<リンダキューブ アゲイン>

2001・10・23

 桝田省治の名を世に知らしめた新感覚RPG第一弾(のPS移植版)。システム派の桝田さんが作っただけあって、かなりシステム寄りなゲームです。RPGではありますが、ゲームの目的は、キャラクターの育成でもラスボスの打倒でもなく、「動物集め」です。

 ゲームの大枠自体は、普通のエンカウント型のRPGとさほどかわりません。フィールド上をほっつきあるいている動物に触れるとエンカウント、戦闘自体はオーソドックスなターン性で、動物のHPをゼロにすると自動的に捕獲できます。動物にはオスメスの区別があって、その両方を捕らえることで一種の動物を確保したことになります。どんどん捕まえていって、シナリオごとに決められた数だけ種類を確保すればゲームクリア。極めて単純なゲームです。

 しかし、システムの基本は単純でも、細かいところでいかにもな工夫が見られ、単純な作業になっていないのはさすがです。
 まず、動物のHPをゼロにすれば捕獲できると書きましたが、ダメージを与えすぎてはいけません。HPが60くらいしかない動物に、例えば200とかダメージを与えると、見事に飛び散ります(笑)。レベルを上げるとプレイヤーが強くなるわけですが、しかし強くなりすぎてもまずいのです。常に自分と同等の強さの動物を求めて捕獲を試みることになります。このあたりのゲームバランスの扱いが巧みというか、とにかくプレイヤーが自分から最適のバランスを求めて行動することになるため、バランスが常に良好に保たれているのです。
 しかも、このゲームは、特にフラグ立てというものが無く、行こうと思えばいきなり世界の果てまで行けるため、まさに自分のレベルとだけ相談して好きな動物を捕まえに行けばいい。このあたりのバランスと自由度の両立が素晴らしい。これぞ真のRPGです。
 あ、言い忘れましたが、自分よりも弱くなりすぎた動物に対しては、わざと装備武器をはずして攻撃するとか、弱い威力の特殊技を使うとか、そもそも戦闘以外で動物を手に入れる手段がある(後述)とか、まあいろいろ抜け道があるのでご心配なく。

 捕まえた動物が、ただ単にゲームクリアの手段というわけではなく、いろいろと他に使い道があるのも楽しいところです。まず、そもそも動物がお金を持っているはずもなく、プレイヤーは捕まえた動物を売ってお金を得ることになります。
 動物はそのまま売るだけでなく、加工して食料(回復アイテム)や装備アイテムにすることもできます。装備は自前で加工して作るのが基本ですね。また、動物はそのまま売るよりも、食料や装備に加工してから売ったほうが(基本的に)高く売れます。

 ただ単にフィールドやダンジョンを隅々まで回ればすべての動物を捕獲できるわけではない、という点もよくできています。このゲームには季節の変化があり、特定の季節にしかそもそも出現しない動物がいたり、季節ごとにオスメスの割合が極端に変化して片一方がどうしても揃わなかったりということが珍しくなく、ゲーム中の季節の経過にまで配慮しないといけません。

 そして極めつけは、戦闘で直接動物を捕まえる以外にも動物を手に入れる手段が用意されていることです。ワナを仕掛ける。代行ハンターに依頼する。オークションで競り落とす。などなど。戦闘はあくまで目的遂行のための一手段にすぎず、必ずしも戦闘中心のゲームになっていないのがよいです。いや、だめなんですよ、戦闘しかやることがないRPGって。

 そして、最も重要なのは、このゲームに「時間制限」があることです。フィールドやダンジョンをほっつきあるいていると時間が経過し、一定の時間が経つと季節が変わります。4季節で1年(当たり前)、そして8年がタイムリミットです。この間に決められた数の種類を確保しないとゲームオーバーです。時間の経過を意識して、効率よく計画的に動物を集めていく戦略性が要求されます。


 と、まあこんな感じでですね、制限時間を意識しつつ効率よくあらゆる手段を使って動物集めに奔走する。この楽しさは一回プレイすればすぐわかります。システム体系が完全に整備されているのもいいですね。操作性は快適だし、コマンド体系やアイテムの管理はとてもスムーズで全くストレスを感じませんでした。さすが桝田さんだけあって、このあたりのデザインは全く余念がありません。それと、いわゆるRPGのお約束がほとんどあてはまらないのが最高です。「そもそも動物がお金を持っているはずがない」と先ほども書きましたが、このようにひとつひとつの設定が不自然さを感じさせないように工夫してあります(唯一、ダンジョンに宝箱が置いてあるのはどうかと思いますが)。


 さて、ここまでこのゲームをべた褒めしてきたわけですが、ではなぜこのゲームが「面白かったゲーム」に入らずに、ここ(「割と楽しかったゲーム」)に甘んじているのか。まあ、これはほとんどわたし個人の好みの問題で、わたしにとっては今ひとつカタルシスが足りませんでした。動物集めが次第に面倒になってくるというか・・・いや、基本的にRPGでアイテム集めとかやらない人なんですよ。それでも、最初のうちは普通に楽しかったんですが、最後のころになると図鑑とにらめっこして、フィールドやダンジョンをしらみつぶしに探して漏らした動物を埋めていくという作業になってしまう。ダンジョンの構造が複雑でだだっ広いのもちょっと。これを隅々まで探すとなると結構大変かな。
 いや、一応それでもA・B・Cすべてのシナリオをクリアしたので(Dはやってません)文句をいう筋合いもないのですけどね。でも、今思い出すとちょっと退屈だったかな、と。そう思いました。やりこみ派のコレクターなプレイヤーならもっと素直にはまれると思います。


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