<ザ・キング・オブ・ファイターズ(KOF)シリーズ>

2001・10・26

 とりあえず、ひとつ代表的な2D格闘について項目を立ち上げようと思いまして、KOFシリーズに白羽の矢を立てました。わたし自身、かなりやりこんだ90年代思い出のゲームです(いや、今でも続いているんですが)。
 このゲームシリーズは、94年が最初のリリースですが、この第一作は前評判はあまりよくありませんでした。グラフィックやモーションで明らかに見劣りがした部分があり、そうでなくとも当時は2D格闘全盛期でとにかく話題作が多い中、何の前触れもなく突然リリースされたゲームにはプレイヤーの戸惑いの方が多く見られました。
 しかし、このゲームは実際には非常に面白かったのです。何よりもまずオリジナリティがありました。3人チーム制は言うに及ばず、攻撃避けをはじめとする斬新な操作系、そして既存のどの格闘ゲームとも違った個性をもつキャラクターと、他の格闘ゲームと比較しても十分合格点を与えられる内容でした。
 そして、このゲームが”94”の名を冠したことが原因で、プレイヤーの間に、
「これは95年に続編が出るのではないか。」
という期待が高まります。そして、おそらくはその期待に答える形で、SNKは続編”95”を出すことになります。この”95”が”94”以上の大人気で、これでこのKOFは不動の人気を得て、その後は一年ごとに続編を出すことが確定します。そしてその後の展開は皆さんの知ってのとおりです。

 このシリーズの面白さについてはいろいろと見るべきところがあります。

(1)3人チーム制
 実際のところ、これが最大の売りなわけですが、華やかな売りとしてのイメージだけでなく、ゲーム性の上でも意外によくできていたことがわかりました。
 まず驚いたのが、このシステムが意外にも初心者向けであること。最初のうちは「3人分の操作を覚えるのは初心者には厳しい」と思われていましたが、実際には必ずしもそれだけではなかったのです。確かに3人分の操作を覚えるのは大変ですが、それ以上に「とりあえず3ラウンド分プレイできる」ということが大きかった。そして、たとえまだ下手なプレイヤーでも、3人分プレイすれば相手チームの1人ぐらい倒せる可能性は大きく、ある程度の満足感と次のプレイに向けての指針が得られるのです。
 さらに、対戦技術以外にチーム制を生かした作戦が存在する点が面白い。チームの順番を変えて得意なキャラクターを先に持ってくるとか、相性のよさそうなキャラクターをぶつけるとか、そういった純粋な対戦技術以外の要素が絡んでくるところが大きいのです。従来の対戦技術のみですべてが決まる格闘ゲームと違い、多少腕が劣ってもぶつけるキャラクターの相性次第でいい勝負ができる可能性が出てきました。
 この、初心者でも気軽に取り組め、かつ対戦技術以外でも勝てる要素があるという長所は実に大きいもので、KOFシリーズはかつてないほどプレイヤーの裾野を広げました。

(2)毎回変わる斬新なシステム
 とにかく、シリーズ一作ごとに新しいシステムを取り入れたのがよかった。特に、前期(97まで)は毎回のようにシステムに大幅な変更があり、シリーズものとはいえ毎回ゲーム性が全く違うという点が優れていました。
 94の攻撃避けやパワー溜めからしてかなり斬新なシステムだと思ったんですが、95でそれがさらに発展し、96では今度攻撃避けに変わる緊急回避が加わり、97では従来のパワー溜めとはまるで違う攻撃的なアドヴァンストモードが加わりました。
 このように、毎回新しいゲーム性が楽しめるのが最大の魅力だったのですが、98以降はこの点が薄れ、マイナーチェンジにとどまっているのが残念なところです。

(3)一年ごとに必ずリリースされる。
 ゲーム性とは直接関係のない話ですが、このことは意外に重要です。まず、ゲームが大作化して制作期間が何年にもわたるゲームが当たり前になった昨今、きっかり一年でリリースされ続けるこのシリーズは、プレイヤーに大きな安心感をもたらしました。
 それだけではありません。毎年ゲームセンターで夏休みという時期にリリースされることによって、「夏休みにはかならずKOFの新作で対戦が出来る」という環境を作ったことが大きい。対戦格闘ゲームは相手がいなければ対戦できません。毎年対戦が盛り上がる環境を作ったということが実に大きいのです。


 このように、シリーズを重ねるにつれて、このシリーズはゲームセンターの2D格闘の代表的存在になります。基本部分が毎回同じで誰でも気軽に取り組め、チーム制の採用で初心者にも裾野を広げ、かつ毎回目新しいシステムも楽しめる。まさに安心感と斬新さを兼ね備えた、シリーズ物としては理想的なゲームだったと言えるでしょう。
 しかし、このシリーズは定番であると同時に不満点も山のようにあります。しかもそれが割と致命的だったりします。すなわち、

(1)基本的なシステムの完成度
 このシリーズに限らず、SNKの格闘ゲームはどうにも未完成の部分が多く、なんだか強すぎる戦術がすぐ生み出されてしまう。なんか毎回のように無限コンボとか即死コンボとかがすぐ見つかるんですよ(笑)。待ちとハメとか単純な戦術がアホみたいに強いのがポイントで、寒いプレイをしようと思えばいくらでも寒いプレイをすることが可能です
 初心者と上級者の格差が広がりやすいのも問題です。連続技とか連係技とか覚えることが多すぎるため、すぐに実力差が開いてしまう。初心者でもとっつきやすい反面、対戦ではマニアに手も足もでないという状況が、どうしても起こりがちなのです。

(2)キャラクター間のバランス
 3人チーム制ということでもともとキャラクター数が非常に多く、とても全キャラクター間でバランスが取れているとは言い難いですね。それでも第一作の94は、チームが固定されていたからよかったんですが、95以降チームエディットで好きな組み合わせが可能になり、「強いキャラクターだけでチームを組んで貪欲に勝ちを目指す」プレイヤーが横行し、自分なりのチームを自由に組めるという楽しみが半減してしまいました。
 これが一番ひどかったのが95ではなかったかと思います。この95はそもそも強すぎる連続技が多く、そのうえチームエディットの悪用(?)が横行して対戦が死ぬほどむかついたうえ、その上CPU戦まで極悪なアルゴリズムでさらにむかつくというとんでもないゲームでした(笑)。この当時のゲームセンターでは、ほとんどすべての人がSNKに恨みを抱いていたような気がします(笑)。

(3)ゲームシステムが変わらなくなった(98以降)
 先ほども記述した通り、97までは毎回変わるシステムで楽しませてくれたんですが、98以降はマイナーチェンジに終始するようになり、ゲームの斬新さが薄れてしまいました。
 そして、このように基本的なシステムが変わらない状態が続くと、どうしてもゲームのマニア化が進行します。シリーズをやり続けているマニアの方が、経験の上で有利になるわけです。そのうえマイナーチェンジで毎回追加要素が加わるので、ますます初心者には不利です。さすがにもうそろそろ大きな改革が必要でしょう。SNKがなくなっちゃった今、今後どうなるかは分からないのですが・・・。


 まとめとして、このシリーズは90年代の2D格闘の代表シリーズとして大きな役割を果たしてきましたが、その反面システム的には割と大きな欠点も多い、荒っぽいゲームであるといえるかと思います。まあ、いかにもSNKらしいといえばSNKらしいゲームでしたね。


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