<スターオーシャン3 Till the End of Time>

2003・3・16

 うーん、まさかクリアまでに85時間もプレイするとは思いませんでした。かなり寄り道をしたりアイテムクリエイションに精を出したりしたのもあるんですが、それにしても長かった。


 さて、肝心のレビューに入ります。
 このゲームは、あのスターオーシャンシリーズ待望の続編ということで、かなり期待して待っていたんですが、実際の内容もほぼ予想通りの内容でした。

 まず、やはり戦闘が非常に楽しいです。トライエースの戦闘システムにかける意気込みは並々ならぬものがある、とこのサイトでも何度か書きましたが、今回もまさにその通りでした。
 前作(SO2)の戦闘も爽快で楽しかったんですが、それ以上に色々と不満が多すぎて、必ずしも満足できるものではありませんでした。前作の戦闘でやることと言えば、とにかくごり押しの攻撃と必殺技の連打、あとは魔法で敵を足止めすることのみ(というか、それしか出来ない)。それが、今作ではかなりの部分で大きく改善され、前作より遥かに面白い戦闘に仕上がっています。

 とにかくかなりの速度で戦闘フィールドを動けるようになったのが大きいです。前作では(何か特別なアイテムを使わない限り)、動きが遅すぎて敵の背後に回りこむなど到底不可能でした。しかし、今回は本当に走りまわれます。ようやく、このシリーズの戦闘本来のコンセプトである「自由度の高い戦闘」が実現されたような気がします。
 さらに、攻撃技のヴァリエーションが大きく増えたのが大きい。通常技だけで小・大攻撃の2種類があり、さらにそれぞれの技が敵との間合いや状況で異なり、さらに2段以上の連係も可能。通常技だけでこれだけのヴァリエーションが用意されていて、これに加えて必殺技までキャンセルで連係させることができる。必殺技も最大で4つまで使い分けることが可能で、これら各種技の連係を考えていくだけで面白い。
 もちろん、ただ何でも出来るだけでなく、それらを使い分ける戦略性も前作以上にあります。今作も戦闘がかなりきついこともあって、きちんと攻撃を当てていかないと勝てません。

 さらに、今回追加された新要素もうまく機能しています。
 まず、小攻撃・大攻撃・プロテクトの3すくみの関係。ガッツ(行動力)が100%の状態では、キャラクター周囲に「プロテクト」がかかり、小攻撃は跳ね返されて反撃されてしまいます。プロテクトを破るには大攻撃を使う必要があり、敵キャラクターの状態をきちんと把握した的確な技の使い分けが要求されます。さらに、自分のほうでプロテクトを使って敵の小攻撃を誘って反撃したり、プロテクトを見越して仕掛けてきた大攻撃を避けて反撃したりすることも可能です。そして、こういった防御面での戦略でボスのような強敵をあっさり倒せるあたり、実によく機能した新システムだと思います。
 HP(ヒットポイント)だけでなくMP(マジックポイント)が0でも死亡するというシステムも面白い。MPのダメージにも配慮しておかないと本当にあっさり死にます。敵のMPにもこれは言えており、MPのダメージだけで強敵をあっさり倒せる事も多いですね。後半はこれを考えないときついでしょう。
 このように、個々の新要素がきちんと戦術面で機能しており、前作よりも遥かに面白い戦闘になっていると思います。

 さらに、今回は終盤に入って突然敵が強くなるのが非常によろしいです。相当レベルをあげて戦略を練らないと勝てません。やはり、これくらい敵が強くないとRPGは遊べないですね。そこらへんを歩いているザコが並みのボスより強かったりする辺り、RPGというゲームを分かっているようでたいへんよろしい(笑)。


 戦闘と並んで面白いのが、やはりアイテムクリエーションですね。こちらも、前作とはかなり印象が違っていて、オリジナリティがあって良いです。主人公たち以外にもアイテムを作るクリエイターがいて、彼らと契約を結ぶことで共にアイテムを作ることができ、そうでなくとも各クリエイターが勝手にアイテムを作成するため、前作よりもアイテムクリエイションに関する自由度が広がりました。クリエイターとチームを組んでアイテム作成に励むもよし、アイテム作りはクリエイターに任せて自分は冒険に専念するもよし。アイテム作成そのものは前作とさほど変わっておらず、相変わらず面白いですね。


