<エイリアンVSプレデター>

2005・5・14

 カプコンのファイナルファイト(FF)タイプアクションの傑作です。リリースは94年。最近になってハリウッドで同名の映画が作られましたが、それとは一切関係ありません。ただ、この「エイリアンVSプレデター」という設定は、映画マニアの間では昔からあったらしく、このゲーム以外にもいろいろな作品が出ているようです。

 カプコンのFFタイプアクションでは、92年に出た天地を喰らうIIが最大の人気を博しており、このゲームの存在感があまりに強すぎて、以後これを超えるゲームがしばらく出ない状態でした。しかも、他社からも、同系のゲームで二番煎じとも言える作品が多くリリースされ、ジャンル全体の質が低下しており、言わば「マンネリ化」が叫ばれている状態にもなっていました。そして、この状況を打ち破るべく、本家カプコンが満を持してリリースしたのが、この「エイリアンVSプレデター」です。そして、そんなカプコンの努力の甲斐あって、この作品は、見事に斬新なゲーム性を打ち立てることに成功していたのです。わたしも、「さすが本家カプコンのゲームは一味違う」と当時は大いに感心したものです。そして、実際にマニアの間でもこのゲームは高い評価を受け、カプコンのFFタイプアクションの中でも一線級の傑作として語り継がれています。


・ゲームの基本設定。
 さて「エイリアンVSプレデター」のゲーム化ということで、どのような設定なのか気になるところですが、それについて少し説明します。
 プレイヤーが操るキャラクターは、プレデターおよび人間(の軍人)です。舞台はアメリカ西海岸の大都市。軍によるエイリアンを使った兵器実験が漏洩し、街にエイリアンが溢れかえります。地獄絵図と化した街で、プレデターと人間が協力してエイリアンと闘い、そしてエイリアンを兵器として使おうと企む軍の陰謀を阻止していくというストーリーです(どうでもいいですが、この設定はなんとなくバイオハザードに似てます)。
 このゲームでは、「街を覆い尽くす大量のエイリアンの群れと闘う」という設定が最大のポイントです。


・新機軸のアクションと、厳密な個性が設定されたキャラクター。
 まず、このゲームは、基本となるアクション自体に新要素を盛り込むことで、従来の作品との差別化を図っています。既存のFFタイプアクションでは、基本となるのは接近戦での「殴り攻撃」です。しかし、この「エイリアンVSプレデター」では、接近攻撃に加えて、離れた場所からの攻撃である銃攻撃が加わっています。既存の作品でも、限定的に飛び道具が使えることもありましたが、このゲームでは、メインとなる攻撃で常に銃が使えるということで、銃と接近攻撃とのコンビネーションが非常に重要な要素となり、「銃と接近攻撃の使い分け」という新たなゲーム性の確立に成功しています。

 そして、このゲームでは、プレイヤーが選べるキャラクターに大幅な個性が設定されており、選択キャラクターによって大幅にプレイ方針が異なるのがポイントです。
 選択できるキャラクターは4人。プレデターの一族である「ウォリアー」と「ハンター」。人間の軍人である「リン・クロサワ」と「ダッチ・シェーファー」です。
 プレデターの二人は、どちらも接近攻撃が強いのが特徴です。とにかく接近して連続技を入れまくるのが有効です。ジャンプからの強襲攻撃(体当たりアタック)も強い。逆に銃攻撃は弱く、ダメージが小さく連発も出来ないため、足止めにしか使えません。
 リン・クロサワは、逆に銃が強い存在です。銃の連射が効き、攻撃力が強いので、これをメインに闘うことになります。さらには、溜め系の飛び道具も所持しているため、とにかく離れた状態での戦闘がメインとなります。接近攻撃も連続技自体は強いのですが、リーチが極端に短いために、これをメインに闘うことはできません。
 ダッチ・シェーファーは、一応はパワーキャラクターで接近攻撃が強いという設定なのですが、リーチが短めで使いにくく、さらには銃攻撃も中途半端で弱いとあって、総合的にはかなり使いにくい、上級者向けのキャラクターとなっています。

 このように、個々のキャラクターごとに大幅に基本性能が異なり、全く違った戦法が要求されることが、このゲームの最大の特徴であり、従来の同系ゲームとは一味違う戦略性を生み出しています。


・大量のエイリアンにいかに立ち向かうか。
 そして、このゲームの最大のフィーチャーと言えるのが、「一度に大量のエイリアンが現れる」ことです。とにかく画面を覆い尽くすかのような大量のエイリアンと、いかに闘うかが最大のポイントなのです。
 既存のFFタイプアクション・・・例えば「天地を喰らうII」では、とにかく投げを駆使して敵を一方向にまとめる戦法が有効でした。これは、投げのアクションを持つ同系のゲームではどれでも有効な「主戦法」でした。
 しかし、この「エイリアンVSプレデター」では、この戦法がまるで使えません。あまりにも大量のエイリアンが現れるため、そもそも一方にまとめることが困難であること、そして肝心の「つかみ&投げ」の性能が悪く、ひどく使い勝手が悪いことがその原因です(リンに至っては、つかみ&投げ自体が出来ません)。

