<マリーのアトリエ>

2002・6・4

 錬金術師になっていろんなアイテムを作りまくるゲームです。このページは、一応シリーズ第一弾の「マリー」を元にして書いていますが、続編の「エリー」「リリー」も基本のゲームデザインがほとんど変わらないため、他のアトリエシリーズにも通用するレビューと見ていいでしょう。

 まず、このゲームほどリソースの管理について考えさせられるゲームはないですね。リソースとはプレイヤーのもつ資産・・・アイテムやお金、経験値やHP・MPなどのことを指しますが、この「アトリエ」シリーズは「リソースを変換するゲーム」といって過言ではないでしょう。
 いや、実は普通のRPGも、システムのみをむき出しにすれば「リソース変換ゲーム」です。敵との戦闘でHPやMPを消費して経験値とお金を獲得し、そのお金を使って(宿屋で)HPとMPを回復し、(店で)アイテムを購入する。そしてさらに戦闘を繰り返して、またHP・MPを消費して経験値とお金を手に入れて・・・以後繰り返し。
 ただ、この「マリーのアトリエ」の場合、新アイテムの製作を軸に、そこに様々なリソースが絡んできて、いろいろ考える要素が多いところが楽しいのです。

 このゲームの最終目的は、「5年の期間の内に賢者の石(錬金術究極のアイテム)を作る」ことですが、そこに至るまでに様々なリソースを獲得しなければなりません。
 まず、アイテムを作るための材料を手に入れないと話になりません。材料は街の外の森や山に採りに行きますが、街の外にはモンスターがいて、一般人のマリーでは対抗できません。そこで、モンスターに対抗する冒険者を雇って材料を採りにいくことになります。
 とはいえ、初期の頃は冒険者もレベルが低く、強いモンスターがいる遠くの地には材料を採りにいけません。そのため、まずは弱いモンスターで経験をつんで冒険者(とマリー)を強くする必要があります。
 このあたりはいかにも普通のRPG的ですが、つまりは材料を手に入れるために戦闘で経験値を獲得する必要があるわけです。

 さらに、これに加えてアイテムを作るための知識を手に入れる必要があります。いくらアイテムの材料が揃っていても、アイテムを作る方法を知らなければ作れません。初期のマリーは、アイテムの作り方はおろか、多くのアイテムは名前すら知らないので、まず参考書を読んでアイテムの基礎知識を手にいれる必要があります。
 また、それ以外にも、ずばり「知識」という名のパラメータがあり、作成が困難なアイテムほど高い知識のパラメータを必要とします。たとえ賢者の石の材料が揃っていても、知識の無い初期のマリーではそれをつくることは出来ません。知識のパラメータは、前述の参考書のほかに、新しいアイテムを作ったり、人々から情報を手に入れることで上昇します。新しいアイテムをつくることが、実は最終目的の賢者の石につながるわけです。

 さらには、お金も何気に重要な要素です。冒険者を雇うにはお金が要りますし、参考書の購入にもお金が要ります。初期のマリーは貧乏で、参考書も無く作れるアイテムもわずかですから、まずはお金の確保が課題になります。
 お金は、「各種材料の採取」「アイテムの作成」の依頼をこなすことで得られます。アイテムの作成がそのままお金の確保につながります。すなわち、

 材料採取・アイテム作成 → お金の確保 → 冒険者の雇用・参考書の入手 → 材料・経験値・知識の獲得 → 
新しい材料の入手・新しいアイテムの作成 → (以後繰り返し)

がゲームの基本的な流れになります。

 さらに、アイテム同士の合成もリソースの変換作業といえます。このような合成のシステムは普通のRPGでもよく見られますが、これをゲームの中心に持ってきたところがアトリエシリーズ最大の特徴です。上級のアイテムほど作るのに複雑な合成を必要とするため、材料の確保の段階から計画的に行動する必要があります。

・自由度の高さが最大の魅力。
 このように、アイテムの作成を中心に、材料の入手・モンスターとの戦闘・依頼の達成を繰り返す要素だけでも楽しいと思いますが、このゲームの最大の魅力は、その自由度の高さだと思います。
 とにかく最終目的さえクリアすればよいため、そこに至る道順はどのように辿ってもよいのです。地道に依頼をこなすことを繰り返してもいいし、ある程度お金をためたらアトリエにこもってアイテム作りに没頭してもいい。あるいは、街の外でモンスターと戦闘を繰り返してレベルを上げまくってもいい。最終的に賢者の石に到達できればよく、ゲーム期間の5年をどのように過ごしてもいいのです。
 そして、自由度が高い割には初心者もとっつきやすいのも優れたポイントです。自由度の高いゲームは、往々にして「何をしていいのか分からない」という状況に陥りがちですが、このゲームの場合、「目先の依頼をこなす」ことがゲームの進行につながるため、目標がわかりやすいのです。とりあえず、次々に指定される依頼を機械的にこなしていくだけでもゲームは進められます。そうして機械的に依頼をこなしていくうちに、初心者にも自然とゲームのシステムが理解できるというわけです。これが、もし5年の期間と最終目標が提示されるだけのゲームだったら、初心者は何をしていいか分からず途方にくれたかもしれないですね。

 5年の期間内に、イベントがたくさんあるのも優れています。マリーと行動をともにする冒険者とのイベントを中心に、さらに各種の年中行事が多彩で、単純なゲームの進行に彩りを添えているのがいい。目先の目標と多彩なイベントだけで楽しめるようになっています。

 難易度がかなり甘く設定されているのも、とっつきやすい一因でしょう。5年という期間は十分すぎるほど長いので、ゲーム的にややもの足りない反面、開放的にゲームを楽しめるところがあるのでしょう。もっとも、私的にはややもの足りなく、自分のプレイでは3年目に入ったあたりで知識のパラメータが最大値に到達、作れるアイテムをすべて作ってしまって、後は何をしていいのかわからず、完全に途方にくれてしまいました(笑)。


 と、まあ個人的にはやや簡単すぎるところが残念でしたが、基本のゲームデザイン(リソースの変換作業)がしっかりと作られている点、初心者でもとっつきやすいゲーム性、そして自由度の高さと、かなり面白いゲームになっていると思います。未経験の人はやって損はないゲームです。


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