<ワイルドアームズ>

2001・10・25

 普通のRPG。一言で言えばドラクエ+ゼルダ(笑)。
 いやほんとそんな感じです。町やダンジョンのグラフィックから受ける印象はSFCの「ゼルダ」に非常に近いし、ダンジョンのパズル的要素がまさにゼルダのそれ。何らかの影響を受けていることは間違いないでしょう。それに加えて、ドラクエ方式のエンカウント戦闘がある。ゲームの基本的な枠組みはこんなところです。
 基本がドラクエ+ゼルダなんで面白いことは面白いんですが、まあ普通のRPGだし、わたしはこのような今のオーソドックスなRPGに対してあまりいい印象を抱いてないんで(詳しくは「現代RPG批判」を参照してください)、そう徹底して面白いとは思いませんでした。RPGファンなら素直に楽しめると思います。
 ただ、そういった「普通のRPG」であることは抜きにしても、各所にちょっとした欠点があり、そのあたりもちょっと不満です。

 まず、戦闘がつまらない。オーソドックスなドラクエ方式のターン性ですが、ドラクエほど徹底的なバランス調整がなされているようには思えないし、一度に出てくる敵も少ないし、非常に単調です。決してシビアな戦闘ではなく、戦闘で考える要素はあまりない。特にボスは非常に弱い。
 そして、それ以上に問題なのが演出面です。一言で言えば、「なぜポリゴン?」 フィールドやダンジョンではドット絵で実にこまやかな動きを見せるキャラクターが、なぜこのような死ぬほど荒いポリゴンになってしまうのか。一体誰の仕業なのか? ユダヤの陰謀か? しかもポリゴンの魔法の演出が無意味に長いし、これだけで大幅にやる気が失せます。

 さて、このように戦闘はまるで見るべき点が無いんですが、その分ダンジョンのパズル要素は面白いです。基本がゼルダだし、実に楽しめます。しかし、ここでも2、3気になる点があります。
 まず、ここでも前述の戦闘が悪影響を及ぼしています。パズルを必死になって考えているときに、戦闘のエンカウントが非常に邪魔なのです。もちろん、多くのパズルシーンでは敵とエンカウントしないように配慮されていますし、終盤になるとエンカウントを無くすアイテムなんてのもあります。しかし、すべてのシーンにおいてそのような配慮がなされているわけではありませんし、そもそもそこまでしてパズルシーンと戦闘エンカウントを峻別しなければならないとなると、結局のところ、「ゼルダ的なパズル要素とドラクエ式のエンカウント戦闘は、そもそも最初から相性が悪いのではないか?」という疑問すら浮かんできます。実際のところ、このゲームの戦闘は、面白くない上にパズルにまで悪影響を及ぼしているわけで、いっそ戦闘をなくしたほうがいいとすら思えます。あ、でもそうすると本当に「ゼルダ」になっちゃうのか?
 パズル自体も本家ゼルダと比較すると、あちら「本家ゼルダ」のパズルがほとんどゲーム性の根幹をなしているのに対して、こちらはあくまでダンジョンの謎解きといった感じであくまでゲームの一部。ちょっとスケールダウンしたかな、という印象はあります。

 つまりこのゲームはドラクエとゼルダのいいとこどりのように見えて、実際には各要素がどちらも中途半端なのではないか、と。特に「ドラクエ」な部分である戦闘が決して面白くないので、それが全体の完成度にも悪影響を及ぼしていると感じました。


 じゃあ結局何が面白いのかということになりますが、やっぱりこのゲームの場合はむしろストーリーと世界観です。ストーリーは、とにかくテンポのよい展開がいいです。特に中盤以降、様々なイベントが連鎖的に起きて、全くプレイヤーを飽きさせません。そして、きめこまやかなグラフィックで描かれた世界観。これは非常に心地よいです。心地よいといえば操作系とシステム体系もよくできています。キャラクターを動かしていて気持ちがいいですし、コマンド体系やアイテム整理に関してはパーフェクト。まったくストレスを感じませんでした。あとはさきほど述べたとおり、ゼルダ的なパズル要素です。操作系でストレスを感じない分、パズルに集中できます。

 普通のRPGに対して評価が厳しいわたしにも結構楽しめたゲームなので、その意味ではかなりすごいことです。RPG好きならもっと素直に楽しめると思います。


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