 では、どうするか。これは、個々のキャラクターの性能を生かして、攻撃的にエイリアンをし止めていくよりありません。
 プレデターならば、とにかく接近して連続技を叩き込んで目の前のエイリアンを一掃し、漏らした敵は銃攻撃で足止めをする。追い詰められたらジャンプからの強襲攻撃で反撃しつつ脱出する。敵を一方向にまとめることにこだわらず、連続技主体でエイリアンを攻撃的に倒していく必要があるのです。
 リンの場合なら、とにかく連射の効く銃で押しまくること。銃を撃ちまくるとリロード時間が入りますが、さほど大きな隙ではない上に、前後に溜め系の飛び道具を混ぜることで、リロードの隙をカバーすることもできます。リーチは短いものの、一度入ってしまえば接近戦の連続技も強力です。
 シェーファーは、接近攻撃がそれなりに強いので、コマンドで出る特殊技や銃攻撃を絡めて連続攻撃で押していく。この繰り返しです。

 このように、大量に押し寄せるエイリアンに対して、個々の性能を生かした攻撃で対抗していく。従来の同系ゲームとは全く異なるプレイ方針が要求されるのです。そして、これこそがこのゲーム最大の特長であり、従来のFFタイプアクションとは異なるゲーム性を確保することに成功したのです。


・敵が落とす武器を使う戦略性。
 そしてもうひとつ、このゲームには特徴的なシステムがあります。
 このゲームでは、敵はエイリアンだけでなく、後半になると人間の軍人も敵として出現します。この人間たちを倒すと、盛んに武器を落とすのですが、この武器をうまく使っていくことが重要です。
 まあ、「武器」といっても、使えるのはほとんどが銃(マシンガン)です。これは、メインで使える銃攻撃とは異なり、どのキャラクターも共通して使える独立した武器です。これを使うことで、プレデターならば、弱点と言える自前の弱い銃攻撃を補完して遠距離の攻撃ができますし、リンならば、自前の銃と使い分けることでリロードの隙を無くし、多層的な攻撃が可能です。
 さらには、これらの銃は「同じタイプの銃を複数拾うことで、弾を補充できる」というシステムを採用しており、効率よく敵に弾を当て、同じタイプの銃を次々と拾っていくことで、たくさんの敵を倒していくことが出来るのです。実際、後半に出てくる人間の敵はエイリアン以上に手ごわく、これを駆使しないことには安定して倒すことができません。自前の銃攻撃と接近攻撃に加えて、「敵から奪う銃」という第3の攻撃手段をも使いこなす必要があるのです。


・非常に難しいが、緻密なパターン化攻略が可能なゲーム。
 このように、このゲームのプレイでは、メインから複数の攻撃手段を使い分ける必要があり、少々とっつきにくいゲームです。「天地を喰らうII」のような手軽でとっつきやすいゲームとは言えません。
 その上、このゲーム自体の難易度も非常に高い(まあ、カプコンのこの手のゲームはどれも非常に難しいですが)。一度に大量の敵が出てくるシーンばかりで、基本戦法に慣れてもなお対処が難しく、ボスはボスでかなり強い。総合的に見てかなり難しいゲームです。

 しかし、難しいとは言え、「やりこめば必ず道が開ける」のがカプコンのゲームのいいところ。少しずつ緻密なパターンを作っていくことが十分に可能です。敵の出現パターンを覚え、接近攻撃と銃攻撃を使い分けるパターンを確立し、さらには落ちている武器までも有効に使っていく。回数をこなせばこなすほど正確なパターンが作られ、確実にうまくなっていく。個人的には、同系のゲームの中でも、このゲームは最も厳密なパターン化が可能なゲームだと思っています。FFタイプアクションは、個々の敵の行動にランダム性があり、毎回同じパターンにならないのが最大の魅力なのですが、そのようなゲーム性の中でもこれだけのパターン化が可能というのは、実に凄い完成度だと言えるでしょう。


・数あるFFタイプアクションの中でも、間違いなく最大の傑作のひとつ。
 このように、この「エイリアンVSプレデター」というゲームは、同系のFFタイプアクションのマンネリ化の打破に成功し、新機軸アクションからなる斬新なゲーム性を確立したゲームとして、同系ゲームの歴史に残る名作だと言えるでしょう。ゲームの完成度自体も素晴らしく、緻密なパターン化による厳密な攻略が可能です。総合的に見て、非常に優秀な傑作であることは間違いありません。
 ちなみに、このゲームはまだ2Dのドット絵時代のゲームですが、グラフィックのレベルもかなり高く、エイリアンやプレデターの描写が実によく出来ています。まあ、今の3D全開時代の超精密グラフィックとはもう比べることはできませんが、この当時としては最先端のグラフィックでした。当時は、2Dから3Dへ移る時代の直前に当たっており、実はこのあたりが2Dドット絵の限界だったのかも知れません。

 しかし、これほどの傑作ゲームが、未だに家庭用ハードに移植されないのはどういうことでしょうか。そういえば、この手のゲームの元祖である「ファイナルファイト」も未だに次世代機に完全移植されていません。やはり、ゲームが3D化したのが原因で、もう2Dのドット絵のゲームは顧みられなくなった印象があります(なぜか2Dのシューティングゲームの方はよく移植されていますが、これはやはりマニアが多いからでしょうか?)。これほどの傑作をそのままアーケードのレトロゲームのままで埋もれさせておくのは極めて惜しい。是非移植を望みたいと思いますが、今となってはもう無理ですかね。


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