<斑鳩>(*DC移植版)

2002・9・10

 すでにアーケードで長い間稼動していますが、DCに移植されたということで今一度ページを作ってみます。

 もともとわたしはアーケード版を早々にあきらめた人間です。とにかく非常に高い難易度と、それ以上に極端なパターン化を要求されることがあまりにつらく、もともとゲームが下手なわたしは「これは10万円かけてもクリアできそうにない」と思いまして、そうして一旦あきらめた後は、ゲーセンにいくたびに1〜2回ずつちょこちょことプレイするのみでした。
 ゲーム自体がつまらないわけではなく、むしろ非常に面白かったんですが、しかしゲーセンでやるには自分の腕がついていかなかったのです。
 それがここにきていい時期にDC移植。これは待ちに待った朗報でした。もともと「死んで覚える」パターンゲームですから、ゲーセンで1コインずつ出して死んでいくよりも、家でやりたい放題やって遠慮なく死にまくったほうが精神衛生上よろしい(笑)。むしろ家庭用に移植されたことで初めて一般人でも手が出せるゲームになったといえるでしょう。

 移植度は完璧です。話によるとアーケードとは処理落ちのタイミングが少し違うらしいですが、確かに4面あたりでちょっと違うと感じました。しかし、それはあくまでも誤差程度で違いで、よほどのマニアでもない限り全く問題ないレベルでしょう。テレビを縦置きにしてプレイすればまさにアーケードそのまま。ノーマルに横置きでプレイしても、小さい画面ながらゲーム性の上では全く問題ありません。
 それに加えて、DC版ではクリアしたステージをいくらでも練習できるプラクティスモードを搭載。もともとがとんでもないパターンゲームだけにこれは嬉しい限り。これ以外にはいくつかのおまけがあるだけのシンプルな移植ですが、これだけで十分でしょう。


 ゲームの説明に入りますが、これは究極のパターンゲームです。あまりにもパターンゲームの要素が強すぎてパズルといってもいいくらい。自機に白黒の属性があり(Bボタンで切り替える)、敵・敵弾にも同じく白黒の属性がある。属性が同じなら弾に当たっても死なず、逆に敵弾を吸収して強力なレーザーを撃てる、というのがゲーム性の根幹で、要するに敵弾の属性に合わせてボタンでよけることが可能。これに従来の「レバーによる弾よけ」を合わせて、完璧にパターンを組んで敵弾に対処する必要があります。つまり「レバーによる二次元の弾よけ」に加えて、さらにもうひとつ「白と黒の属性」というベクトルが存在するのです。誰かこの斑鳩を指して「3次元立体パズル」と言った人がいますが、なるほどさもありなんといったところです。

 そして、このゲームのパターン化をさらに推し進めているのが「チェーンボーナス」という稼ぎ要素の存在。同色の敵を3機ずつ破壊しつづければどんどん高いボーナス点が稼げるシステムで、これを極めようとすればものすごいパターン化が必要になります。まさに究極のパターンゲーム。
 さらに言えば、この「チェーンボーナスのよる稼ぎプレイ」には普通のプレイにはない面白さがあります。それは「狙い撃ち」の楽しさ。最近のシューティングには狙い撃ちの要素が足りないとこちらのページで文句を言ったことがあるんですが、この「斑鳩」の稼ぎプレイではその「狙い撃ち」を思う存分駆使してプレイしないといけません。絡み合う両属性の敵群から一属性の敵だけを撃つには、針の穴を通すような正確な狙い撃ちのテクニックが必須だからです。
 逆にいえば、稼ぎを意識しないクリア最優先のプレイでは、この点がやや物足りないと言えます。ただ敵を倒すだけならショット撃ちっぱなしでOKですからね。このゲーム、トレジャーの前作にあたる「レイディアントシルバーガン」と違い、クリアに稼ぎプレイを必要としませんが、しかしそのゲーム性を存分に楽しむためには、やはり稼ぎプレイ必須といえます。このあたりはやはりマニアックといって仕方ないかな、とは思います。

 しかし、このゲームは高い難易度といい、極端なパターンゲーム性といい、奥の深い稼ぎ要素といい、確かにマニアックですが、しかしそのとっつきの悪さをはねのけてでもプレイする価値があります。とにかくパターンを作って少しずつ先に進んでいくという「ゲーム攻略の基本」を存分に堪能できる。これほど「攻略」という言葉がふさわしいゲームは多くはないでしょう。うまくなった自分をダイレクトに感じることができる。これはパターンゲーム最大の魅力です。

 ついでですが、このゲームは演出面も実にいいです。ポリゴンを駆使した重厚なグラフィックと、そしてなんといってもサウンドがすばらしい。個人的にこのゲームのBGMは最近のゲームのベストサウンドのひとつ。これを書いている今もサウンドモードで聴きまくっていたりします。

 というわけで、このゲームは、普段シューティングをやらない人もこの機会に是非やってほしいほどの素晴らしい作品です。とっつきの悪さをはねのけてでもプレイしないと損です。まあ、システムがむき出しになったシューティングゲームなんで、ゲームにストーリーを求める人にはあえてすすめませんけどね。「Ever17」でもやってください。逆に、ゲームに知的遊戯としての面白さを求める人は是非プレイしていただきたい。DC最後の遺産としてふさわしいゲームでしょう。


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