<グランド・セフト・オート3(GTA3)>

2003・10・25

 「なぜ今年(*2001年)になってゲームキューブは失速したのか?」
 「さまざまな理由があるが、一言で言えば『PS2にはGTA3があったから』」
(かつてアメリカのゲームイベントで、アメリカの記者の質問に対する任天堂の社長の返答)

 全世界で800万本を売ったPS2ソフト(のちにPCにも移植)『GTA3』がついに日本に上陸しました。アメリカでの発売はもう2年前になり、日本でもゲームマニアの間ではかなり前から話題にのぼり、中には北米版のPS2を買ってまでプレイする人もいたくらいですが、まあそれはごく一部分の人の話。ほとんどの人は(わたしも含めて)今になってようやくプレイできるわけです。

 さて、では肝心のゲーム内容について。
 これは基本的にはミッションクリア型のアクションゲームです。その意味では実にありふれたゲームです。が、この作品は決してそれだけではなく、ゲームの舞台としてひとつの空間(街)を用意して、その中でプレイヤーが自由に行動できるようにデザインされているのです。まあ、「自由」といってもあくまでデザイナーが用意した選択肢の範囲内ですがね。
 わたしは、個人的に、このようなゲームを環境型ゲームと読んでいます。実はこういったタイプのゲームは日本でもありました。古くは「アクアノートの休日」(潜水艦の操縦士となって、ただ海底を散歩するだけのゲーム。特に目的はない。詳しくはこちらを見よ)、最近のヒット作だと「どうぶつの森」や「ぼくのなつやすみ」、あと「ガンパレード・マーチ」もまさにこのタイプのゲームです。そして何と言ってもネットゲーム(MMORPG)ですね。ゲーム上の最終目的はなく、むしろゲーム内の環境を楽しみ、その中での自由な行動を楽しむタイプのゲームです。GTA3もまたその手のゲームで、ミッションクリア型のゲームとしても楽しめますが、それよりも「ひとつの街の中で自由に行動する」楽しみが非常に大きい。

 そしてGTA3がすごいのは、この街の広さと作りこみが尋常ではないこと。わたしが最初にこのゲームを始めた時、どこまでも広い街の中で、無数の人と車が動いているのを見て、一種の感動を覚えました。さすがアメリカ人のやることは桁が違う。しかもそれらの住人ひとりひとりがAIを搭載していて、様々な行動を起こしていて、それを見ているだけでも楽しい(住人達が勝手に喧嘩を始めたり、車が突発的に交通事故を起こしたりする)。

 そして、その壮大な街の中でプレイヤーはどこへでも行ける。Grand Theft Auto(偉大なるクルマ泥棒)のタイトルどおり、街を走る、もしくは置いてあるクルマをパクるのが主人公の特技ですが、とにかく色々なクルマをパクって街をドライブするだけで楽しいゲームです。タクシーをパクるとクレ○ジータクシーみたいなことができるし(笑)、これだけでも遊べますね。
 さらに、各種の武器を使ったアクション。これで派手に住民とバトルを繰り広げるのもいかにもGTAらしい楽しみ。住民を虐殺するとやがて警察が追ってきますが、その警察を相手に逃走劇を繰り広げるのもまた一興。

 もちろん、まじめにミッションをこなしてストーリーを進めていくのもこれはこれで面白い。主人公はただのチンピラで、ギャング組織に雇われて運び屋・護衛・盗み・殺し・破壊工作等をこなしていくわけですが、とにかくゲームでやれるアクションが多いので、ひとつのミッションでもクリア方法がいろいろとある(ことがある)のがよい。自由度の高さがここでも活きています。

 さらに、メインのミッション以外にもやれることが結構あり、街中にいろいろなサブミッションや隠しアイテムが用意されている。とにかく全体を通して「面白い、楽しい」と感じられる要素が多い。どんなプレイヤーに対してもなんらかの面白さを提供できるであろう懐の広さがある。全世界で800万本売れたというのも納得できます。

 そしてこのゲームはなんといってもバカゲーである! このゲームはやたら残虐性が話題になっていますが、こんなバカバカしいゲームで犯罪を起こす人間が出てくるとは到底思われない。勢いあまってクルマごと海に突っ込んで溺死したり、目の前で手榴弾が爆発して即死したり、かと思えば何故か街にあるジャンプ台で派手にカースタントをしてなぜか報奨金がもらえたり、しまいには戦車で街中を爆走したり、プレイ次第でとにかく笑える。結局このゲームはいかにバカなプレイをするかという面白さに尽きると思います。


 このように大変面白いゲームなのでありますが、唯一の欠点ともいえるのが「セーブポイントが固定である」こと。このゲーム、ミッションが結構「覚えゲー」的なところがあって、何回でもやり直して覚えてクリア、という方法を採らざるを得ない。そのたびにいちいちリロードしてセーブポイントからやり直すのは面倒すぎる。ミッション中にセーブできないのは仕方ないにしても、それ以外の場面では常時セーブを採用してほしかった。

 それと、「意外にやれることが少ない」というのもあります。確かにこのゲームはフィールドが広く、どこまでも行けるんですが、すべての場所でなにかイベントが用意されているわけではなく、実際には何もないところが多いです。クルマのドライブや武器を使ってのアクションに面白さを感じられない人には物足りないところがある、かも。建物に入れない・建物の周りに人がいない、というのも残念なところ。


 しかし、それらはあくまでも些細な欠点でして、やはりこのゲームの面白さは圧倒的です。とにかくゲームとして面白い。自由に行動する環境型のゲームとしても、ミッションのクリアを目指す目的達成型のゲームとしても楽しめます。そして、このゲームは洋ゲーのイメージにありがちな「遊びにくい」ということもなく、親切にプレイヤーに遊び方を教えてくれる点もポイントが高い。過激な残虐性が先行するイメージとは裏腹に、実は万人向けのゲームなのです。


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