<ドラゴンブレイズ>

2001・10・11

 彩京のシューティングについてもいずれ全部書きたいと思っているのですが、とりあえずはこの辺りからいきましょう。

 もともと彩京のシューティングのもつ大きな特徴として「接近戦での撃ち込み」があります。遠くから安全に攻撃するだけでなく、敵のふところに飛び込んでショットを集中させて大ダメージをねらう、というゲーム性です。そもそも彩京シューティング第一弾である「戦国エース」からしてこのゲーム性が際立っており、ボスや中型機に重なって一気に大ダメージもしくは瞬殺が可能、という点が非常に新鮮でした。(*戦国エースではボスや中型機に重なっても死なない。死ぬのは敵の弾だけ。)
 そして、このドラゴンブレイズはその「接近戦」の面白さを最もクローズアップさせた作品といえます。自機であるドラゴンライダーがもつ近接攻撃手段「ドラゴンシュート」がこのゲームの方向性(接近戦重視)を一言で言い表しています。

・縦スクロールシューティングとしては異色のゲーム性
 敵に接近して乗機であるドラゴン自体を敵にぶつけて大ダメージを狙う攻撃手段、それが「ドラゴンシュート」です。ドラゴンシュート後は自機(ライダー)とドラゴンが離れた状態になりますが、もう一度シュートボタンを押すことでドラゴンを呼び戻すことができ、合流した後はふたたびドラゴンシュートが可能です。また、自機とドラゴンはそれぞれが通常ショットを撃てるため、わざと呼び戻さずに二手に分かれてそれぞれ攻撃を続行、ということも可能で、なかなか自由度の高いシステムになっています。
 しかし、なんといってもまずドラゴンシュートの使い方を覚えることが第一です。ほとんどの中型機や大型地上物をほぼ一発、悪くとも二発で破壊できるドラゴンシュートの威力にまず驚きます。そして、しばらくプレイすればこのドラゴンシュートなしではほとんど攻略不可能なことに気づくはずです。
 そう、このゲームを普通の縦シューの感覚でプレイしてもほとんどクリアできません。普通に画面下方から通常ショットで攻撃しても中型機や地上物をなかなか破壊できないばかりか、とにかく敵の撃つ弾の量が尋常ではなく、あっという間に追い詰められてしまいます。
 これを避けるためにはとにかく画面上方に出て、ドラゴンシュートで敵に弾を撃たれる前に破壊、という方法をとるしかありません。しかし彩京のシューティングの特徴として、頻繁に敵が高速の弾を撃ってきます。つまり不用意に敵に接近すると彩京お得意の高速弾で避ける間も無く死亡、ということになります。これに対抗するにはもうとにかく敵の出現パターンを覚えて片っ端から出現即破壊、という手段をとるよりありません。つまりこのゲームは完全な「覚えゲー」です。まず敵の出現パターンを完全に把握して、ドラゴンシュートで破壊するパターンをひとつひとつ作り出していく。厳密な攻略パターンを作らないと一歩も先に進めません。

 そしてこのようなゲーム性は縦スクロールシューティングでは異色です。常に画面上方に位置して、ドラゴンシュートで片っ端から敵を破壊する。このようなプレイスタイルは他の縦シューではまず見られません。覚えゲーであることは賛否両論あると思いますが、それよりも接近攻撃というゲーム性を追求して全く新しいプレイスタイルを生み出したことは評価されるべきではないでしょうか。実際のプレイ感覚としても、とにかくドラゴンシュート自体がまず爽快である上に、一旦パターンを確立しさえすれば面白いように先に進めるのがとても楽しいと感じました。

・ボス戦について
 そしてこのゲームはボス戦も密度が濃い。基本的にボス戦もドラゴンシュートが有効で、ボスのパターンを覚えて弾幕の弱いタイミングを見計らってドラゴンシュート、というのが基本です。ここでもドラゴンシュートのパターンを考えていく面白さがあり、ボスの隙をついて接近攻撃で大ダメージ、という彩京シューティング独自のゲーム性を思う存分堪能できます。
 そしてその最たる例が「テクニカルボーナス」の存在です。ボスがある一定のタイミングでコア(核)を開くのですが、この時にコアにドラゴンシュートを当てれば一撃でボスを倒せる、というフィーチャーです。(成功すると画面上に大きく「Technical Bonus」と表示される。)もちろんコアを開く前にボスは激しい弾幕を繰り出してくるので、ただ近づいてコアを狙うだけでは絶対に成功しないようになっています。きちんとパターンを作って弾幕をかわす工夫が必要です。
 実際には、わざわざこれを狙わなくとも普通にドラゴンシュート連打で倒したほうが楽なので、ほとんど上級者向けのボーナスと言った意味合いが強いんですが。ただそれでもこの「ボスを一発で倒せる」というフィーチャーにはとても惹かれました。いや、やたら硬いボスってあまり好きではないんですよ。一発でボスを倒せるシューティングってゼビウス以来じゃないかなあ。

・初心者には難しすぎる難度が残念
 と、まあこのように彩京のシューティング性を全面に押し出したゲームでして、わたし自身は非常に楽しかったのですが、ただあんまり大きなヒットはしなかったですね。とにかくシューティング初心者にはきつすぎる難易度でした。いや、これよりも難しいシューティングはいくらでもありますし、この「ドラゴンブレイズ」がそこまで難しいわけではないんですが、それにしても初心者の手の届く難易度ではないことは確かです。最初のランダム面4面からして相当な難易度で、まずここを越えるまでが一苦労。そして5面以降は完全なパターンゲームで覚えないと一歩も先に進めない展開。とにかく初心者は弾の多さだけで驚愕するでしょう。1面、2面でゲームオーバーになっておかしくない。これではこのゲームの面白さを理解する前にやめてしまうかも知れません。まあ、この序盤からのシビアさがこのゲームの醍醐味なんで、対初心者との兼ね合いがほんと難しいんですが。しかしこのゲームがあまり人気がないのを見るのは少々寂しいです。

・彩京シューティングの面白さを全面に押し出した作品
 しかし、一旦ドラゴンシュートにはまればこれほど爽快なシューティングはありません。彩京の打ち出した「シューティングにおける接近戦の面白さ」を存分に堪能できます。それに加えて世界観やストーリーの作りこみも余念がない。ビジュアル的にも非常に見ごたえがあるのではないでしょうか。彩京らしく実に完成度の高い、いいゲームだと思いますが。


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