まあ、これはRPGというジャンルに限りませんね。なぜ日本のゲームはここまで執拗に常時セーブを拒むのでしょうか。30分で終わるような短いゲームならセーブの必要はないでしょうが、ある程度連続したプレイ時間を要求するゲームならば、ジャンルを問わず常時セーブの採用は必須といえます(個人的には連続プレイ時間が「1時間」を越えるゲームならジャンルを問わず常時セーブを採用するべきだと思います)。


 それにしても、なぜここまで常時セーブを嫌い「セーブポイント」というシステムにこだわるのでしょうか。一昔前なら、技術的な問題で常時セーブが実現できない時代が長くありました。しかし、それはもはや過去の話。高性能化が極まった感のある今のゲーム機において、技術的に常時セーブができないということは絶対に考えられません。
 ということは、日本のRPGで常時セーブが採用されないのは決して技術的な問題ではなく、何かほかに採用したくない理由があるからだと思われます。つまり常時セーブを採用してしまうと、何かゲームデザインの上で困ることがあるとデザイナーが考えているのです。

 では一体何が困るというのか。それは「いつでもセーブが出来てしまうと、重要な地点の手前で自由にセーブして、何度でも先の展開を確認する安全なプレイが出来てしまう。これではゲームにならない。」ということだと思います。
 実は、これがひどく間違った考え方なのです。コンピュータゲームのゲーム性を完全に誤解しています。いいですか、自由な場所でセーブして何度でも確認プレイが出来たからといって、それはゲーム性の上でなんら問題にはなりません。むしろ、それこそがコンピュータゲームの基本的なプレイ方針です。自由にセーブとロードを繰り返しつつ、少しずつ先のパターンを作り出して攻略していく。これは一人プレイを基本とするコンピュータゲームでは当たり前のプレイ方針です。

 およそどんなゲームでも「覚える」という要素があります。RPGならば敵の行動パターンを覚えて対処法を確立したり、あるいはダンジョンの構造をすこしずつ覚えてマップを作って先に進んだりというゲーム性があります。
 そして、ここでセーブポイントが限られるとなると、このような基本的なゲームプレイに大変な支障が生じるのです。まず、セーブポイントから離れれば離れるほどプレイヤーにかかるリスクが大きくなります。もし失敗してゲームオーバーになったら、遥か遠くのセーブポイントからやり直さなければならない。プレイヤーに不要なストレスがかかるのです。さらに、実際に失敗した場合、もう一度セーブポイントから同じプレイを繰り返すことを強要される。これは相当な苦痛です。なんで同じことをもう一回やらんといかんのか!

 つまり、常時セーブを採用せずにセーブポイントを制限したばかりに、プレイヤーに対して不要なリスクとストレス、繰り返しプレイの苦痛が強要されているのです。常時セーブを採用しないばかりに、ゲーム環境だけでなくゲーム性の上でも不利益が生じているのです。


 このように、RPGで常時セーブを採用しないことは極めて明確な問題です。しかもこの場合、デザイナーがコンピュータゲームのゲーム性を誤解しているというのが痛いですね(笑)。是非とも考え方を改めて、すべてのRPGにおいて常時セーブを実現していただきたいものであります。


 では最後に恒例のまとめです。




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