<Never7 -the end of infinity->

2002・10・10

 Ever17についてあれこれ書いてきたので前作にあたるこの作品のページも作ってみました。


 最近になってプレイした美少女系のノベルゲーム(ギャルゲー)の中で最初に面白いと思ったのがこれです。ノベルゲーム・・・というか、完全にノベル(小説)なんですが、まあ便宜上「ゲーム」ということで扱いましょう。パッケージの表記としては「恋愛アドベンチャー」となっていますが、これは明らかに「違う」と思います。

 すなわち、アドベンチャーゲームのように考えてゲームを攻略する要素は少なく(全く無いわけではない)、ストーリーを読ませることを重視した「サウンドノベル」であります。それも「街」のように何らかのゲーム性(らしきもの)を取り入れてゲームとして遊ばせるタイプのものではなく、純粋にストーリーを読ませることを重視したオーソドックスなものです。このゲームは恋愛よりもむしろサスペンス、ミステリー的な要素が強いストーリーですが、だからといってプレイヤーが推理してゲームを攻略するような要素はありません。

 そして、ゲーム性が少ないとなると、あとはノベル(小説)としてどれだけ面白かったか、すなわちノベルとしてテーマやストーリーがどれだけ作りこまれているか、という点が評価の中心となりますが、結局これが非常によかったんですね。まあ、ストーリーの評価は個人の感性によって千差万別でしょうが、少なくとも自分のツボにははまったと(笑)。

 具体的には、SF的なサスペンスの要素が強く、謎解きが楽しめるのがよかった。いわゆる「ギャルゲー」の体裁を採っているとはいえ、オーソドックスな恋愛ものではなく、題材自体が非常に新鮮であったのが大きい。まあ似たような題材のゲームは他にもあったと思いますが(菅野ひろゆき氏の作品とか?)、このゲームもそれらの先発作品に負けないほどの魅力がありました。
 さらに、このゲームは謎解きの楽しみだけでなく、かなり「痛い」人間ドラマが楽しめるのも大きい。わたしは、トリックや謎解きだけのミステリー小説はあまり好きではありませんが、このようにドラマ性もきちんと描き出してくれる作品なら大歓迎です。知性に訴える謎解きと、感性に訴える人間ドラマと、その両方がバランスよく楽しめる。これがこの「Never7」最大の特長ではないかと思うのです。
 実際には、完璧に作りこまれた構成というわけではなく、少々荒削りなところもあるのですが、それでもこの手のノベルゲームとしてはかなりよく出来たシナリオで、実にいい作品だと思います。








 ・・・はい、通り一遍のレビューはこれで終わり。レビューのページということで書くべきことは一応書きましたが、実はわたしが書きたいのは、このようなゲームシナリオの説明などではないんです。このページを立ち上げた理由は、もっとほかにあります。

 いや、わたしがこのゲームをプレイした最大の理由は、実はシナリオの完成度ではありません。シナリオだけならこれより優れたゲームは他にあるだろうし、ゲームにこだわらなくても小説や映画等にいくらでもいい作品があるでしょう。
 まず、こういったノベルゲームというものは、ゲームをやる前に内容の良し悪しを図ることができません。他のジャンルのゲームならば、システムの説明を聞いただけである程度内容を推測できますが、ノベルゲームの中心となるのはストーリー。ストーリーのジャンルやあらすじ、グラフィックを中心とした演出面についてはある程度分かりますが、ストーリーそのものは実際に読んでみないことには絶対に分かりません。

 何が言いたいかというと、わたしがこのゲームに注目して、手にとってプレイしようとした理由は、ストーリーとかシナリオとかではなくて、もっと何か別のものだということです。それはすなわち「オリジナリティ」より詳しく言えば「開発陣のこのゲームに対する『ありきたりなものにはしない』という意気込み」でしょうか。


・「ストーリーを良くするなんて、当たり前じゃないですか。」
 これはあるゲームプロデューサーのお言葉ですが、個人的にはこれはすごい名言だと思っています。

 あるプロデューサーが、自分のノベルゲーム開発チームに対して、
「このゲームのウリは何か。」
と訊きました。すると、
「ストーリーです。ストーリーを良くします。」
と答えが返ってきました。そこで一言、
「ストーリーを良くするなんて、当たり前じゃないですか。何かほかにウリはないのか?」
と反論したんですね。これぞまさに名言ではないでしょうか。

 つまりですね、わたしはこのゲームに対して、ストーリーやシナリオだけではない、オリジナリティを感じたんですね。具体的には、やはりギャルゲーらしくない設定とイメージでしょうか。雑誌などでゲームの紹介を見るだけで、恋愛を中心とした従来のギャルゲーのストーリーとは方向性を異にすることは理解できましたし、ビジュアル的にもいわゆる萌え系の路線とは結構違う。こういった点を見て、同系のゲームとは違うオリジナリティ、ひいては開発陣のこの作品に対する意気込みを感じて、あえてプレイしてみようという気になったんですね。

 これは、このゲームの実質的な続編ともいえる「Ever17」についても言えます。わたしは、そこのページで「直感で面白そうだと思ってプレイした」と書きましたが、これは実は嘘です(笑)。つまり、結局これも「Never7」と同じことでして、同系のほかのゲームとは違う、オリジナリティがあったから選んだのです。これがですね、もし、他のゲームと同じようなタイプのストーリーで、同じようなギャルゲー系のビジュアルで、同じような雰囲気のゲームだったら、それでどんなにストーリーがよくても多分評価していない。というか、評価する以前にプレイしていないと思います。


 やはりね、いくらノベルゲームだからといって、ただストーリーだけで、シナリオだけで評価するのは間違ってますよ。

 「ストーリーを良くするなんて、当たり前じゃないですか。」これは本当に名言ですね。


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