<真・女神転生2>

2004・7・24

 「女神転生」「女神転生2」「真・女神転生」と順調に発展していったメガテンシリーズですが、この「真・2」に関しては、前作に比べると劣る部分が多く、ここで一旦停滞した感があります。まあ、メガテンなので面白いことは面白いんですが、誰もが名作と認める「真・1」と比べると、どうにもやりにくいところが多い。

 まず、このゲームはとにかく遊びにくいのです。プレイアビリティがあまりに低い。ダンジョンを歩く速度がなぜか前作より遅くなり(特に振り向きが遅い)、かなりストレスが溜まります。アイテムの整理もやりにくくなり、すぐアイテム欄が乱れてしまう。デビルアナライズ(悪魔のデータ参照)も前作より明らかに使いづらい。このあたり、明らかに前作の方が優れていたんですが、なぜ後発のゲームのシステムが前作より劣ってしまうのか、非常に謎です。前作より改良されている箇所もいろいろとあるんですが、それよりも悪化した部分の方がはるかに多いというのは不思議です(笑)。
 ついでに言えば、バグが多いというのも困った点です。細かいバグならまだ許せますが、中には防御力無視で信じられないダメージを受けてしまうという非常に困ったものまであります(これで何回かゲームオーバーになったことがあります)。

 さらには、肝心のゲーム部分の出来もあまりよくない。
 とりあえず、このゲームは攻撃魔法が弱すぎる。まあ、元々メガテンシリーズでは攻撃魔法はあまり使わないんですが、それにしてもこのゲームのそれはあまりに弱い。なにしろ、ラスボスの使う最強魔法ですら50ダメージいかないという有様で、それ以外の魔法の弱さは推して知るべし。その代わりに、メガテン恒例の攻撃力増強魔法(タルカジャ)がやたら強く、これさえ唱えればほぼ楽勝。後は回復魔法さえあれば戦闘は問題なしです。
 さらに問題なのは、メガテンで最も重要である「悪魔」「仲魔」が弱いということ。とにかく仲魔が弱く、いくら苦労してレベルの高い仲魔を作っても報われない。悪魔合体がほとんど自己満足に近いものになっています。
 仲魔が弱ければ敵の悪魔も弱い。強い武器さえ装備すればザコ戦はほぼ楽勝だし、ボスはボスで信じられないほど弱い。ここまで弱いと戦闘で考えることがあまりない。あるとすれば、人間ユニットにいかに強い武器を装備するかを考えるくらいでしょう。

 さらには、肝心のゲーム展開も前作に比べるといまいち。今回はほぼ完全な一本道で、前作のような「先に品川に行っても池袋に行ってもOK」というような自由度の高さは見られません。さらには、ロウとカオスの属性によるストーリー分岐も、今回は最後の最後で完全に分岐するまでは全く展開に違いがありません。前作のようにボスと闘うか闘わないかといった重要な分岐は無く、単に属性がコロコロ変わるだけで展開そのものはまるで変わらない。これはかなり残念な点です。

 ちなみに、このような数々の欠点は、このゲームの次作である「真・女神転生if...」では大きく改善されています。プレイアビリティは随分と改良されて、「魔法が弱い」「悪魔が弱い」といった欠点もこれまた随分と改良されています。このように随分と改良された次作を見れば、やはり「真・2」は開発者の目から見ても失敗した部分が多かったのだと実感できます(笑)。


 さて、このように全体的に作りこみが劣っていたと思われる「真・2」ですが、それでも全く遊べないというわけではなく、むしろ面白くプレイした点もありました。全体的な印象はさほど悪いゲームではありません。

 まず、とりあえず悪魔との会話・合体という女神転生の基本部分はよく出来ていました。なんのかんの言って悪魔合体は大いにやりこんだし、シリーズ定番の面白さに関しては申し分ない。

 ゲームシステムとは外れますが、ストーリーや世界観がかなりいいのも魅力。近未来の社会システムを描いたSF要素の強い世界観で、いわゆる「アンチ・ユートピア」ものとしてツボを押さえた作りになっています。わたし自身としてもこういった話は好きで、個人的には大いに受けました。人々を洗脳して働かせる労働システムとか、体制側に都合のいい情報しか流さない公共放送とか、仮想現実によって作られた理想世界とか、「選ばれた者以外はすべて用無し」という党のやり口とか、いかにもツボを付きまくった設定で実に面白い。このような政治的社会的要素が全面に出るシナリオ・世界観は、女神転生シリーズならではの特徴で、「子供向け」あるいは「オタク向け」のイメージから脱却しきれない他の和製RPGでは中々見られない魅力といえます。

 いや、むしろ女神転生では、ゲームのシステム以上にこういった世界観にはまるプレイヤーが多く、その意味ではこの「真・2」も決して悪い作品ではないのかも知れません。この作品以降の女神転生は、学園物の「真・if...」を経て、「デビルサマナー」「ペルソナ」「ハッカーズ」と、キャラクター個人のドラマを中心にしたシリーズが続くようになり、(最近になってようやく「真・3」が出るまでは)ライトユーザー向けのとっつきやすい世界観の作品が続いてきた感があります。その意味では、このようにより重厚なストーリーと世界観を持っていた「真・2」(「真・1」も)の存在は、今でも見逃せないもので、ゲーム内容以上に心に残るゲームであったと言えそうです。


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