<ICO>

2002・3・11

 あー、なんてぜいたくなゲームなんだろう。わたしのような貧乏人がやっていいのかしらん。

   とまあ、ツカミはこのくらいにして。とにかくこのゲームはグラフィック、演出面の素晴らしさが大きく取り上げられていますが、わたしがプレイした印象もまさにそんな感じでした。
 まあ、グラフィックのみを取り上げれば、これと同等、あるいはそれ以上のゲームも既に存在するわけですから、このゲームの場合グラフィックもさることながら、その見せ方、すなわち演出面が卓越しているのでしょう。あとは設定がいいのかな。城という、ある意味閉鎖された空間であり、またある意味では開放的な巨大空間を完全に描ききっている。ゲーム性を抜きにしてこの中を走り回るだけで楽しいと思います。
 実際、これと同じゲームを作ろうと思ってもわたしにはできないと思うんで、よほどこのゲームのデザイナーはセンスがいいのでしょう。こういう才能がある人はうらやましいです。

 システム的には、このゲームはパズルです。「ゼルダの伝説」系のアクションパズルの集合体でした。ゲーム的にはさほどすごいことをやっているわけではないと思うんですが、ここでも演出面の効果が大きく、何か仕掛けを動かすたびに「こんなことが起こるのか」と素直に驚いてしまう。あと、ここでも設定が生きています。女の子の手をひいて、彼女のために道を開くという設定がね。設定とシステムが互いに補完しあっている。設定を生かすためにシステムを作り、システムを生かすために設定がある。こういうゲームは実に気持ちがいいです。

 そして、ゲーム的にはアクションパズルの集合体という非常に単純なものでありながら、それでも文句なく面白かったのです。とにかく何か起こるのが楽しい。あるいは、先のステージを見たくてたまらなくて、ついついプレイし続けてしまう。自分でもこの楽しさをどう説明していいのかよくわからないんですが、楽しいんだからそうとしか言いようがない。まあ、ゼルダやワイルドアームズのパズルも自分は楽しかったんで、それに圧倒的な演出が加われば相乗効果でさらに楽しいと、そんなところでしょうか。

 さて、このゲームは基本的には非常に楽しかったんですが、しかし少々気になる点も結構ありました。まあ、今後のために改善点も指摘しておいた方がいいと思ったので、恒例ながら苦言を呈してみようかと。

(1)常時セーブでない。
 これは非常に不満。というか、わたしはすべてのゲームにおいて常時セーブを実現すべきだと思うんですが、なぜこれがいまだに守られないのかが分からない。
 しかもこのゲームはアドベンチャーか、さもなくばパズルの集合体なわけですが、この手のジャンルのゲームなら常時セーブでなんの問題もないはず。これがRPGなんかだと、まだゲームバランスの問題とかで一考の余地がありますがが(本当はよくない、すべてにおいて常時セーブが実現されるべき)、このゲームにおいては常時セーブが実現されない理由はどこにもないでしょう。
 実際のところセーブができないばかりに、ゲームをやめたいときに出来なかったり、ゲームオーバーになったときにはるばるセーブポイントからやり直しになったことがかなりありまして、相当ストレスがたまりました。とくにラストセーブポイントから最後までが長すぎ。いつまでたっても終わらないんで、とうとう夜中の3時までやって翌日眠たくて眠たくて死にましたとか、ああ個人的な事情はどうでもいいんですが(笑)、とにかくこれはプレイアビリティの点から見てどうかと思うのです。

(2)基本的に一本道。
 実はゲームをやる前には、このゲームは城の中を自由に冒険するゲームだ、と思っていたんですが、実際にやってみるとこれはほぼ一本道で、小さなパズルの連続ですね。まあこれでも楽しかったからよかったんですが、ちょっと期待したゲーム性とは違っていたな、と。アドベンチャーって感じではなかったのがちょっと残念。そのあたりは演出面で補っているところもありますが。

(3)仕掛けの意味がよく分からない。
 基本がパズルの連続で、城内の仕掛けを動かして先に進むわけですが、現実に即してなぜそういう仕掛けが存在するのかよく分からない。というか、あまりにも奇想天外なギミックの連続なんで、ぱっと見たところ何をやっていいのかよく分からない。「とりあえずこれを動かしたら何か起こりそうだ。」と推測してあてずっぽうで試していくよりない。
 まあこの城の仕掛けはどう考えても現実にありえるようなものではないので、そんなことを言うとこのゲームのコンセプト自体を否定することになっちゃいますが、しかしまあそこまでパズル要素にこだわる必要があったのかな、と正直なところ思いますね。できればパズル要素は控えめにして、もっと城内を自由に行動するアドベンチャーゲームの要素を重視してもよかったかな、と考えてしまう。あくまで素人の考えに過ぎませんが。


 さて、いろいろと苦言を呈してきましたが、これはこのサイトではいつものことなんで気にしなくてよいです。基本的には非常に面白いゲームなので、文句なくすべての人に薦めたい。2001年のゲームでは間違いなく最高のゲームのひとつでしょう。このゲーム、前評判らしいものはほとんど聞かなかったけど、発売以後なんとか話題になっていい評価も与えられたようで、これは非常に幸運でした。(世の中には良作でもほとんど話題にならない、売れない作品が多いのです。)


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