<悪魔城伝説>

2001・10・15

 このゲームは中古屋で480円で買ったんですが(笑)あとになってとてもいい買い物をしたと気づきました。
 このゲームはあの「悪魔城ドラキュラ」シリーズの第三作にあたり、そして悪魔城シリーズのなかでも最高傑作といわれるゲームです。このシリーズはもう10作をはるかに越える作品数が出ていますが、自分としてもこれが一番面白かったと思います。

・ジャンプアクションとして秀逸
 ドラキュラシリーズは典型的なジャンプアクションですが、他の同系のゲームとは一線を画するプレイ感覚があり、これがゲームとしてのオリジナリティにつながっています。一言でいうと操作感覚が重い。常にワンテンポ遅れているというか、微妙にじれったいというか、そんな感じ。しかもこの操作性がゴシックホラーのダークな世界観と合致している点がおもしろい。もしこのゲームの操作性が軽快なものだったら随分と印象が変わったと思います。
 さて、なぜそこまで操作性が重いと感じるのか。これにはいろいろ理由があるんですが、まず、

(1)移動速度が遅い。
 とにかくプレイヤーの歩く速度が遅い。ダッシュのような高速移動手段もありません。歩くだけでなく、ジャンプの速度もそんなに変わりません。プレイヤーの移動速度の遅さを念頭においてプレイする必要があります。さらに、

(2)ジャンプの軌道が一定。
 という点もポイント。もともとこの手のジャンプアクションはジャンプの軌道を調整できるもの(スーパーマリオがその代表)とこのドラキュラシリーズのようにジャンプの軌道が一定のものと二種類に大別されるんですが、この特性がさらに重さに拍車をかけています。しかもぎりぎりのジャンプを要求されるシーンが多く、ひとつひとつジャンプの軌道を確認して慎重にプレイする必要があります。そしてもうひとつ、

(3)攻撃手段が「鞭」。
 というのが大きい。主人公たるヴァンパイアハンターの武器が鞭、という設定なのですが、これが他の同系のゲームと一線を画しています。拳や剣を使ったアクションゲームと違い、鞭という武器の特性上早めに攻撃ボタンを押さなくてはなりません。鞭を振りかぶって敵に叩きつけるまでに一瞬のタイムラグがあるわけです。これがまた「操作が重い」と感じさせる最大の要因ですが、それと同時にこのゲームの最大のオリジナリティでもあります。つまり「鞭」という攻撃手段が独自のアクション性をゲームに与えていて、他の同系のアクションとの差別化に成功しています。しかも世界観の上でも「鞭を使って敵を倒すヴァンパイアハンター」という設定が生きており、一石二鳥といえます。

 このように操作性が重い分、キャラクターを自在に操作できるようになったときの気持ちよさが逆に大きい。アドリブで微調整できるような操作性ではないため、厳密なパターンを作ってひとつひとつのシーンをクリアしていくといういわば「パターンゲーム」の印象が強いですが、しかしそのパターンを作るという作業自体が楽しい。これがこのシリーズの最大の魅力でしょうか。

・ルート分岐&仲間システムが生きていた「悪魔城伝説」
 さて、ここまではドラキュラシリーズ全般のゲーム性について記述してきましたが、ではこの「伝説」がどうだったかというと、まずその「ドラキュラ」の基本が出来ていたのがよかった。上で挙げたジャンプアクションの面白さが存分に味わえます。その上でルート分岐と仲間を選んで使い分けていくという要素が加わり、とにかく何度でも遊べます。こういった複数ルート性はプレイの幅が広がる反面、下手をすると個々のルートの作りこみがおざなりになるケースがあるのですが、このゲームはそのようなことは全くなく、どのルートのどのステージも真剣に作りこまれていて本当に楽しめます。
 仲間と同行して助け合っていけるシステムもよかった。三人いる仲間はそれぞれ明確な個性があり、誰を選んでも独自の攻略パターンを作っていけるのがよい。もちろん誰とも同行せずに一人でもクリアできる難易度にもなっており、このあたりの攻略の自由度がとても高い。

・よくできたバックストーリー
 そして、このゲームは世界観やストーリーも作り込まれているのがさらに評価を上げています。ドラキュラシリーズは毎回その重厚な世界観がひとつの売りなわけですが、この「伝説」に関しては特にバックストーリーが秀逸でした。主人公や宿敵のドラキュラだけでなく、仲間キャラクターにもそれぞれ背景が定められているのがよい。仲間ごとにそれぞれエンディングが充実しているのがその典型でしょう。ストーリー的にも何回も楽しめるゲームでした。

・ファミコンの限界に挑戦したグラフィックとサウンド
 それに加えてこのゲームはその卓越した演出技術が目につきます。とにかくファミコンとは思えないほどの緻密なグラフィック。わたしは決してグラフィック偏重のプレイヤーではありませんが、しかしファミコンでこのレベルのゲームが遊べることには素直に感動しました。ステージ内容もヴァリエーションに富んでおり、実に楽しませてくれます。
 そしてこのゲームはなんといってもBGMが本当に素晴らしい。このゲームは89年のファミコンゲームですが、いまだに三本の指に入る傑作です。全体的にテンポのいい曲が揃っており、BGMに合わせてステージをテンポよくクリアすることが気持ちいい。アクションゲームのBGMとしては理想的ではないかと思います。

・今でも見劣りしない数少ないファミコンゲーム
 このゲームはファミコンのゲームでありながら、今だにあまり古臭さを感じないゲームです。いまだにドラキュラシリーズがリリースされ続けており、基本となるシステム自体がいまだ現役であること、そしてこの「悪魔城伝説」の演出レベルが今でも通用することが最大の原因でしょう。ファミコンのゲームということもあって残念ながら今ではほとんど手に入らないのが非常に残念なところです。・・・ていうかほんと480円で買っちゃってよかったのかな、これ。


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