<ファイナルファンタジー5>

2002・6・18

 RPGの楽しさといってもいろいろあると思いますが、こと「戦闘」の楽しさに関してはこのゲームが最高でしょう。もうこのゲームが出て10年が経ちますが、いまだこれを超える戦闘ゲームは出ていないのではないかと思います(わずかにトライエースのゲームだけが気を吐いているような気がしますが)。

 「ジョブ&アビリティシステム」。これがFF5のすべてといっても過言ではない。「ジョブ」というのはいわば他のRPGの「クラス」「職業」のシステムが土台になっているはずですが、しかしこれはウィザードリィやドラクエ3の職業とはまるで違う。
 もともとのRPGのクラスシステムと違って、いつでもどこでもクラスチェンジ(ジョブチェンジ)が可能で、状況に合わせてパーティーの編成を変えて先に進むゲームになっています。あらかじめパーティーやキャラクターの強化計画を立てて、長期的な視点でクラスチェンジを進めていく従来のRPGと違い、状況に応じて頻繁にパーティー編成を変えていくゲームになっている。編成次第で強敵をあっさり倒せたりするあたり、戦闘になにかパズル的な要素が含まれているところが新しい。

 そのパズル要素をさらに推し進めるのが「アビリティ」。もともと「ジョブシステム」は前々作のファイナルファンタジー3で完成されていたんですが、今作でアビリティが加わったことによってさらに面白くなったといってよい。 「アビリティ」とはいわば「特技」「スキル」に相当するもので、戦闘を重ねることで各ジョブに応じたアビリティを習得できる仕組みですが、これを他のジョブについているときでも使えるようにしたのがFF5最大のフィーチャーです。もちろん、すべてのアビリティを使えるわけではなく、通例1つのアビリティを他のジョブに「くっつけて」使う形になりますが、実は1つで十分。ジョブとアビリティの組み合わせ、さらにはそれらジョブとアビリティを組み合わせた4人のパーティーの編成によって、単体のジョブやアビリティでは得られない思わぬ相乗効果を得ることが可能です。そしてこの組み合わせの工夫次第でレベルの上ではかなわないような強敵まで倒せるとあって、これは非常に斬新でした。

 もともとRPGというのは、「いかにレベルをあげるか」「いかにパーティーやキャラクターを強くするか」というゲームのはずですが、このFF5の場合、工夫次第ではレベルを上げる必要がないんですね。それよりは敵に合わせてジョブとアビリティの組み合わせを考えるパズル的な戦略性の方が重要である。とはいえ、もちろん普通にレベルを上げて敵を倒していってもいいわけですから、戦闘の自由度が非常に高い、やりごたえのあるゲームといえるでしょう。


 と、いうわけで戦闘に関してはこれ以上ないほど楽しいゲームですが、その反面戦闘以外では見るべきところがほとんどない。戦闘以外にシステムは無いようなものだし(一応は戦闘以外でも使えるアビリティがあるのは救いですが)、ストーリーに至ってはクリアして3日で完全に忘れてしまいました(笑)。いまだにどんなストーリーだったか思い出せません。いや、ストーリーにも力を入れているはずなんですが、それが必ずしも成功しているとは言い難い。結果的に完全に戦闘に特化したゲームになっています。

 もっとも、このゲームは、戦闘が「とても」楽しかったから別にいいんです。ただ、ファイナルファンタジーが「ムービーシーンの合間に戦闘をやるだけのゲーム」になってしまった今、FF全盛だったこの当時からすでにその兆しが見られていたような気はするんです。古いゲーマーほど「FFはスーファミ時代までがよかった」と言いがちですが、実はそのスーファミ時代から今にいたる傾向はすでにあったと思うのです。なるべくしてなってるんですよ、多分。


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