<魔神転生>

2003・8・21

 アトラスの有名RPG「女神転生」のシミュレーションRPG版、といっていいゲームです。
 実は、このゲームをやる前に、続編である「魔神転生II」を先にやってしまっていて、しかもそれが非常に面白い出来だったため、前作をわざわざやることにかなり躊躇していました。しかも、この作品はあまり世間の評価がよくないこともあり、プレイ前の印象は決してよくありませんでした。

 そして、実際にプレイしてみたんですが、やはり非常に面白い続編「魔神II」に比べるとどうしても見劣りがする内容でした。

 まず、とにかくこのゲームは操作性とか操作系とか、プレイアビリティがかなり低い。なんていうか遊びにくいのです。
 まず、セーブシステムに欠点があります。このゲームは、マップクリアタイプのシミュレーションRPGですが、マップクリア後の全体マップ中にセーブできません。セーブするためには、とにかく新しいマップに入らないといけません。マップ中にいつでもセーブできるのはいいんですが、逆に全体マップでセーブができないとは何事か? ・・・まあ仕方ないか、アトラスだし。
 さらに、全体マップの中に、悪魔合体を行う「邪教の館」があるんですが、これまた使い勝手がよくない。なぜか悪魔のステータスが中途半端にしか表示されないし、合体の結果表も全く表示されない(ひとつひとつ合体を試す必要がある)。なんか初代メガテンの不便さに戻った感じだ。・・・まあ仕方ないか、アトラスだし。
 そして、コマンド体系の使いにくさも相変わらず。とにかくプレイしていてストレスが溜まる事が多い。・・・まあ仕方ないか、アトラスだし(笑)。
 ちなみに、これらの不都合は続編ではすべて解決されていますが、まずこの点でこのゲームは大幅に見劣りしてしまいます。

 次に、単純にシミュレーションゲームとしての出来も今ひとつです。この手のゲームでは、やはりユニット間の相性による戦略性が必要だと思うのですが、このゲームではあまりぱっとしません。メガテンの特徴である悪魔ごとの属性は出ているのですが、いざマップの戦略となると完全には機能していません。特に、ゲームの中盤までは、人間ユニットだけでもクリアできるくらいで、ユニットの相性を徹底的に生かす必要性があまり感じられないのです。

 そして、メガテンシリーズとしても他のゲームと比べると見劣りがします。2身合体しかできませんし、DARK属性の悪魔を作ることもできない。悪魔の種族自体も少なく、物足りない。さらには先ほども書いたとおり、合体時に合体表もなくいちいち全部の組み合わせを実際に試すしかない。合体だけでなく会話のシステムも非常にシンプルで、悪魔ごとに単純な会話パターンを覚えれば失敗することはない。
 全体的にファミコンの初代メガテンのレベルに戻ったような感じですね。これはこれで遊べることは間違いないのですが、ここでも最先端のシステムを存分に採用した続編と比べると大幅に見劣りがしてしまいます。

 さらに言わせてもらえれば、演出面も貧弱です。ストーリーイベントが極めて断片的で、残念ながらストーリーの作りこみは一昔前のゲームの印象です(FEやタクティクスオウガのような重厚なイベント満載のゲームではない)。そして、スーファミ後期のゲームであるにも関わらず、グラフィックはファミコンに近いレベルで、これまた美しいクォータービューのマップ画面が特徴の続編と比べると非常に劣ります。悪魔のグラフィックも使いまわしが本当に多いです。BGMも曲自体はいいんですが、曲数がとにかく少なく、毎回マップで同じ曲を聴かされ続けることに。メインで使われる曲が5〜6曲くらいしかなくて、イベントやOP・EDなどで使われる曲と合わせても十数曲程度しかない。これまたかなり物足りないですね。


 このように、全体的に見てどうしても物足りない点が多く、出来のいい続編と比較するとなると、明らかに見劣りがしてしまいます。そのために、プレイを始めてからかなりの間、なかなかゲームにのめり込めませんでした。特にプレイアビリティの低さが足を引っ張り、ファーストプレイでの印象は決して高いものではありませんでした。


 しかし、そのあたりを耐えてプレイを続けているうちに、これが決して悪くないゲームであることがわかってきました。最初のうちは自分の方が完全にはゲームシステムを理解していなかったことも明白になり、一方的にゲームの方が悪いというわけではなく、プレイヤーであるわたしの方の努力不足もあったようです。

 まず、やりこんでいくと「ユニット間の相性」が結構良く出来ていることに気付きます。確かに前半のうちは人間ユニット中心に適当に進むだけでも行けますが、さすがに中盤以降は難しくなります。敵側に強力なユニットが次第に登場してきて、さすがに人間だけでは対抗するのは厳しい。それよりも使える種族の悪魔をきちんと作って、相性のいいユニットと当たらせるほうが効率は良い。この「ユニット間の相性」については、続編の「魔神II」で面白さが際立っているのですが、前作にあたるこのゲームでもその片鱗が窺え、これはこれで十分面白い。

 さらに面白い点として、「ランクによる悪魔の成長」があります。自軍の悪魔に経験を積ませて成長させるのも単純に面白いですが、「敵側のユニットも戦闘で経験を積んで強敵となってしまう」という点がさらに面白い。下手に敵に経験値を与えるとかなり危険ですし、逆に「ランクが高い敵を倒すと経験値が多くもらえる」というフィーチャーを利用して、わざと成長させてから倒していくという戦略も可能。このランクの概念を理解してから、実に効率よく経験値を稼げるようになり、戦闘の楽しさが倍増しました。

 もうひとつ、「合体によるEXTRA(特殊技)の継承」というフィーチャーもやはりよい。これも続編で大ブレイクする要素ですが、本作においても「あらかじめ合体計画を練って、優秀なEXTRAを継承して使える悪魔をカスタマイズする」という楽しみは健在。序盤のまだ難度が低いうちに使えるEXTRAを持つ悪魔を育て、中盤以降で本命の悪魔に合体で継承する。続編に比べるとさすがにスケールは落ちますが、これはこれでシンプルながら面白いです。

 このように、きちんとシステムを把握すればかなり楽しめるゲームなのであって、決して遊べないゲームではなく、むしろかなり面白い。確かに、第一印象があまりよくないので世間の評価が低いのもわかりますが、その評価は必ずしも正しくないでしょう。実は「普通に十分楽しめるゲーム」であることは間違いないと思います。

 さらに言えば、ストーリーや演出面も言うほど悪くは無い。確かにイベントこそ貧弱ですが、ストーリーそのものは中々興味深い。グラフィックはさすがにいまいちですが、BGMに関しては曲数こそ少ないものの一曲一曲のレベルは高い。さすがは青木サウンド。ボスステージでの壊れ系テクノぶりは健在です(笑)。


 以上のように、この「魔神転生」、ゲームに触れたばかりの頃の印象、あるいは世間の評価ほどには悪いゲームではなく、実際には中々楽しめるゲームであると思います。少なくとも、続編である名作「魔神転生II」をプレイする前にやっておいて損は無い。スーファミのソフトなんで手に入るかどうかは分かりませんが、もしあれば(評価が低いこともあって)かなり安い値段で手に入るはずです(わたしは650円で手に入れました)。メガテンシリーズの中では、この「魔神」シリーズはどういうわけか知名度が低いのですが、もっと有名になってほしいシリーズではあります。
 できればPS2でリメイクを期待したいんですが・・・無理かな(笑)。


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