<スターオーシャン セカンドストーリー>

2001・10・27

 このゲームは、面白いところは徹底的に面白いので、その意味では「面白かったゲーム」にあげても良かったんですが、反面不満な点も多すぎるためここで扱うことにしました。

 このゲームは、トライエース、もしくはエニックスの代表的なRPG作品として、PSのRPGではほとんどNo1に近い評価を受けているので、細かい説明は不要かもしれません。もしこのゲームについて知りたいなら、まず他のサイトを当たると良いでしょう。まさしく星の数ほどのサイトがあります。
 このゲームは、まさにシステム原理主義のトライエースが作っただけあって、相当システム寄りのゲームです。わたしの目から見ても、「これは」と思える優れたシステムが数多くあります。

(1)戦闘システム
 トライエースの戦闘システムにかける意気込みは並々ならぬものがあるようで、このゲームも前作スターオーシャンの戦闘を基盤に、さらにバランスを調整してやり応えのあるものに仕上げています。わたしは、日本のRPGの戦闘システムはFF5で頂点を迎え、それ以降これを越えられないでいるのが現状だと思うのですが、その中で唯一トライエースだけが気を吐いていると感じます。
 その戦闘システムですが、これはリアルタイム戦闘・・・というより99%アクションです。アクションゲーム同様フィールド上を自由に動け、敵への攻撃や魔法・アイテムの使用のみがコマンド入力になっていると考えればよいでしょう。
 もうひとつの特徴は、4人のパーティーキャラクターを状況に応じて切り替えて操作する点です。完全なアクションということで、プレイヤーが操作できるキャラクターは常に一人で、残りのメンバーはAI戦闘です。しかし、いつでも操作キャラクターを切り替えることによって、状況に応じて最適の行動を採らせることが可能です。
 つまり、通常はアクションゲームのように気持ちよく敵を倒しつつ、厳しい状況のときには各キャラクターに最適の選択をさせることも可能であるというシステムで、アクション的な爽快感と、従来のコマンド戦闘に近い緻密な戦略と、その両方を楽しめるコンセプトになっています。

 さらに、今回は前作と比べて戦闘バランスがかなり厳しく設定されているのがポイントで、適当に闘ってもなかなか先に進めないような作りになっています。もっとも、これくらいの厳しさがないとゲームとしては楽しめないのが正直なところです。

(2)スキルによる成長システム
 このシステムもよく出来ています。レベルアップと同時にスキルポイントを得て、それを消費してスキル(何らかの特技・技術)を獲得というシステムですが、どのスキルをまず獲得するかという自由度があります。単なるレベルアップによる成長ではなく、ある程度プレイヤーによる自由な成長が可能である。似たようなコンセプトは他のRPGでも見られますが、このスターオーシャンシリーズのそれが最も洗練されています。

(3)アイテムクリエーション
 (2)のスキルシステムとも大いに関係しますが、これはスキルを使用してアイテムを加工し、別のアイテムを作り出すシステムです。単純に戦闘を繰り返すだけでもこのゲームは楽しめますが、これを活用することでさらに戦闘が楽しくなるばかりか、これ単体でも十分な面白さをもっています。また、一部に戦闘とは直接関係しないアイテムの製造が可能なのも個人的には嬉しい。戦闘と関係しないところでも楽しめるのがこのゲーム最大の利点です。

(4)プライベートアクション(PA)
 ある意味、このゲームの最重要システムです。町や村でパ−ティーメンバーに単独行動を取らせることができ、それによって様々なイベントが発生します。
 このPAはやってもやらなくてもいいということで単なるオマケ要素と考える人もいるでしょうが、必ずしもそうではありません。このPAは、他のRPGでいう「サブストーリー」もしくは「サブクエスト」にあたるもので、それをプレイヤーの意思で起こせるという点が非常に重要です。サブストーリー・サブクエストを用意して自由度を高めたRPGはいくらでもありますが、それがあらかじめプレイヤーを待ち構えているのではなく、自分の意思で起こしているということで、自由度の感じ方がまるで違います。実際、このシステムがなければ、このゲームは単なる一本道の戦闘ゲーム的RPGと化す可能性が高く(一応アイテムクリエーションはあるが)、ゲームプレイの幅を広げている点でやはり最重要です。