 さて、このようにシステム面が充実していて、「遊べるゲーム」であることは間違いないですが、では何故このゲームが「面白かったゲーム」ではなく「割と楽しかったゲーム」に分類されているのか。それはこのゲームが「極めて普通の和製RPG」であるという点に尽きます。
 わたしは、そもそも今の日本のRPGが好きではありません。理由についてはこのあたりに書いてありますが、このゲームでも戦闘以外の点において、ほぼこれらの理由が当てはまります。

 まず、一本道で自由度がないという点が厳しい。実は前作・前々作も大して自由度は無かったんですが、それでもある程度は攻略の順番に融通が効く場面があり、自由に動けるフィールド画面も存在することから、自由度らしきものを感じることはできました。そして、何と言っても、プライベートアクション(PA)の存在が大きい。PAとは、プレイヤーが自分の意志で起こせるサブイベントのことですが、このPAのバリエーションが多岐に渡り、ストーリーの本編を進めるよりも寄り道してPAに専念するほうが楽しかったため、ここで大きな自由度を堪能できました。

 しかし、今回は、このPAが薄味になったようで、そのため自由度が低く一本道感が増した印象が強いのです。そもそも、SOシリーズの特徴として、戦闘システム・アイテムクリエイション・プライベートアクション(PA)の3つの柱があると思うんですが、その中でもこのPAが一番重要だと考えています。戦闘システムに凝ったRPGはたくさんありますし、アイテムクリエイションのような追加システムを用意したRPGもこれまた多い。しかし、PAのような充実したサブイベント群を用意したRPGはあまりないと思います。例えば、テイルズシリーズあたりのRPGと比較して、SOとテイルズの最大の違いは何かと言えば、それはやはり「PAの有無」ではないかと思います。つまり、PAこそがSOシリーズ最大のオリジナリティではないかと思うのです。
 そして、今回このPAが薄れたことで、何と言うか極めて普通のRPGになってしまった印象が強い。結局イベントと戦闘の繰り返しだからです。ストーリー展開も完全な一本道で、わき道にそれることは全くありません。

 そのストーリーも、ちょっとよろしくありません。わたしは、ゲームにストーリーは求めませんし、SOシリーズの前作・前々作も大したストーリーではなかったので別に期待してはいなかったんですが、しかしこれだけの長いムービーシーンを使ったストーリー志向のゲームの割には、肝心のストーリーが良くない。いや、作りこみ自体はすごいんですよ。隅々まで定められた詳細な設定とか、世界を表現するグラフィックとかはね。

 あとは、やはり和製RPG独特のゲーム的なお約束の数々です。いきなり宝箱がそこらへんに置いてあったらおかしいでしょ? 相変わらずモンスターの存在意義もよく分からないし。なぜモンスターがお金を持っていて、なぜそのお金がどこの惑星でも通用するのか(笑)。何? SO3はゲームの世界だから問題ない? いや、そりゃそうだけどねえ(笑)。もしかしてこれを理由付けるためにああいうストーリーにしたとか。んなバカな。

 さらに、このゲームは常時セーブでなく、しかもセーブポイントが少ないのが大問題です。これが大きくプレイアビリティを落としてしまっています。まとまった時間が取れないプレイヤーには相当きついはずです。最近ではようやく常時セーブを採用するRPGも増えてきたというのに、この仕様は時代に逆行しているとしか思えません。しかも、今回はダンジョンがやたら広いのも問題です。広いダンジョンをさまよってセーブポイントを探すゲームになってしまっています。


 と、まあこんなところでして、悪くはないんですが和製RPG独特の欠点も多く、そのあたりはやはり普通のRPGかな、と思ってしまいました。まあ、普通のRPGが好きな人なら別に問題ないとは思います。それに、なんのかんの言ってわたしも85時間遊んだわけですから、やはりゲームとしては面白かったのでしょう。2周目以降もプレイして、イベントシーンをキャンセルしてゲームに集中するようになってからが、本当に面白いのかもしれません。


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