 以上のように、このゲームは、とりあえず戦闘・スキルシステム・アイテムクリエーション・プライベートアクション等の各種システムをひたすら追求するだけで十分楽しめ、特にやりこみ派のゲーマーにとっては堪えられない一品なわけですが、反面どうにも荒削りというか、未完成というか、私的にやりきれない部分も多かったので、必ずしも満足したわけではありませんでした。主に戦闘に対する不満が多かったのですが、それ以外にもいくつかあります。

(1)戦闘に関する不満
 まずは、戦闘に関する不満について。

・通常攻撃で殴り負ける敵がいる。
 コマンド入力でキャラクターに攻撃を指示すると、敵に近づいて攻撃します。これは当たり前ですが、しかし相手によっては100%殴り負けて一方的に攻撃をくらってしまいます。彼我の攻撃速度と攻撃タイミングが一定なのが問題で、相手の攻撃速度のほうが速い場合100%殴り負ける。
 それではどうやって倒すのか、ということになるがほとんど「ごり押し」。敵のアルゴリズム上、毎回律儀にこちらの動きに反応せずにわりとぼーっとしていることも多いので、それを狙ってひたすら攻撃を続行するしかない。ゲーム序盤のうちは特にそうかな。
 中盤以降は必殺技(MPを消費して出せる特殊技)を使ったり、仲間の全体魔法の援護を借りて通常攻撃を当てたりできるようになりますが、これだって通常攻撃単独では攻撃が通用しないことを露呈しているだけで、一体何のために通常攻撃があるんだ? ということになります。これならば確実に攻撃があたる分オーソックスなコマンド戦闘の方がいいのではないか、といった疑問を抱いてしまいました。

・一旦攻撃コマンドを入力するとキャンセルできない。
 攻撃コマンドを入力すると、後は自動で敵を攻撃しにかかるわけですが、このとき敵が動いているとひたすら追いかけ続けるだけでいつまでたっても攻撃できません。一定の捕捉距離に入らないと攻撃してくれないのが問題で、特に高速で動く敵の場合、追いつくことすらできずフィールド中を右往左往することになります。これを打開するにはやはり全体魔法で足止めするぐらいしか手はなく、なんともやりきれません。

・キャラクターの足が遅い。
 いや、そもそもこれが元凶なわけです。この戦闘システムは「フィールド上を自由に動ける自由度の高さ」がコンセプトで、例えば敵の後方に回り込んで攻撃したり、ピンチの仲間を援護したりといった行動が可能、ということになっています。だが、実際には足が遅すぎて敵の背後に回るなど到底不可能です。結局普通に攻撃するか、あるいは魔法や必殺技でごり押し、という戦法になってしまいがちです。フィールドを自在に動けるというコンセプトがあまり生きてないような気がします。

・画面外の状況を把握できない。
 到底一画面では収まりきらないほど戦闘フィールドが広いんですが、この場合画面外の状況がまったく分かりません。完全なリアルタイム戦闘で、相手の呪文を発動前に止められるかどうかが勝負を分けるようなゲームなのに、戦闘全体の状況を把握できないとは何事か? これはリアルタイム戦闘としては致命的だと思います。この点では、一画面で戦闘フィールドを表示した前作スターオーシャンに軍配が上がるでしょう。

・画面の切り替えに時間がかかる。
 これも致命的です。画面外の敵にカーソルを合わせようとして、初めて画面が切り替わるのですが、切り替え時にもリアルタイムで時間が経過しているというのは納得いかない。この点でも前作スターオーシャンが(以下省略)。

・魔法や特殊技のエフェクトが長すぎる。
 これが一番むかつくんですよ。これ以外の問題点については、「調整不足」とかやむを得ない理由で起こったといえるわけで、まあ仕方ないともいえる。しかし、これは違う! こんな長すぎるエフェクトをプレイヤーに強要するなど、明らかにゲームデザインの方針が間違っています。ただの通常魔法に20秒以上かかるとは何事か。あんまり長いんでコントローラー放り投げちゃったよ(笑)。こんなものわざわざ作ってこのゲームのデザイナーは面白いとでも思っているのか。
 しかも、自キャラばかりではなく敵キャラクターの魔法や特殊技も長いため、リアルタイム戦闘の緊張感が大いに失われてしまっています。ラスボスの戦闘なんかは下手をすると一時間ぐらいかかっちゃうんですが、そのうちの40分くらいは長いエフェクトを見てるだけの状態です。これはひどい。

(2)戦闘以外に関する不満
 で、次に戦闘以外に関する不満について。

・大量にアイテムを持てる。
 まあ、これはこのゲームに限ったことではなく、今のRPGの多くにいえてることなんですが。えーとこのゲームはすべてのアイテムを20個ずつ(だったかな?)所持できます。で、これだけ大量の回復アイテムを持てるということは実質回復し放題ということで、あんまり個々の戦闘の戦略を考える必要がありません。適当にごり押しで戦って回復しつつ先に進めばいいだけ。まあ他のRPGも似たようなものですが、わたしはこういった構造があまり好きではありません。現代RPG批判(3)にも書いたとおり、リソースの管理があまりにもおざなりで、「限られたリソースを効率よく使ってゲームを進める」というゲーム性が皆無です。一回一回の戦闘をいかに切り抜けるかに戦略性が集中しているんですね。ザコ戦でうまく戦ってもごり押しで切り抜けてもその後の展開が全然変わらないのはどうかと思います。

・イベントシーンが多すぎる(特に序盤)
 なんかイベントシーンが多くて非常にかったるいです。特に序盤はイベントのオンパレードでなかなか先に進めない。しかも、ひとつひとつのイベントがやたら長い。こう思うのは自分だけかな? まあ最近のRPGってみんなこんな感じだから今のプレイヤーにとってはこれが当たり前なのかもしれませんね。自分はドラクエ7の短いイベントシーンですらかったるいと思うくらいだから、実は根本的なプレイ感覚が、もう人とはずれているのかも知れない。

・イベント戦闘がうっとうしすぎる。
 そもそも、わたしはイベント戦闘で絶対勝てない敵と闘わされるのが好きではありません。最初から勝てないんならさっさとイベントで殺してくれと言いたい。
 それだけならまだいいんですが、このゲームの場合さらに凶悪です。イベント戦闘で「プレイヤーが全滅することでストーリーが先に進む」場合と、「一定時間ボスの攻撃をしのぐことでストーリーが先に進む」場合があるんですが、この二つは見た目は全く区別がつきません。わたしは、全滅しないと先に進めない戦闘であることを知らずに延々と20分ぐらい闘っていたことがありますし、その一方で、ボスの攻撃を一定時間耐える戦闘であることを知らずに、勘違いして全滅していきなりゲームオーバーになったこともあります。

・RPGのお約束全開
 個々のシステムは斬新なんですが、ゲーム全体の枠組みは普通のRPGですね。いや、自分はもう普通のRPGってだめなんですよ。なんかもう面白いと思わない。とくにゲームのお約束がいたるところに残っている点が問題。そもそもなんで宝箱が存在するんだ? 人の家の宝箱を取るのは泥棒じゃないのか? なぜモンスターがお金を持っているんだ? 一泊の宿代が一回の戦闘で稼げるのはなぜ?(今の日本なら素泊まりでも3000円くらいかかるぞ) あんな大量のアイテムをどうやって持ち歩いてるんだ? 詳しくは現代RPG批判(4)を見ていただきたいんですが、とにかくわたしはこういったお約束は好きではありません。とくにこのゲームは緻密なグラフィックでSF世界をリアリスティックに再現している分、余計にお約束との間のギャップを感じてしまう。SF小説や映画で主人公が宝箱を回収したりモンスターを倒してお金を手に入れたりしますか? しませんよね。 なに? 小説や映画とゲームは違う? そういう問題ではないでしょう。

   まあ、戦闘以外の不満に関してはこのゲームの批判というよりはむしろ今のRPG全体に対する不満になってしまいましたが・・・まあ結局SO2も今どきのRPGのひとつである、ということでしょうか。


 この「スターオーシャン セカンドストーリー」、個々のシステムデザインは実に素晴らしく、遊びこめるゲームであることは確かなんですが、反面戦闘システムを中心にいろいろと荒削りというか不満点も多く、心の底から楽しめた、というわけにはいきませんでした。まあ、普通のRPGのお約束が楽しめないのはほとんどわたし自身の問題ですから、普通のRPGプレイヤーには問題なく楽しめるとは思います。でも、このあたりの点をクリアすればもっともっと面白くなると思うんですよねえ。だってSFでしょ? もっと世界にリアリティがあってもいいじゃないですか。


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